Top >> 妊娠と糖尿病 >>  つわりはなぜ起こるのか?そしてどうすればいいのか?

つわりはなぜ起こるのか?そしてどうすればいいのか?



妊娠初期、それも妊娠12週前後までつわり(妊娠悪阻)という現象に多くの妊婦さんが悩まされます。

英語ではmorning sickness(朝の病気)と言われるように、朝起きた時、あるいは起きてしばらくしてからの気分不快が多いのが特徴です。

何より問題なのは、食欲がなくて何も食べられなくなることです。

それまで美味しく食べれていたものが食べれない、それどころか匂いをかいだだけで気持ちが悪くなります。

炊き立てのご飯の香りで本当に吐いてしまう人がたくさんいますよね。


どうしてこういう現象が起きるのでしょうか?

そしてどうすればいいのでしょうか?

つわりの発症を防ぐことはできるのでしょうか?





スポンサードリンク



<つわりが落ち着くころに胎盤が完成する>


つわりがいつごろ発生するのかを考えてみましょう。

妊娠12週ぐらいまでの妊娠初期、英語でいうところのfirst trimesterに主に発症する症状です。

そのころまでに何が起こっていて、その後に何が起こるのでしょうか?


まず、胎盤の完成です。

妊娠初期の受精卵は、卵子が持っていた栄養(卵黄)を基に発生を進めます。

これが子宮内膜に着床する(くっついて包み込まれる)のが妊娠4週から5週にかけてです。


子宮内膜に着床した受精卵は子宮内膜と自分の周りの膜を通して栄養を受け取りながら発育しますが、やがて胎盤と呼ばれる構造を作り始めます。

胎盤と胎児をつなぐ栄養の管、へその緒もこのころに作られ始めます。

これはゆっくりと確実に進み、やがて胎児は栄養のほとんどを母親の子宮から胎盤、胎盤からへその緒という順路で受け取るようになります。

こちらは比較的早くに完成します。


次にホルモンのスイッチです。

胎盤のホルモン産生は自らhCGと呼ばれるホルモンを大量に出して妊娠が継続するように母親の内分泌系(視床下部-下垂体系など)をコントロールします、これのピークが8~10週前後で、20週前後には低下し、そこからは維持量として出続けます

また、胎盤からのプラセンタルラクトーゲン(hPL)やプロラクチンといったペプチドホルモンの放出は徐々に上がっていきますが、hPLの数値が急増するのが16週くらいからです。

このhPLは主に母体に働きかけて脂肪酸の分解を促進し、母親の脂質代謝を亢進します。




ですが、妊娠初期の胎盤(ホルモン環境)が形成されつつある時期までは、受精卵となった卵子が放出された後に形成される妊娠黄体と呼ばれる卵巣の組織が重要な役割を果たします。

卵巣黄体が6~8週ごろまでは活発に働いて、やはり妊娠を維持するために母親の内分泌系をコントロールします。

また、胎盤のホルモン産生が本当に安定するのは妊娠17~20週ごろなので、内分泌的に言えば妊娠17週ぐらいまでは妊娠初期とも言えるでしょう。

hCG, hPL, PRL の構造,生理作用,分泌調節およびその意義

http://www.jsog.or.jp/PDF/52/5203-031.pdf



このように、妊娠初期の「妊娠黄体がホルモン制御の主体」の時期から、妊娠中期以降の「胎盤がホルモン制御の主体」の時期に切り替わるまでの時期に主につわりが発生します。

実際に多くの方が妊娠12週ぐらいまでつわりに苦しみ、長い人は17~20週ぐらいまでけっこう症状を引きずりますよね。

ホルモン制御が不安定なこの時期に、なぜつわりの症状が出るのでしょうか?

そして、なぜ、つわりが発症する必要があるのでしょうか?


