糖質制限ダイエットによって血糖値が下がるのは当然のことながら、高血圧も治るという話があります。
本当に低糖質食にするだけで血圧まで下がるのか?
これは、2型糖尿病の人や、高血糖で境界型と言われている人ではおそらくほぼ全員で、効果的です。
耐糖能異常はなくても、「肥満(BMIが25以上)があって高血圧」の人に関して言えば、おそらく効果的だと思います。
さらに、BMIでは肥満の範疇に入っていなくても、「リンゴ型体型で(内臓脂肪が多くて)高血圧の人」、つまり隠れ肥満のあなたにも。
糖質制限は高血圧を改善するのに効果的です。
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しかし、肥満ではない、血糖値異常もない、だけど高血圧であるという人の場合、効果的である場合とそうでない場合があります。
まず、2型糖尿病の人やその予備軍の人、さらに、肥満がある人や、内臓脂肪でお腹がぽこんと出ている人に関して言いますと、
これらの人では内臓脂肪肥大による脂肪組織の慢性炎症が起こっています。
これが、程度に差はあれ、ほぼまちがいなくインスリン抵抗性を作り出していると考えていいです。
インスリン抵抗性というのは、脂肪や筋肉がインスリンの言うことを聞きにくくなっている状態です。
これらの臓器が血液中のブドウ糖を効率的に取り込んでくれないので、血糖値が下がりにくいのですね。
このために、すい臓は一生懸命インスリンをたくさん作っています。
(血糖値は下がっていても、それは膵臓が必死でインスリンを増産して下げているだけというケースも多いのです。)
結果として、高インスリン血症の状態になります。
インスリンは様々な細胞に作用するホルモンで、これが腎臓の尿細管に作用すると、ナトリウムを最初に作った尿から再吸収するように働きかけますし、水分も尿から再吸収します。
この結果、水分過剰な状態になり、血液も増えます、すると、血管は過剰な血液で満たされてパンパンに膨れて、高血圧になってしまうわけです。
内臓脂肪が増えてインスリン抵抗性が上がって高血圧になっている人の場合、低糖質食や完全糖質オフの食事にしてやることで、すみやかに高血圧が改善します。
なぜなら、食後高血糖という状況が存在しないので、すい臓はインスリンを作る必要がないからです。
(インスリンには常に分泌される基礎分泌量というのがありますが、これは食事の影響をうけません。)
次に、糖質制限食が高血圧を改善するのに効果的ではない人はどんな人かというと、
血圧を上げるホルモンを産生する腫瘍ができているとか、腎臓の血管が生まれつき細いとか、家族性の原因不明の高血圧症があるとかいう人たちです。
「太っていないし、内臓脂肪も少ないのに高血圧な人」
この人たちは残念ながらインスリンや血糖値とは関係のないところに原因があるので、それを突き止めて治していくしかありません。
ですが、肥満や隠れ肥満があって、中高年になってから血圧が上がり始めたという人たちの場合、「糖質制限ダイエット」は、試しておく価値のある降圧治療法です。
その理論に立って医師が指導してくれているのがこちらです。
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