エリスリトールは子供が食べても安全な甘味料ですか?
合成甘味料を摂取すると脳に悪影響があって、食欲が増進して肥満になりやすい、という話を琉球大学の益崎先生が話されているのを伺って以前、記事にさせていただいたことがありました。
⇒ ダイエットコーラがメタボを生み出すというお話
その記事に関して、コメントで質問がありました。
「エリスリトールという人工甘味料を使っていますが、これは大丈夫なのでしょうか?」
というものです。
結論から言うと大丈夫だと思うのです、少なくとも危険だという論文は見当たりません。
ただし、益崎先生が学会で指摘された、脳にERストレスを発生させて食欲を増進させるという合成甘味料がなんであるのかわからなかったので、文献検索して確認作業を行いました。
私が学会で拝聴した益崎先生のお話の内容はこちらにあるものとほぼ同じでしたので、これをもとに追跡しました。
肝臓学会の雑誌に載った総説
https://www.jstage.jst.go.jp/article/kanzo/53/6/53_336/_pdf
このPDFファイルのFig.8に、人工甘味料が肥満に及ぼす影響が提示されています。
しかし人工甘味料がなんであるかはこのファイルの中にも明記されていませんでした。
それで文中でその実験の関連文献とされている益崎先生のグループの論文を調べたのですが、そちらにも書いてありませんでした。
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/22826028
↑ ↑ ↑
(というか、関連文献として表示されていたこれは、人工甘味料を使った実験ではありませんでした。)
おそらくまだ公表するわけには行かないデータなのでしょう(現在投稿中、あるいは投稿準備中)。
ということで益崎先生の指摘されるERストレスを引き起こす人工甘味料がなんであるのかわかりませんが、おそらくアスパルテームではなかったかと思われます。
アスパルテームは石油から合成される人工甘味料で、分解するとフェニルアラニンやメタノールになります。
これの摂取が脳にダメージを与えるという論文はものすごくたくさん出ています(それを否定する論文もまたたくさん出ていますが)。
日本語のWikipediaではあまり詳しくありませんが、英語のWikipediaにはかなり詳しいです。
人工甘味料のページで詳しく書かれているだけでなく、だアスパルテームに関する議論のページも別に設けられているほどです。
http://en.wikipedia.org/wiki/Artificial_sweetener
http://en.wikipedia.org/wiki/Aspartame_controversy
さて、ここでようやく問題のエリスリトールのお話ですが、エリスリトールというのは人工的に開発された甘味料ではありません。
果物の中に含まれている甘味成分です、「既存添加物」の分類になります。
果物から抽出するのは非効率的なので、ブドウ糖などから人工的に合成されることはありますが、「合成甘味料」ではありません。
その意味ではアスパルテームなどと同列に考えないでください、全く別物です。
甘味料の分類は日本語のWikipediaがわかりやすいです。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%94%98%E5%91%B3%E6%96%99
以下はエリスリトールに関するWikipediaの説明
エリトリトール または エリスリトール (erythritol) とはメロン、ブドウや梨などの果実や醤油・味噌・清酒などの発酵食品に含まれている天然の糖アルコールである。ブドウ糖を発酵させることにより作られる。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A8%E3%83%AA%E3%83%88%E3%83%AA%E3%83%88%E3%83%BC%E3%83%AB
エリスリトールはたくさん食べ過ぎるとお腹がゆるくなるという副作用を除いて、体への悪影響はこれまで報告されていません。
また、ガムなどに入っているキシリトールも同様にシラカバなどから合成されますが、天然に存在する甘味成分です。
(ただし、エリスリトールがほとんど我々の体には吸収されないのに対して、キシリトールはある程度吸収されてカロリーになるようです。)
これらのことから考えても、エリスリトールと羅漢果で作成されるラカントSは最も安全でかつ効果的な低糖質甘味料であると思われます。
私も常用しています。
もしもこれを使うことをためらうのであれば、甘味はあきらめるか、一日の糖質摂取許容範囲内で砂糖を使ってほんの少しだけ楽しむことをおすすめします。
ただ、根本的なところをひとつ。
食べ過ぎなければ、そして普通に運動できる健康な若者であれば、少なくとも20歳ぐらいまでは糖質摂取は気にしないでいいと私は思っています。
糖質制限を考えるのは、男性は25歳過ぎてから、女性は30歳過ぎてからで十分だと思っています。
うーん合成だから天然ものだから~~
という切り口はあまりよくないと思います。
確か強力な毒物て天然のものが多いと思います。
http://blog.livedoor.jp/route408/archives/52062727.html
ただ、人工甘味料はいままでいっぱい痛い目を
見てきたのはたしかですけどね。
このサイトの化学ネタは面白いです。
http://www.org-chem.org/yuuki/aspartame/aspartame.html
子供への使用は単に味の好みを作っる時期なので
ほどほどにってところで後は自分で判断する
範囲じゃないのかなーと思います。
naoさん、
記事全体の大意と参照先の記事内容をよく読んでいただいたでしょうか?