妊娠の継続に有利に働くなにかがあるからとしか考えられませんよね。

そうでなければただ気分が悪くなって何も食べられなくなるのって、妊娠維持にとってはマイナスであるとしか考えられません。




<つわりの症状はインスリン抵抗性の上昇に伴う反応性低血糖かもしれない>


妊娠中の摂食に関連するホルモンの変化で有名なのは、インスリン抵抗性が上がるということです。

具体的には、(少なくとも糖質を普通に摂取している妊婦では)空腹時血糖値が低下し、食後高血糖が下がりにくくなります。

インスリンの分泌量はむしろ上がっていることが多く、すなわち、妊婦の末梢組織でのインスリンの効きが悪くなっている状態を表しています。


これは内臓脂肪が増えるタイプの耐糖能異常の方や2型糖尿病の方と似ていますね。

このために、妊娠初期には以下のようなことが起こっているのかもしれません。


1.妊娠前と同じように糖質を食べる

2.インスリン抵抗性が上がっていてインスリンの効きが悪く、食後血糖値がなかなか下がらない

3.インスリンの追加分泌が長く続く、結果的に逆に反応性低血糖が起こる。

4.反応性低血糖がしばらく続くと、何も食べていなくてもグリコーゲン分解や糖新生で血糖値が上がる(これが寝ていて起きるちょっと前に発生すれば暁現象)

5.何も食べないのに上がってきた血糖値を下げるためにインスリン分泌がまた追加される

6.それほど高血糖ではなかったのにインスリン分泌が多いので、また血糖値が必要以上に下がる

7.下がった血糖値を上げたくなるので、妊娠前と同じように糖質を食べる

→2.に戻る


そう、機能性低血糖と同じ状態です。

妊娠悪阻の状態と機能性低血糖の患者さんの主訴とはかなり重なる部分があるように思います。


一部の妊婦さんには「食べづわり」というのがありますよね。

つわりのころに、気持ちの悪い症状を抑えるためにひたすら食べる。

食べたら血糖が上がるのでよくなる、でもしばらくしたらまた低血糖になって気持ち悪くなるから食べる。

ということでつわりで太ってしまう妊婦さん。


つわりの本態が

「制御不能な反復する低血糖である」

と考えれば、食べづわりという形があるのも納得できます。





<どうして妊娠したらインスリン抵抗性が上がる必要があるのか?>


このようにインスリンの効きが悪くなる(インスリン抵抗性が上がる)ことの必然性に関して、従来の「妊娠の生理学」の教科書的な推測は

「胎児の組織に十分にブドウ糖を送りこむために母親の体はブドウ糖を使えないようになるのだろう。」

でした。

これは単なる推測であり、何の証明もされていません(私の知る限りでは)。


一方、妊娠中は次第に血中遊離脂肪酸の濃度が上がることや、妊娠後半にコレステロール値がとても高くなることも以前からよく知られています。

このことから、

「妊娠中、特に後半は妊婦はブドウ糖ではなくて脂肪酸を主なエネルギーとして利用するのであろう」

と推測されていました。

不思議なことに、母体はそのように糖から脂質へのエネルギー源のシフトが起こることが認められている一方で、

「胎児の栄養源は妊娠中、終始一貫してブドウ糖であるに違いない。」

と、ずっと推測されていました。


ずっとそのように信じてこられていたようです。

この理由はさっぱりわかりませんが、妊娠に関する生理学の教科書に書かれていることはこうです。

「母親は脂質代謝がメインにシフトするけど、胎児は糖質代謝が大事でずっと変わらないんだよ。エビデンスはないけどたぶんそう。」


・・・変でしょ?

同じ一人の人間の中で親子で使っている栄養素が異なるってなんでそう思うの?

なんのエビデンスもないのに、決めつけられてる。

ほんとうは、妊娠中は母親も胎児も脂質代謝の方がメインになるんじゃないの?


