Top >>  低糖質ダイエットでイライラする理由

低糖質ダイエットでイライラする理由

低糖質ダイエットを実践して、だけど続かなくてやめちゃったという人がいます。

そういう人のやめてしまった理由として、「糖質抜きの食事は食事を食べた気にならない。」というのがあります。

多くの場合は女性ですね。


「低糖質ダイエットにして確かに痩せるのだけれども、食事をしたという感じに全くならない。毎日ステーキや豆腐や乳製品や葉っぱものの野菜を食べても、ご飯を食べないと満たされない。エサを詰め込んだだけという感じ。だから効果があったけど2週間で耐えられなくなってやめちゃった。やめて、スイーツや白いご飯を食べた後の満腹感、至福感と言ったら、最高だった、たとえ糖尿病になってもこちらの快感を捨てることの方が私にはつらいです。」

そういうコメントを読んだことがあります。


そういう方には低糖質ダイエットは難しいですね、確かに。

糖質を食べながら、きびしくカロリー制限をして痩せるしかありません。

でも、その方法がとれるから、耐糖能異常がないのであれば糖質摂取量を下げなくてもかまわないと思います。

(糖尿病の人や境界型(耐糖能異常あり)の人は、ぜひ糖質制限をしてほしいのですが。)


では、どうして糖質制限をするとそんなに「食の満足感」が消えてしまう人がいるのでしょうか?

それも女性にそのように感じる人が多いのはなぜでしょうか?

それは卵巣から出る女性ホルモンの性なのです。


女性はもともと、糖質の味を好むようにできています。

雌ラットは雄ラットに比べると砂糖水をよりたくさん飲みたがります。

卵巣を切除するとその傾向はなくなり、卵巣から分泌されるエストロゲンという女性ホルモンを注射してやると再び砂糖水を好むようになるそうです。


どうしてそのような嗜好性があるのでしょうか?

男性の体と比較すると筋肉が少なくて代わりに皮下脂肪が多いのが女性の体の特徴で、それを維持するために糖質を好むのです。

なぜなら、子供を育てる子宮の温度を安定させ、非常用のエネルギーも蓄えておくために、皮下脂肪を増やさなくてはならないからです。

だから脂肪を増やすのに最も優れた食材である糖質を好んで摂取するのです。


そしてその「糖質の味覚への嗜好性」がどうして女性に強く生じるかというと、

エストロゲンが存在すると、血糖値が上がった時に脳で分泌される快感物質であるβエンドルフィンの上がりっぷりが非常によろしいからである。

ということが分かっています。


エンドルフィンの受容体はモルヒネ(アヘン)が結合する場所で、麻薬的な快感を得ることができます。

「スイーツや白いご飯を食べないなんて耐えられない!」

という女性は、麻薬中毒に匹敵するほどの習慣性にとらわれているというわけで、それはなかなか離脱が難しいのも納得ですよね。

・・・まあ、「私は糖質中毒よ!」と叫んでいるようにも聞こえますが。




エストロゲンには、幸いなことに、もうひとつ面白い作用があります。

糖質を摂取して増える脂肪細胞を内臓脂肪ではなくて皮下脂肪中心にする作用を持っているのです。

だから糖質をたくさん摂取しても、男性に比べれば女性の方が内臓型の肥満になりにくい。

ということは、インスリン抵抗性も上がりにくく、糖尿病にはなりにくいのです。


だから、女性の場合は「私には無理!」と思うのであれば、低糖質ダイエットではなくてカロリー制限ダイエットを行う方が良いように思われます。(低糖質ダイエットに比べれば高糖質カロリー制限ダイエットの方が痩せるの難しいですけどね(笑)。)

もちろん、男性は糖質をとりすぎると内臓脂肪が増えるので、低糖質ダイエットをお勧めします。


トラックバック(0)

トラックバックURL: http://xn--oqqx32i2ck.com/mtos/mt-tb.cgi/53

コメントする

(お気軽にコメントして下さい☆丁寧にお答えします。コメントは承認されるまでは表示れませんが今しばらくお待ち下さい。)

