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砂糖に課税の提言に大賛成!とか思うのは糖質制限してる人だけ?


砂糖に課税する案が浮上してきたというニュースを2015年6月上旬にテレビで見ました。

提案(提言)したのは厚生労働省の「保健医療2035」策定懇談会という会議のグループです。


なかなかいいこと言ってるなと思ったのは

「たばこ、アルコール、砂糖など健康リスクに対する課税、環境税を社会保障財源とする」

というフレーズです。

砂糖を、たばこやアルコールと並列して健康に良くないものとして提言しているみたいです。

いいぞ~!やれ!やれ~っ!




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砂糖に課税するというニュースが流れたのは2015年の6月上旬でした



ニュースが流れたのは6月8日ですね。

テレビのニュースの画面も撮影しましたが、内容についてはYahooニュースに詳しくありました。

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読売新聞 6月8日(月)18時52分配信
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150608-00050085-yom-bus_all

 厚生労働省の有識者懇談会が、健康対策の一環として、2020年までにたばこ、酒、砂糖などへの課税強化を求める提言案をまとめた。医療費抑制を目的に、患者の医療費負担について、風邪などの軽い病気は重くし、重病や難病は軽くすることも盛り込んだ。

  提言案は、「保健医療2035」策定懇談会(座長・渋谷健司東大大学院医学系研究科教授)がまとめた。35年までの中長期的な健康対策や医療制度の将来像 を示したもので、近く正式決定し、塩崎厚生労働相に提出する。厚労省は、提言を実行するため、省内に推進本部を設置し、財務省などとの調整を進める方針 だ。

 現在の課税は、たばこ1本約12円、酒は種類で異なるがビールなら1缶(350ミリ・リットル)で77円、砂糖は消費税のみだ。提 言案は、具体的な課税方法などには言及していないが、「あらゆる財源確保策を検討していくべきだ」と指摘した。課税強化で、酒の飲み過ぎや砂糖の取りすぎ の防止などにつなげたい考えだ。

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おお!

厚労省にしては思い切った提言するなあ、農水省の思惑を無視して砂糖をぶった切るとは!

とか思ったんですけど、この会議の座長を見て納得。

渋谷健司さん、東大の教授であり、皇族の親せきであるだけでなく、東大で教授に就任する前からWHOの役員でもあるのです。

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2001年、世界保健機関(WHO)シニア・サイエンティスト(保健政策のエビデンスのための世界プログラム)就任。
2004年、WHOコーディネーター(評価・保健情報システム/保健統計・エビデンス)就任。
2008年、東京大学大学院医学系研究科国際保健政策学教室教授に就任。

(Wikipediaより抜粋)
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こういう立場の人だから、思い切った発言ができたのだろうなあと。

そうでないと、いろいろと業界のしがらみとかでがんじがらめにされて発言が封じられてしまいがちでしょうからね。

(あ、これは私の勝手な根拠のない推測です。)



世界保健機構は何年も前から砂糖が健康に悪いと主張していた



WHOといえば皆さん、記憶に新しいと思います。

2015年の3月に砂糖の摂取に関してすごいことを打ち出していますね。


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WHO calls on countries to reduce sugars intake among adults and children

Press release
http://www.who.int/mediacentre/news/releases/2015/sugar-guideline/en/

4 March 2015 | Geneva - A new WHO guideline recommends adults and children reduce their daily intake of free sugars to less than 10% of their total energy intake. A further reduction to below 5% or roughly 25 grams (6 teaspoons) per day would provide additional health benefits.

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砂糖は肥満や虫歯の増加につながるのでもっと摂取量を減らすべきだ。

摂取カロリーの10%以下にすることを強く推薦する。

理想を言えば、摂取カロリーの5%以下(大まかには25g、ティースプーン6杯程度)が望ましい。

そういう提言でした。

(ちまたでは「25g以下」というのが独り歩きしていますが、これは2000kcal摂取している人での場合の概算で、あくまでも推奨されるのは「5%以下」です。)


そもそも、WHOが砂糖摂取を減らすべきだと提言を打ち出したのは数年前のことです。

10%以下にすべきだと言ったのが2012年のこと。


その後、昨年あたりからアメリカのいくつかの州や都市では、学校の自動販売機からコーラや加糖オレンジジュースなどの清涼飲料水が消える例もありましたね。

こどもの肥満だけでなく、精神発達に有害であるというコンセンサスに従っての撤去でした。

肥満大国のアメリカでは小児の肥満の増加が大問題で、その歯止めになるのではないかと期待されています。


そういう提言をしているWHOで、その提言の立案にも関わったであろうコーディネーターの渋谷先生が今回の厚労省の会議の座長なんですから、当然の提言でしょうね。




テレビで見た街角の反応やネット上の反応



さて、では砂糖への課税は日本の一般の人からはどう受け止められたのか?