もしも母親も胎児もともに糖質代謝は抑え込まれて、脂質代謝がメインになるのであれば、話はぐっと簡単になります。

それが特に強く働きかけられるのが妊娠12週ぐらいまでだと考えるとリーズナブルです。




<妊娠初期の母親の食欲を抑え込んでケトン体エンジンを動かすことがつわりの目的?>


つわりのときにはともかく食べれなくなる人が多いですよね。

食べづわりという特殊なケース以外では、多くの方が軽い吐き気を感じて、摂食量が減ります。

そして母親がつわりで何日も何も食べれなくても、ほとんどの場合、妊娠初期のあかちゃんの成長は止まりません。


それもそのはず、実際に赤ちゃんはブドウ糖ではなく、脂質で育っているからです。

正確に言えば、母親の肝臓で作り出されるケトン体で育っていると推測されるからです。


宗田マタニティクリニックの宗田先生の研究では、妊娠初期の絨毛組織や胎児組織では組織間ケトン体値がとても高いことが確認されています。

出産時においても臍帯血や胎盤組織のケトン体値は非常に高いのです。

これは糖質制限している妊婦さんたちだけではなくて通常食、糖質60%の食事をしていた方たちでも同様です。


つまり、妊娠初期から出産に至るまで、胎児や胎盤にとってもっとも大事なエネルギー代謝システムは脂質(ケトン体)代謝なのです。

母親同様に、胎児も胎盤も脂質代謝でエネルギーを得る生き物なのです。



であるならば、妊娠初期のつわり、意味があります。


ケトン体の産生量が上がるのはどういうときでしょうか?

食事から糖質を摂取しない状態が長く続くとき、絶食状態が続くときです。

食欲不振で間歇的ファステイング状態に陥った母体は、インスリン分泌量も減り、ケトン体産生が亢進します。

これがある程度続いて、食事による血糖上昇がなければ、インスリンの追加分泌は起こりませんから、ケトン体産生も抑え込まれることがありません。


ケトジェニックな状態が維持されて、ケトン体エンジンが回ることが期待できます。

妊娠初期に、胎児の発育のために非常に重要な栄養素であるケトン体産生を増やすために、つわりは発生しているのです。

絶食して、母親の体に蓄えた体脂肪をエネルギーにしてケトン体エンジンを回すために、妊娠悪阻が発生するのです。


それを積極的に制御するのは胎盤ではなくて、胎盤の完成までの妊婦の内分泌系を制御する妊娠黄体だと思われます。

胎盤が完成してしまえばもう、強力なケトン体産生装置である胎盤によって胎児は守られますから安心です。

それまで、妊娠黄体は胎児を守るために必死で「つわりになる指令」を出し続けているのです。

(時期的に言えば妊娠8~10週が産生のピークになる胎盤から出るhCGの方がその指令を出しているのかもしれませんが。)




<人間を含む哺乳類のメスの体が丸みを帯びるのは胎児を育てる体脂肪を蓄えるため>


こう考えてみると、男性と異なり、女性の体が丸みを帯びるのにも十分に意味がありますね。

女性は卵巣ホルモンの働きで皮下脂肪が非常に蓄えられやすく、内臓脂肪はつきにくいことがよく知られています。

男性は若いころから内臓脂肪がついて太鼓腹になりやすいのですが、女性は生理がある間は内臓脂肪はつきにくいですよね。

もっぱら皮下脂肪がついてしもぶくれになりやすいです。

CTで検査すると、皮下脂肪はものすごくたくさんついているのに内臓脂肪は全く正常値という20代~40代の肥満の女性は多いです。


この女性の皮下脂肪、妊娠中の胎児を育てるためについてたんです。

体脂肪はケトン体を生みだす大事な貯蔵燃料です。

妊娠初期からずっと、ケトン体代謝で胎児を育て続けるために、女性は皮下脂肪をあれだけたくさん蓄えるのです。

逆に内臓脂肪がつかないのは、お腹の中は胎児を育てるスペースを空けて置かなければならないからです。

ホルモン制御により体脂肪のつく場所がコントロールされるのもリーズナブルです。

良くできていますよね。


でも、どうして胎児を育てるのに食物から得る糖質エネルギーではなくて体脂肪から得るケトン体エネルギーを重視するのか?

言うまでもありません、食料が手に入らなくてもエネルギー供給が安定するからです。

現代と違って、ほんの数百年前まで人類の毎日は飢えとの戦いでした、狩猟採集生活のころには何日も獲物が手に入らないことは当然予測すべき事態でした。


しかし母親の体脂肪を燃料にして胎児を育てるのであれば、大事な大事な胎児の初期発生の時期にエネルギー不足で胎児発育がうまくいかない危険を回避できます。

(つわりの妊婦さんの胎児発育を超音波で見ていて実感します。重症のつわりで何日もなにも食べれなくても妊娠初期の赤ちゃんたちはすくすく育ちます。)