関連エントリー

カテゴリを設定するのでまたurlが変わります(^_^;)。
低糖質ダイエットのために避けるべき食材のリスト
ブログのテンプレートを変更したらURLまで変わって///。
荒木式「糖質制限食による糖尿病・高血圧の治療方法」が向いている人と、気になる欠点
肝臓でのセックスホルモン結合グロブリン産生と高血糖とインスリン抵抗性の話
コメントができるように設定しました(^_^;)
セックスホルモン結合グロブリン低下が2型糖尿病と男性ホルモン型禿毛症に関係する
糖質制限で髪の毛が太くなってきたのであります
糖質制限ダイエットで高血圧が治せる理由
糖質は制限するけれども食物繊維はむしろ積極的に食べてます
低糖質ダイエットを実践した私の体重推移、最初の6週間で激やせでしたが。
低糖質ダイエットで落ちた体重を低いままに維持する方法
糖質制限ダイエットの停滞期はいつごろなのか?
低糖質ダイエットの欠点 人付き合いでちょっと困る
アルコールを飲んでもよいダイエット方法
糖質制限ダイエットでは食べる時間は大事ですか?
肉食だと太るけど、ご飯中心なら太らない そう聞いたんですけど?
焼肉は血糖値をあげて、お寿司は血糖値を上げない? 糖尿病学会で発表
必須糖質なんてないんですから
荒木式糖尿病治療法を購入してみた
低糖質ダイエットをやってみてほしいと強く願う
人工甘味料の不思議な作用 インスリン分泌を促す
ダイエットコーラがメタボを増産しているというお話
沖縄返還40周年おめでとう。でも、メタボは何とかしないと・・・
糖質をとらないとインスリン分泌能が低くなる?
低糖質食と究極の糖質オフ食とではどちらがよい?
低糖質ダイエットを長く続けると危険ではないのか?
血糖値を下げる食べ物とは
低糖質ダイエット用の食材のネット通販会社のおすすめと自分での選び方
αグルコシダーゼ阻害薬の副作用を回避するには?
糖尿病の治療薬を見れば低糖質食が優れた糖尿病食とわかります。
低糖質食(糖質制限)であればカロリー制限は必要ない?
空腹時血糖を下げる最も簡単な方法
低糖質ダイエットは手段の一つの選択肢で、目的は・・・
私個人の低糖質ダイエット実践結果記録
低糖質ダイエットをすると意識がもうろうとする
低糖質だから肉なら何でも思う存分食べて大丈夫なの?
万人受けする和食の味付けの持つ危険性
糖尿病と自己免疫疾患の関係
どうして糖質の味を人は好むのか?
食物中の炭水化物量を「糖質」と「糖質以外」とに区別する方法
炭水化物と糖質と糖質以外の区別を明確に
牧草で育てた牛の肉と穀物で育てた牛の肉の違いをご存知ですか?
伝統的な和食は高糖質だけれども太らない
低糖質ダイエットでイライラする理由
外食で低糖質食にするなら 日高屋の中華がおすすめ
単身赴任オヤジの低糖質超お手軽メニュー ツナとうふ
カレーは専門店のカレーなら食べてもいいんです。
最初の2週間ですとんと体重が落ちます、低糖質食にすると
お菓子をたまにつまむ程度なら問題ない?
野菜に含まれている糖質は気にしなくていいのか?
冷奴を御飯代わりにすると食べやすい
駅の立ち食い蕎麦ほど恐ろしい食べ物はないと思う
最初に始めたのは主食抜きだけど、ちょっと厳しい
低糖質ダイエットを批判する人たち ダイエット業者
低糖質ダイエットを批判する人たち 内科医
なぜ低糖質ダイエットが自分にはよかったのか
低炭水化物ダイエットと低糖質ダイエットの違い
炭水化物抜きダイエットしてるんですか?
低糖質ダイエットを始めたきっかけは節電でした
低糖質ダイエットで14kgほどやせるのに成功しました。


プロフィール

篠原塾長

50代の男性医師です。低糖質ダイエットを実践してその効果に驚き、このサイトを作りました。

連絡先はこちら↓
●●@●●.jp

メールは準備中です、コメントでお願いします。
コメントやメールには医学的に間違いないようにお答えしたいと思いますし、急に忙しくなって対応できないこともありますので時間がかかる場合があります、ご了承ください。
サイト内検索

当サイト内の記事を検索が出来ます。

記事総数: 61
コメント総数: 0
メルマガフォーム

ランキング1
最終更新●年●月●日

1.gif
●●

2.gif
●●

3.gif
●●

ウェブページ
フリースペース1
ここにお好きなバナーを入れたり、テキストを書くこともできます。 人間ドック
フリースペース2