大部分の人が好意的・・・ではないみたいですね、残念ながら。


「砂糖のような生活必需品に課税するなんて許せない」

「砂糖ぐらい好きに食わせろ」

「砂糖がタバコやアルコールみたいに体に害があるなんて言いがかりだ」

「砂糖のない食生活を想像してみろ、あり得ないだろ」


みたいなご意見がたくさん。

スイーツを食べることは人間の大事な楽しみの一つであり、健康被害なんてありえない!

というコンセンサスが得られているようです。


中には

「みんな痩せるからいいんじゃない」

という意見もありましたし、わかっている人はわかっていますけどね。


糖質制限している我々としては、

「砂糖を毎日摂取することは体に良いことではない。」

という事実を多くの人が認識してくれるのはありがたいことなので、ぜひ課税してもらいたいと思うのです。

砂糖を使わない食べ物がもっと増えてくれたら生活しやすいです。


その観点からすると、課税しなくてもいいです。

その代わりに、砂糖を使っている製品に

「摂取カロリーの5%を超える砂糖摂取は健康に害を及ぼす影響があります。健康のため砂糖摂取し過ぎに注意しましょう。」

という注意書きを表示するように義務付けていただけると嬉しいかなと。





最終的に砂糖への課税は行われると思う、昔は課税してたんだから



このように砂糖への課税の提言が打ち出されましたが、これ、現実化するのでしょうか?

・・・現実化はすると思います。


そもそも、消費税が導入される前には砂糖には「ぜいたく品」としての課税があったそうです。

よくおぼえていませんが・・・。

その話からすると、それほど不自然な課税品目ではないように思えてしまいます。←国の思いのまま


また、糖質摂取に対する風当たりは日本を除く先進国ではかなり厳しくなってきています。

日本以外の国では砂糖にかぎらず、肥満に結び付きやすい食材に税を課している国がいくつもあります。

国際的な流れに足並みをそろえる、そういわれるといやといえない国民性です。

それらのことから考えても、やがては砂糖課税がなされるものと考えます。



ただね、実質的には課税された感覚がわからないように、巧妙に課税されるかもです。


というのも、日本の砂糖の値段は諸外国に比べるともともとかなり高めらしいのです。

これは国内産業を保護するための政策で、輸入される砂糖に関税をかけているからです。

TPPが導入されれば、関税が撤廃されて輸入される砂糖の価格はものすごく下がります。


相場の大きく下がった輸入砂糖に、これまでの関税並の砂糖税をかけてしまえば、国民は何も気づかずに税金を払い続けてくれる。

そういう計算が成り立っているのかもしれないですね。

もちろん、その場合は国内の砂糖農家はまったく競争できませんから、廃業するか、あるいは税金から支援して国がさらなる高値で買い取り続けて保護するか、ですね。


いずれにしろ、国民がTPP導入のつけを払うという図式は変わりませんが。

って、話がずれてるし(;^ω^)。

2015年6月23日 23:59

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コメント(14)

カルピンチョ先生 はじめまして。
記事とは違うのですが 質問があります。
私は 糖質制限 1年目の53歳 主婦です。
糖質制限開始から2カ月でコレステロール336 LDL 215 HDL 102になり 6カ月でコレステロール460 LDL 353 HDL 118 となり さすがに心配になり江部先生にコメントで相談をして 地元の病院でゼチーアを処方してもらい服用していました。
その1カ月 コレステロール245 LDL 128 HDL 106 その後も安定していたので 自己判断でゼチーアを半錠にして 2カ月 コレステロール261 LDL 144 HDL 101になりました。
ただ ゼチーアを服用するようになってから 便秘と下肢痛(痺れのような筋肉痛のような) になった事と 空腹時血糖値が高くなってきた事と少し疑問がわいてきたので 今は服用を止めています。
ゼチーアは食物からのコレステロールを阻害する薬なのですよね? 服用していたら いつまでたってもこのままで 肝臓がコレステロールの生産を調整するのを邪魔するのではないかと...
ゼチーアを止めて 便秘は解消しました。下肢痛はまだ少しあります。今後も またLDL が高値になっても スモールデンスLDL はきっと少ないだろうと思うのですが カルピンチョ先生はどう思われますか? ちなみにHbA1c 5.4 中性脂肪は食後でも69 その他 肝機能 腎機能は問題ありません。長々と失礼しました。

