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自分の病気・肥満にどう向きあうかは本人の意思次第

現在の勤務先で肥満の患者さんの外来診療を始めてそろそろ1年が経とうとしています。

受診者は思ったより少なくて暇な外来ですが、それなりに結果は出ています。

半年~8か月程度で4kg~10kg減った人たちがそこそこいます。

血糖値だけでなく肝機能や中性脂肪も改善し、血圧も下がってきた人たちがいて、まずまずです。

おめでとうございます、みなさん。


その一方で、うまく痩せることができずに途中で受診しに来なくなった方々も少なからずいらっしゃいます。

なんでうまく痩せることができなかったのかというと




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肥満外来で痩せることができずに受診しなくなった方たちの特徴は

「こちらが伝えたとおりに行動してくれない」

これがほとんどです。


私の外来、基本的には、食事をきっちりレコーディングしてきてもらって、それを見てなぜ太るのかについて個別に検討し、食べ方を変えるように説明するのです。

最初の受診の時には健康診断よりも多めの項目について血液検査しますし、内臓脂肪と皮下脂肪のCT検査も行います。

それらに基づいて、その方がどのように食事を変えていけばいいかを説明させていただいています。

(つまり、データによって私からの食事の指導は変わりますし、改善すべき疾患があれば投薬する場合もあります。)


みなさん、やる気満々で受診されます。

検査結果について説明し、ここにこういう問題があるからこう改善しましょう、という説明までは聞かれます。

で、具体的な食べ方の説明をすると、いくつかの反応があります。


1.はい、それでともかくやってみます。

・・・この人たちはほぼ成功します

2.自信ないけど、できる範囲でやってみます。

・・・この人たちもスローペースながら改善することが多いです。

3.食べ方を治すよりわたし、運動して痩せたいんですけど

・・・それなら来るところが違います、スポーツジムでがんばってください

4.食べ方は変えずに痩せる薬とかないんですか?

・・・痩せる薬を出す自由診療のクリニックに行ってください。

5.そんなこと知ってる、テレビで聞いたのと同じだ。もっとほかの方法を教えてよ。

・・・教えてもやらないでしょ。

6.俺はやる気になれば自分でダイエットできるからそんなめんどくさい食べ方はしない。

・・・そう?で、それをいつか見せてくれるの?




私は、あなたが今どういう健康状態にあって、あなたの食事のどの辺に問題があって太るのかについての解説はします。

だからこういう食事にしましょうという説明もします。

この食餌にすれば生活習慣病になる可能性はかなり低くなります、ともお伝えします。


でも、

「俺の要望する食事方法で痩せさせろ。」

とか、

「やせさせることができるもんならやってみろ。」

とか、

「仕事や付き合いの関係上、今まで通りの食べ方で食べます。」

とかおっしゃる方々をやせさせる努力までは私、しません。


自分の体、自分の健康だからね、どうするかは自由です。

外来に来る気がなくなるのも仕方ないといえば仕方ない。

動くのはあなた自身です、わたしではありません




でもね、一つだけ書いておくと、

通院していてもなかなか痩せない、食べ方を変えられないという人が長く長く通院しているうちに、いつの間にか食べ方を変えるのが苦ではなくなり、気が付くとやせ始めている!

というケースもあります。


とりあえず、通院することは続けていると、その日が来る、かもしれませんよ。

2019年3月29日 09:55

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コメント(2)

カルピンチョ先生!
お久しぶりのアップデート、嬉しく拝読致しました。
あまりにも長くアップデートされていないので、心配しました。糖質推進派の圧力でもあったのかと..........
また、頻繁なアップデートを期待しております。
よろしくお願い致します。
敬具

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しかし一方で、記事一つ一つは、異なる人へ向けての異なるメッセージです。
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そういうところでいちいち、しかし、例外はあります、とか言って全ての人に配慮した注釈を付けると、読む側もメッセージがなんなのかわからなくなります。

したがって、読まれた方の立場次第では、その記事では自分の存在を無視されているように感じる、配慮が足りないと感じられる記載内容があり得ます。
その場合、その記事はほかの人に向けられた記事であると、スルーしていただけたらありがたいです。

よろしくお願いします。

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