これは人間だけではないですよね。

哺乳類のメスはどの種も皮下脂肪が多く、丸みを帯びた優しい体つきをしています。

おそらくすべての哺乳類のメスが、妊娠中は胎児を育てるためにケトン体エンジンを優先する、その備えとして皮下脂肪がつくのです。


そのことを哺乳類のオスの脳もよく知っているから、皮下脂肪のたっぷりついた丸くてふくよかなメスを生殖相手として好むのです。

痩せて体調の悪そうなメスには興味を示しません。

まあるいお尻の後をついていきます。

(痩せてても健康そうでお好みのタイプなら話はまた別ですねw)




<妊娠悪阻や機能性低血糖のあるなしの差はどうして生まれるのか?>


こうしてみてくると、つわり(妊娠悪阻)の不快な症状は、機能性低血糖と同じメカニズム、反復する低血糖で発生する病態であると思われます。

妊娠とともにインスリン抵抗性が上がり、ケトン体エンジンをメインで動かすようにホルモンでコントロールされるので低血糖に陥るのです。

でも、吐き気を催し、何日も食事がのどを通らないようなひどいつわりを経験するのは一部の人たちだけです。

つわりなんてほとんどなかったわよ、と、ケロッとしている人たちもたくさんいます。


どうしてそのような違いが出てくるのでしょうか?

それはおそらく、妊娠前のエネルギー代謝の状態が違っていたためだと思います。

(生まれつきの体質、つまり持っている遺伝子配列の差もありえます。)


妊娠前から糖質エンジンだけで生活していたような人は、妊娠とともに始まるケトン体エンジンのシステムに体がついていけないのです。

たとえば菓子パン、カップ麺&スナック菓子で生きていた女性たちですね。
(たんぱく質と鉄が不足していてミトコンドリアがうまく回りません)

糖代謝からケトン体代謝にうまく切り替えることができずに、糖新生もうまくできません、激しい低血糖やエネルギー不足で体調を崩し、嘔吐し、寝込んでしまいます。


ですが、妊娠前から糖質エンジンもケトン体エンジンも両方回していた人の場合、あるいは回していなくてもいつでもケトン体エンジンを回せる準備が整っていた人の場合、妊娠に伴うケトン体エンジンへの移行も楽にできます。

(たとえば糖質も食べるが脂質・たんぱく質と鉄分も毎日十分食べていた女性)

もともとハイブリッドエンジンを無意識にときどき回していたので、つわりはケトン代謝に切り替わるまでの軽い症状で乗り切ることができるはずです。


そしてラッキーなのは妊娠前から糖質制限をしてケトジェニックに体が適応している人の場合、

(ケトジェニックな食事で快適な毎日を送っていた方の場合)

最初からケトジェニックなので、つわりはごく軽く済む可能性が高いと思われます。




<妊娠悪阻(つわり)と機能性低血糖は似ている>


機能性低血糖も同じことかと推測されます。

機能性低血糖の方では、インスリン分泌制御が変調しているので、血糖を下げるべきと気にインスリンが分泌されにくい、あるいは作用しにくくて、逆にもう十分に血糖が下がっているのにインスリンが分泌されたりします、その一方で糖新生の能力は低かったりします。