タバコ、アルコールと同様の嗜好品だってのは賛成だけど・・・

嗜好品に無茶な税金をかけるようになると国も終わりかと思ってしまいます。

砂糖に課税、大賛成ですO(≧∇≦)O
そして酒税は下げてくれー(笑)。

まーなければないでどうでも良いかなというものの一つが砂糖とごはんです^^;

ご飯は筋肉のバルクアップに必要だからという理由で嫌々食べてはご飯30gで36mg/dlの血糖値上昇を苦虫をかみつぶす思いで、黙認しながえあ食べているといった感じです。

ところが昨日はせっかく嫌々ご飯を「このくらいかな?」とよそったのに…

チキンステーキとハンバーク(BEEF100%らしい)に夢中で、
ごはんを食べ忘れてしまった^^;

食べ終わってから…「オラオラ!ご飯だけを単体で食べるのってすごくつらいだろ?」とか言われてる気分でした…おいしくない(T_T)

要は味の濃いおかずがないとご飯は食えたもんじゃないってことなんでしょうね…(T_T)

かんがえたら、ご飯食って旨いと思うのはおかずがあるからだよね…^^;

あ、話題がそれたw

まじめな話、効率の良い筋肉の増量に炭水化物が必要なのは、ミトコンドリアのTCA回路を作動させるのに、糖質が相当量必要って理屈らしいです。
そして、アミノ酸でも作動するけど、筋肉減るから効率悪いぞぉと脅されると、どうも、涙してまでも糖質を食べることに…(T_T)

このあたり、糖質がなくても筋肉増量の効率は落ちない!脂肪だけでも大丈夫!って太鼓判押してもらえると安心して嫌いな(!?)糖質を喜んで全面カットできるんだがなぁ…などとかんがえておりますが、実際のところどうなのでしょうか?


必要なのは糖質であって、実際には体外からの糖質補給とイコールではないってのがわかるんですけどねぇ…^^;

最近は、食前血糖値を測定して食事のメニューに糖質を入れるかどうかを計算してます。

最近はご飯を15gとか40gといった注文も受け付けるお店が増えてきてありがたい限りですね^^;

でも、食前血糖値の2.2倍以上は血糖値が上がることがないような気がするのは気のせいなのかな?
ソレまでは順調に糖質1g当たり3mg/dlの血糖値上昇を確認できるんだけどね…


この問題はけっこうsensitiveに感じる方が多いみたいで伏せコメントなど、いただいております。


いろんな意見があってしかるべきだと思います。

私が書いているのは私の個人的な意見です。

それを押し付ける気はありません。


ご了承くださいませ。

う~んかるぴんちょ先生らしい、冴えた弁舌です。

「絶対からだに悪いのが科学として明らか」

だったら、懲罰的?な税項目を設けるというのが
論理的に正しいと思います。

そしてタバコと同じように「摂り過ぎると健康を
損ねる」というのは必須表記でしょう。

公的なお立場の人(保健政策というのはお医者様を
養成する世界とは違うセクタなのでしょうか?)
がこういう発言をしたというのも納得。

ただ原油なんかと違って先々永久にローコストで
作れちゃうのが問題なのかもなぁと思います。

でも、寡占化がすすんだ業界ですから「砂糖は
すべてラカントにしろ!」みたいな指令が出たら
あっという間に糖質ゼロの砂糖が主流になったりして。

食料品はスケールメリットが期待できる世界だから
とうふのように糖質がない物を安価に大量供給
できるはずですよ。業界がその気になれば。

色々な意見が有るのは良いこと。
糖質制限の骨のある反論も聞いてみたい。実質ほとんどが感情論だから。
砂糖に税金は面白い発想。
ただ、この世の中、殆ど全ての物に砂糖が使われている、当然その全ての物価は上がる、日本の殆どの人は糖質無制限、その事で消費や、ついては景気に悪影響が有るのであれば話は別。
糖質制限はエンゲル係数が上がり景気低迷はマイナス。
それよりは低糖質減税の方が良いと思う。
低糖質な食品を作る企業に減税する方が景気にも糖質制限にも効果が有るように思う。

砂糖が課税されることにより、メーカーが人体に有害かどうかわからない人工甘味料の使用量を増やし、結果的に不健康な食品を食べさせられる事になるのは反対。
ただでさえ、添加物多くて辟易しているのに、、、

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