糖尿病と自己免疫疾患の関係

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糖尿病の患者さんでは自己免疫疾患の合併率が糖尿病以外の人よりも高いという話があります。

あるいは、自己免疫疾患の一つの乾癬の患者さんで糖尿病が合併しているケースがけっこう多くて、しかも症状が重症であるということが言われています。

糖尿病はメタボリックシンドロームの第一段階でもあります。

そう、どうも、免疫の失調と糖代謝異常は、あるいは糖代謝異常と免疫の破たんはリンクしているみたいです。


どうしてなのか?

最近になってわかってきたことは、糖尿病の最初の状況を起こす「インスリン抵抗性の上昇」というのが、肥大した内臓脂肪における慢性炎症状態によって引き起こされるということです。

あ、まだ、教科書的に断定できるレベルではないかもしれませんが、いくつかの論文や総説を見る限り、それで間違いないように思います。

内臓脂肪における慢性炎症状態が脂肪細胞でのインスリン抵抗性を生み出し、それが高血糖とそれに引き続く血管の酸化亢進状態を引き起こし、動脈硬化につながる。

後はもう、ドミノ倒しで全身の血管がやられていきます。


肥満から内臓脂肪の炎症状態が起こり、それでインスリン抵抗性が上がるのはわかるのですが、逆はどうなんでしょう?

自己免疫疾患で自分の体に対して攻撃するという免疫活性化亢進状態が起こると、脂肪細胞でのインスリン抵抗性が上がるのか?


・・・おそらく、上がります。

もちろん、それだけではない、様々な臓器や細胞が異常に活性化した免疫系の影響を受けますが、少なくとも、脂肪細胞での免疫系とインスリン抵抗性は何らかの自己免疫亢進状態に悪い影響を受けてもおかしくないです。

だから、乾癬などの免疫異常がある人は、耐糖能異常などのメタボリックシンドロームがないかどうか、健康診断でチェックする必要があります。

もちろん、メタボじゃなくて糖尿病になるケースもあるのですけれども。

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このページは、実践管理人が2012年4月27日 20:47に書いたブログ記事です。

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