なんだかだんだんややこしい話になってきました、すみません。(^_^;)
前の二つの記事の続きなので、この記事がわけわかめの人は以下の二つの記事を参照ください。
⇒ 糖質制限ダイエットしたら髪の毛が太くなった
⇒ 2型糖尿病とAGAは関連する
さて、低糖質ダイエットで痩せると髪の毛の硬さと太さが戻ってきて若返る、これは間違いありません。
(少なくともアラフィフ男性の私のケースでは。)
ここに肝臓でのセックスホルモン結合グロブリン産生低下が関係してそうだというのはいくつか論文があります。
一つ紹介しておきますね。
Sex hormone-binding globulin and risk of hyperglycemia in patients with androgenetic alopecia
Journal of the American Academy of Dermatology
Volume 65, Issue 1, July 2011, Pages 48-53
さて、セックスホルモン結合グロブリン産生低下は、鶏なのか卵なのか?
インスリン抵抗性を上げる原因なのか、それともインスリン抵抗性が上がったから低下するのか?
文献を読み合わせての結論から言いますと、以下の流れで現象が起こるように思えます。
1.血糖値の上昇が肝細胞でのセックスホルモン結合グロブリン産生低下を招きます。
2.セックスホルモン結合グロブリン産生低下は、インスリン抵抗性の上昇を招きます。
3.インスリン抵抗性の上昇は、さらにセックスホルモン結合グロブリン産生低下を招きます。フィードバックですね。
4.継続的にインスリン抵抗性が上がっていくことで、2型糖尿病の発症へと進展する素地ができます。
5.セックスホルモン結合グロブリン産生低下は、性ステロイドホルモンの作用がうまく伝わらなくなる状況を招き、AGAが進行します。
インスリン上昇が肝細胞でのSHBG産生低下を招くという実験結果もありましたが、そうではないという実験結果もあり、果糖やブドウ糖濃度が上がるとSHBG産生低下が起こる、というのはコンセンサスが得られているっぽいです。
だから、元凶は糖質の過剰摂取による血糖値の上昇です。←決めつけ(笑)
2型糖尿病の人では、1gの糖質摂取で食後高血糖が3mg/dl上がります。
糖質60%の食事をどんぶりごはんで繰り返し食べていると、毎食後に血糖値は300㎎くらいまで上がっちゃいます。
これが慢性的に毎日繰り返されることで、肝細胞がやられて、2型糖尿病とAGAが進んでいくわけです。
ということは、逆に糖質摂取を制限することで、高血糖によるセックスホルモン結合グロブリン産生低下という最初のステップを制御できます。
それに連なる残りの4つのステップがすべて回避されるのです。
もちろん、2型糖尿病だからと言ってすべての人がAGA傾向が強くなるわけではないと思います。
さらにいくつかの遺伝要因や環境要因が組み合わさることで、薄毛は進行すると思われます。
あるいは、遺伝的な問題が先に来る場合もあるでしょう。
たとえば先天的にSHBGの発現量が少ない人であれば、食事に気を付けても早くからAGAになるし、2型糖尿病にもなり易くなってもおかしくないわけです。
(実際に、セックスホルモン結合グロブリン産生が遺伝子レベルで低下している人で2型糖尿病が起こりやすくなっているという報告もあります。ただし、ゲノムの多型を比較した研究では、民族によって結果がまったく異なるとも言われていて、SHBGのゲノム近傍のSNPだけの問題ではないようです。)
でも、少なくとも私の薄毛は、40代半ばあたりから、肥満と血糖値上昇とともに進行してきました。
それが糖質制限によって、高血糖と肥満が劇的に改善しただけでなく、半年ほどのタイムラグを置いて薄毛まで回復してき始めたのです。
だから、肥満と高血糖や高血圧を指摘されて、最近、頭が薄くなってきたなあと思うあなた!
ダメもとです。
糖質オフ食にトライしてみてください。
痩せられて、血糖が正常化して、血圧が正常化して、ここまでは確実に達成できます。
おまけに髪の毛ふさふさになったら言うことないでしょ?(笑)
上の仮説に関しては、以下の論文や総説を参考に考えてみました。
Monosaccharide-induced lipogenesis regulates the human hepatic sex hormone-binding globulin gene.
J. Clin. Invest.117, 3979?3987
Selva, D.M. et al. (2007)
Sex hormone-binding globulin and type 2 diabetes mellitus
Trang N. Le, John E. Nestler, Jerome F. Strauss and Edmond P. Wickham
Trends in Endocrinology and Metabolism January 2012, Vol. 23, No. 1
査読も何もありません、勝手な私の推測であることをご了承ください。
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