決してシンプルに「天然ものが安全で合成物が危険」という切り口にしているつもりはないんですけど。
そもそも最初に、エリスリトールが危険だという記述は探せなかった、ということを断っています。
さらに、いくつもある甘味料の中では一番安心だと思う、という書き方をしています。
けっして、「合成だから天然だから」ということをメインの理由にしているのではないということ、わかりにくかったでしょうか?
参照リンク先の記述内容も十分に読んだ上で、記事の言わんとすることを判断していただけるとありがたいのですが。
そのためのリンクですし。
長い文章は、否定したいと思う部分だけを切り出せばどんなことでも批判はできますよね。
たとえば、naoさんが参照として示されたサイトですが、こういう二つの文章があります。
チクロとサッカリンにたいして
「これらは同じ受容体に作用して甘味を感じさせるはずなのですが、ご覧の通り砂糖とは似ても似つきません。このあたり味覚の発現はなかなか解明できない問題を含んでいます。」
アスパルテームにたいして
「アスパルテームは一見ややこしい構造ですが、実はアスパラギン酸とフェニルアラニンという2つの天然アミノ酸が結合したものです。これらは前項のグルタミン酸同様タンパク質の構成成分であり、人体にとって絶対必要な化合物です。要するにアスパルテームはたまたま強い甘味を持っているというだけの、ありふれたタンパク質の断片であるに過ぎません。 」
これって、天然構造に似ている、もしくは分解したら天然構造のアミノ酸になるからアスパルテームはグルタミン酸同様に安全である、って切り口のロジックに思いっきり見えます。
それに対して、チクロとサッカリンは砂糖に似ても似つかないから、甘味を感じるのが不思議、いかがわしい的なニュアンスで記述されている気がします。
どう思いますか?
私の記事は「天然だから合成だから」という切り口に見えて、このサイトの作者さんの切り口には「天然の物質に似ているから安全」というニュアンスは存在しないと思われますか?
あと、天然の物の方に強い毒性を持つものが多いって言って魚の持つ毒物を示されていますが、明らかな毒を持ってくるのはこの場合、あまりロジカルではないと思います。
毒は毒として既知のものですから。
「天然だと言って安心はできないのよ」、ということを言いたいのなら、論理的には持ってくるべきものではないです。
天然のものは安全だと一般的に思われているが、実は使われ方次第で危険なものがあるんですよ、という展開になる物質を持ってくるのがいいです、流れ的に。
たとえば「茶のしずく石鹸」に含まれていた小麦が小麦アレルギー被害を引き起こしたように、という展開なら説得力あります。
ついでに言えば、「天然の物質の方に毒性が強いものが多い」って、私はそうは思いません。
研究室レベルで表に出てこない猛烈な人工的な毒物は五万とあります。
よく知られている例で言えば、プルトニウムは天然に存在しない物質のはずですが、魚の毒とどっちが怖いと思いますか?
と、ちょっとムッとしたので屁理屈を書いてみましたww
糖尿や低血糖には有効な砂糖に代わる
今話題の希少糖はどうでしょうか?
カロリーゼロですが化学反応で作られた甘味料ですよね。
これからいろんな食品に入ってくるらしいですが。。。
あまとうさん
どうでしょうか?とはどういうことをお聞きになりたいのでしょうか?
香川大学のそれのことを指しておられるのだとすれば、ブドウ糖を原料にして作る糖アルコールなどですよね。
天然に存在する素材を原料にして、別の天然に存在する素材を酵素反応で作り出すというものです。
確かにそれは化学反応ですが、だから危険だと思われるということでしょうか?
小林製薬のブレスケアには、エリスリトール以外に甘味料としてアスパルテームが含まれていますが、長期使用しても問題ありませんか?
エリスリトールを使っています。
毒性の心配はなさそうで安心して 1日10g程度をりゅりや紅茶に入れて使用していますが甘味が薄いので 知らないうちに使用料が増えてゆく傾向があります。
毒性がなさそうだと安心することで何時まで経っても甘いものへの未練が絶てないうちに、脳が 糖と勘違いしないかが心配なくらいです。
>beyondさん
>甘味が薄いので 知らないうちに使用料が増えてゆく傾向があります。
あ、そうなんですか。
私は料理や紅茶に甘味料を使うこと自体がほぼなくなってしまいました。(^^;)
でも、パソコン仕事の時、たまにチョコレートとか食べます。
20~30gくらいかな、10日に1回ぐらい。
「劇毒物」
と意識した上で、いただいております。
まあ、ひとそれぞれということでw ゞ(^^;)
>結城 薫さん
アスパルテームの長期使用の影響?私にはわかりません。
気になるなら利用しないのが一番でしょう。