食生活習慣病であり、運動不足が招くのではない2型糖尿病
生活習慣病なのではなくて、食生活習慣病であると呼ぶべきだ、
特に2型糖尿病とそこから派生する多くの疾患群は。
そのように前の記事で述べましたね。
食生活習慣病 ・・・生活習慣病という言葉は正確ではない
http://xn--oqqx32i2ck.com/review/cat30/post_251.html
根本的な問題は糖質摂取過剰にあるのであって、
それさえ避ければほとんどの生活習慣病は発生(派生)しません。
さらに、疾患として診断された後でも、
過剰な糖質摂取をやめれば多くの生活習慣病の症状は改善します。
糖質制限が我々にもたらした多くの恩恵を見れば明らかです。
(もはや間に合わない場合もありますけどね)
でも、ほんとうに食生活の改善だけでいいのか?
運動は本当に必要ないのか?
そんな疑問はわきますよね。
運動することで老化に伴う筋肉の衰えを防ぐことができるはずだ。
それにより、ロコモティブシンドロームも防ぐことができる。
その考え方さえも否定するのって糖質制限やってるやつらはバカだ。
・・・そんな意見が聞こえてきますよね。
でもね、これ、否定するとか否定しないとかいう問題ではなくて、
前提条件が異なる議論なのです。
生活習慣病の、いえいえ、食生活習慣病の中心となる疾患である2型糖尿病。
この疾患の大部分は糖質(でんぷんや糖類)の摂取過剰の繰り返しで発生します。
毎食毎食、たっぷりの糖質を摂取することで食後高血糖が誘導されてインスリンが追加分泌されます。
そのために細胞に取りこまれたブドウ糖の多くは体脂肪に変換されて内臓脂肪となり、肥満していきます。
(グリコーゲンとして貯蔵されるのはごく一部です。)
体脂肪をためこみ続ける細胞たちは、蓄積量が増えてくるとそれ以上取りこむのを嫌がります。
それがインスリン抵抗性の上昇という状態です。
あたかも、インスリンが効かなくなったように見えますが、インスリンが効かないのではなくて、ブドウ糖を中に取りこんでやる余裕がなくなっているのです。
満員電車のドアをいくら開けても、入り口まで人がびっしり、入ろうとしても自力ではもはや入れないのです。
駅員さん(インスリン注射)が強引に押し込めばなんとか入れますが、車両内の健康状態は最悪です。
2型糖尿病の発生のサイクルは基本はこの繰り返しですね。
脂肪やたんぱく質の摂取過剰で発生するわけではありません。
で、この2型糖尿病に見られる高血糖とそれにつながる肥満とインスリン抵抗性の上昇
いくつかの方法で薬を使わずに改善することができます。
1.糖質摂取量を減らして脂肪やたんぱく質中心でカロリー摂取し、食後高血糖を回避する
2.糖質はエネルギー比率で60%摂取しながら、カロリー制限することで食後高血糖の上昇幅を小さくし、それでも上がってしまう分は食後の有酸素運動で筋肉内に血糖を取りこむことで回避する。
3.カロリー制限もせず、糖質摂取量は高いままで、筋トレと有酸素運動お組み合わせて筋肉量を増して食後の運動も毎日1時間以上続けることで筋肉に血糖を取りこむ量を増やし、食後高血糖も回避する。
おおまかに見ればこの三つです。
(絶食して寝ているだけの飢餓療法という人生捨てた方法もありますが、それは2.の亜型ということで、3つに分けます。)
三つを並べてみたらわかると思うのですが、
根本的に原因を排除する治療方法は最初のものだけです。
この三つのうちの後半の二つは、根本的な治療ではありません。
ですが、有効な解決策です。
そして、これら二つでは運動が非常に重要な要素になってきます。
食後高血糖を招くような量の糖質を摂取しながら、高血糖をなんとか回避し続ける
マッチ・ポンプな行動ですが、
これを成立させるためには運動を毎日せっせと続けることが必要になってくるわけです。
筋肉をたっぷり増やしておくことも大事です。
糖質を摂取しながら、食生活習慣病になるのを防ぐためには、運動はとても大事です。
運動以外には薬を飲むしかない、とも言えます。
つまり運動が重要性を持つ前提条件は
「糖質を過剰に摂取し続ける食生活を続けようとする場合」
です。
糖質を過剰に摂取して高血糖を促すのがマッチによる炎症、
その炎症を抑えるポンプの役目として、
筋肉量を増やし、食後の一定時間の運動も組み合わせる運動がとても大事なのです。
「運動せざるもの、糖質食うべからず」
です。
でも、誤解しないでいただきたいのですが、
何を食べていようと、適度に運動することは重要です。
それは私、否定しません。
1.運動し続けることで筋肉負荷をかけ続ければ加齢に伴う筋肉量の減少を防ぐことができます。
2.筋肉に引っ張られて刺激を受ける骨代謝も活発になるなので、骨粗鬆症予防のためにもいいと思います。
3.「階段昇降運動を行いながら尻取りをする」そういった、運動しながら頭を使うようなトレーニングが認知症の進行を如実に止めることも報告されていました。
糖質制限して食生活習慣病に無関係な人たちでも、これらの観点から適度な運動は重要です。
たとえこれらの利点が「糖質摂取60%の人たちの集団で観察された事実でしかない」としても、糖質制限している人たちが適度に運動する価値はあると思います。
ですから、運動は積極的に続けましょう。
毎日適度に運動するのは体にとてもいいことです。
でも、運動不足は食生活習慣病の直接の原因ではないのです。
面白そうな話題が有りましたので。
http://gigazine.net/news/20170224-how-hike-affect-body/
カイゴロンさんが紹介してくださった記事はなかなか興味深いですね。
糖質制限を始めると糖質に頼らない体質になるという話は聞いたことがありますが、長期のハイキングでも同様の体質改善効果があるということですね。
Kyle Boelteさんのような1か月にも渡るスルーハイクではありませんが、私も数年前にネパールトレッキングとキリマンジャロ登山を立て続けにやって、BMIで21.5から19まで体重を落としました。その後はそれほどの運動はしていませんが、糖質制限を開始したのがその頃だったので、現在でも19.5前後にキープできています。
>カイゴロンさん
ほおほお。これ面白いですね。
こんなことやってみたい。。。
>たにぐちさん
>私も数年前にネパールトレッキングとキリマンジャロ登山を立て続けにやって、BMIで21.5から19まで体重を落としました。
・・・うわああ、楽しそう、たのしそうです。いいなあ。
>糖質制限を始めると糖質に頼らない体質になるという話は聞いたことがありますが、長期のハイキングでも同様の体質改善効果があるということですね。
・・・そうですね、宮沢賢治の理想の生活でもそうなれるのかな、それだったらそれはそれでいいかもしれないですね。