このために血糖値が乱高下して低血糖の時に吐き気や気分不快などの激しい低血糖症状にさいなまれます。


機能性低血糖の方の治療としても糖質制限食は有効であることが知られています。

一般的な現代人のように精製糖質を大量に食べるような食事を避けることで、少なくとも食後高血糖は避けることができます。

これは機能性低血糖の症状を軽くしてくれます。


さらに、高たんぱくで、かつ鉄を十分に食べることができていれば、ミトコンドリアやその後の電子伝達系が快調に動きます。

仮に糖代謝が狂って血糖値が乱高下するような体質であっても、絶食時にスムースにケトン体が産生されます。

ケトン体エンジンがまわってくれますので、エネルギー不足にならずに低血糖もそれによる症状も軽く済みます。


でも、菓子パンとカップ麺ばかり食べて暮らしていると、ブドウ糖エンジンしか回せません。

糖代謝が乱れると血糖値の乱高下に振り回され、それを補うケトン体エンジンも回せないので完全なエネルギー不足に陥り、倒れるしかなくなります。




<結論:妊娠する前に高糖質食をやめてたんぱく質と鉄分をしっかり摂りましょう>


で、結論です。


つわり(妊娠悪阻)は妊婦さんの体が妊娠とともにケトン体エンジンにきり替わるために必要な体の反応です。

糖質摂取を控えて、さらには短期間ですが食欲を抑えて絶食することでケトン体エンジンを回そうとする結果、引き起こされる反応なのです。

すべての哺乳類のメスが、妊娠とともにケトン体エンジンをフル回転するようにホルモン制御でスイッチするのです。

(野生動物の多くは常時ケトン体エンジンが回っていると思いますが)


それであるならば、対処方法はわかりますよね。

妊娠前から、必要となればいつでもケトン体エンジンを回せる体になっておくのが大切なのです。

「スーパー糖質制限の継続なんてあたし絶対無理~~!」

という人は、別に厳しい糖質制限を継続しなくてかまいません。

MEC食でいいですし、山田悟先生のロカボでもいいです。

たんぱく質と鉄分をたっぷり取り、その分、精製炭水化物の摂取は控えめにすることだけは、妊娠前から心がけておいてください。

そうすることで、必要となればいつでもケトジェニックに切り替えられる体の準備ができています。

妊娠悪阻は軽いもので済ませられるはずです。



以上の話についてはダイジェスト版をHealthPressのサイトに上げさせていただきました、字数制限の関係上、言葉足らずになっていますが、私のこの記事と両方読んでいただけますと幸いです。

妊娠中でも糖質制限して大丈夫?「つわり」のメカニズムと糖質制限の安全性
http://healthpress.jp/2018/01/post-3450.html


<追記>

蛇足になりますが、絶対に疑問に思われる人、私はここに書いてあるどれにも該当しない、カルピンチョ先生の嘘つき!と主張される方がいると思うので最後に書きます。


いくら食事を正しく行っても、体質的にケトジェニックな生活が合わない人はある程度確実に存在すると思います。

妊娠前はケトジェニックで快適に過ごしていても、妊娠したらつわりの症状でひどく苦しむ人も理論的には発生します。

糖質過剰の現代でなら穏やかに過ごせていても、低糖質の食事には体がついていけない方も絶対に一定数存在すると思うのです。


そういう場合は、つわりでも機能性低血糖でも、遠慮せずに医療機関に相談してください。

「食事さえ正しくすればやがてなんでも必ず改善する、それまではひたすら我慢だ!」などと思いこんで自分を追いこむ必要はありません。

自分はどうもうまくいかないなと思ったら、医療関係者を頼ってください。


もちろん、糖質制限やケトン食のことを正しく理解している医療機関であることが大前提なのですけれども。



<追記もうひとつ>

胎盤の産生するホルモンの産生ピークの時期について、私の記憶が不確かで間違っていたので訂正しました。

参考文献も文中に提示しています。

(時期の訂正のある項目は黄色のハイライトをかけています。)

hCGの産生は受精後早くからで、血中濃度のピークは妊娠8~10週、底値は妊娠20週、以降は一定。

hPLの産生は妊娠16週ごろから急増し、妊娠末期にプラトーに達します。

となると、時期的に見てhCG高値がもっともつわりとは関連性が高い、逆にhPLが上がってくるとつわりが消える人が多い、ということになりますね。

hCGの受容体の発現組織を見ると以下のようになっております。

lh-hcg-R.png

副腎や膵臓のランゲルハンス島にも作用するようです。

興味深いです。

失礼いたしました。

2018年1月 4日 10:02

スポンサードリンク

トラックバック(0)

トラックバックURL: http://xn--oqqx32i2ck.com/mtos/mt-tb.cgi/411

コメント(2)

私は40代一児の母です。
34歳で長男を妊娠。それはそれは激しい悪阻で、水を飲む事も出来なくなり、入院しました。それでも安定期を迎える頃には食事も徐々に出来るようになり、無事出産する事が出来ました。30代後半で二人目を妊娠しましたが、やはり激しい悪阻に苦しみ、子供の世話もままならなくなった為、堕胎の道を選んでしまいました。二人目を妊娠中、どうにかしてこの状況を乗り越えたいと色々調べはしましたが、こちらの情報にはたどり着きませんでした。
昨年から、私は栄養療法のあるクリニックの事務として働くようになり、ダイエット目的で糖質制限を始めました。やっているうちに様々な不調が出てきて、こちらのサイトに出会いました。
今の症状としては、体のかゆみと倦怠感があり、血液検査の結果、甲状腺機能が低下しているとの事。チロナミンの処方と亜鉛サプリを摂取するようにとの指示があり、糖質も1日白米小盛り1杯程度なら食べて良いと言われましたが、食べたら食べたで頭痛や吐き気を催すように。
私としては糖質制限を継続して、今より活発に美しくなりたい気持ちでいっぱいなのですが、私の弱り様に家族からももうやめておけと言われる始末。髪もいささか薄く…
今から出来る糖質制限の攻略法を教えて下さい。
おっしゃる通り、運動は苦手で過度なダイエットを繰り返し、リバウンドしてはインスタント、お菓子、ジュースを多量摂取してきました。そのせいで、大切な命も失ったんだと今日知りました。
とにかく、糖質に侵された酷い肉体なんだと思います。全く運動していない人は1日にどのくらいの運動と、食べていい糖質(少量)は何から摂取するのが望ましいですか?
糖質制限、私には難しかったけど、越えられたと言いたいです。そして、もう妊娠する事はありませんが、これから赤ちゃんを産む人達の為にこの情報を伝えていく必要があると思います。

コメントする

(お気軽にコメントして下さい☆丁寧にお答えします。コメントは承認されるまでは表示れませんが今しばらくお待ち下さい。)

妊娠と糖尿病

関連エントリー

つわりはなぜ起こるのか?そしてどうすればいいのか?
糖質40%摂取時は動物性脂肪・たんぱく質摂取が妊娠糖尿病のリスクになる


プロフィール

carpincho3

50代の男性医師です。低糖質ダイエットを実践してその効果に驚き、このサイトを作りました。

連絡先はこちら↓
carpincho3blanco3@gmail.com 
(全角の@を半角の@に変えてください。)

私のブログをまったく読まずに一方的に質問を投げかけるのはおやめください。 いただく質問の答えは、ブログ内の記事、あるいはコメントでのやり取りに記載されている場合が多いと思います。 量が多くて読むの大変だから、ということであれば、知恵袋などの質問サイトをご利用なさってはいかがでしょうか。 また、コメントへの返信やメールへの返信は「無償の善意の第三者」としてやり取りさせていただいているつもりです。 自分の家臣に問いただす殿様みたいな非常識な投げかけは、ときに無視しますので、あしからずです。 コメントやメールには医学的に間違いないようにお答えしたいと思いますし、急に忙しくなって対応できないこともありますので時間がかかる場合があります、ご了承ください。


サイト内検索

当サイト内の記事を検索が出来ます。

記事総数: 330
コメント総数: 3873
スポンサードリンク
糖質制限関連おすすめ書籍
ウェブページ
リンク
読者の皆様へ

糖質制限がうまくいかない人は明らかに一定数存在しますし、その方々の存在を否定するつもりなど毛頭ありません。
人はそれぞれ遺伝子が違い、環境が違い、そのアプローチに挑むときの年齢や健康状態も違うのですから、同じことをしても同じ反応が出ないのは当然のことだと思います。 私も、そのことについては頻繁に言及しています。

しかし一方で、記事一つ一つは、異なる人へ向けての異なるメッセージです。
すなわち、個別記事というものは、どういう人々に何を伝えるか、ターゲットを明快にして書くものだと私は考えています。
そういうところでいちいち、しかし、例外はあります、とか言って全ての人に配慮した注釈を付けると、読む側もメッセージがなんなのかわからなくなります。

したがって、読まれた方の立場次第では、その記事では自分の存在を無視されているように感じる、配慮が足りないと感じられる記載内容があり得ます。
その場合、その記事はほかの人に向けられた記事であると、スルーしていただけたらありがたいです。

よろしくお願いします。

ぽっちゃりも糖質も菊芋におまかせ ↑宣伝ヽ(´▽`)/
スポンサードリンク