焼肉は血糖値をあげて、お寿司は血糖値を上げない? 糖尿病学会で発表
2012年5月17日から横浜で第55回日本糖尿病学会(JDS2012)が開催されました。
この会議ではついに、「糖質制限食も糖尿病の治療食として有効な選択肢の一つである」と認定されました。
山田先生の主張も完全には通らなかったものの、低糖質談義は盛り上がったようです。
From Debate to Consensus 5 5月18日(金) 16:50~18:10
適正な食事中の糖質量は?
What is the Right Amount of Carbohydrates for Diabetic Patients to Take from Meals?
座長:津田 謹輔 / 中村 丁次
このことは素晴らしいです、ついについにようやく、です。
これで糖尿病の専門医が糖質制限食を頭から否定することができにくくなりましたねえ♪(なってほしい(^_^;))
その一方で、あいかわらず「高脂肪こそ悪で高糖質は善」というニュアンスに取られる発表もなされた模様です。
しかしその内容、論理的に破たんしているとしか。。。
発表内容の紹介です。一言でまとめてしまうと、
「焼肉を食べさせた糖尿病患者では血糖値が上昇し、お寿司を食べさせた糖尿病患者では血糖値が上昇しなかったから、高脂肪が悪で、高炭水化物は問題ない」
と、いうものでした。(少なくともMedical Tribuneではそのようなニュアンスの発表であるとして紹介されています。)
実際のデータを紹介しますね。
まずは焼き肉群
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平均年齢23.3歳の1型糖尿病患者6人に焼肉を好きなように食べさせました。
焼肉の摂取カロリーは、平均2148.1kcalで、摂取量は蛋白質 96.1g、 脂質103.9g、炭水化物182.8gでした。
でも、ここで強調されたのは「脂質の摂取カロリーは総カロリーの半分近く」だったということです。
比率として示されたのが、蛋白質18.1%、脂質44.6%、炭水化物 33.5%というものでした。
この人たちが通常通りのインスリン投与しか行わなかった場合(5人がそうしました)、数時間後から翌朝にかけて血糖の上昇が見られたそうです。
次にお寿司群
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平均年齢25.7歳の1型糖尿病患者10人に回転寿司を好きなように食べさせました。
寿司の摂取カロリーは、平均1460.3kcalで、摂取量は蛋白質77.0g、 脂質31.3g、炭水化物205.2gでした。
そしてここで強調されたのは、「炭水化物の摂取量が多く、普段の数倍の量を摂取した」ということです。
比率として示されたのが、蛋白質21.0%、脂質19.7%、炭水化物55.9%というものでした。
この人たちは、頭抜けてたくさん食べた一人(52貫食べたそうです)を除いて、通常通りのインスリン投与でも血糖値が上昇しなかったそうです。
そして結論ですが、
「高蛋白でも低脂質の寿司」の場合には、通常通りのインスリンで血糖管理が可能だが、「高蛋白・高脂質の焼肉」の場合にはインスリン増量が必要である、その対策を立てねばならない。
カーボカウントの重要性など、糖質摂取に関して観察の必要性を説きながら、結論がそれ。
、変な話の持って行き方ですよね(笑)。
まず、焼き肉群の摂取カロリーはお寿司群の1.5倍です。
この時点で二つの集団が比較不能だと思うのですね。
「一日の摂取カロリーを制限することが糖尿病の食事療法として最も重要である」
と言っている日本糖尿病学会の指針にも反しています。
総カロリーじゃないよ、カーボカウントが大事なんだよ、というのならば、炭水化物摂取量に注目してください。
焼き肉群は182.8g摂取し、寿司群は205.2g摂取しています。
ほぼ同等の炭水化物摂取量です。
「お寿司群が普段の数倍の炭水化物を摂取した」と言うのなら、「焼き肉群も普段の数倍の炭水化物を摂取した」と言うべきです。
つまり炭水化物摂取量はほぼ同等で、焼き肉群はそこにタンパク質と脂質を上乗せした形です。
具体的に言えば、これは「焼き肉群とお寿司群を比較した試験」ではなくて、
「両群に1,400kcal分のお寿司を食べさせて、片方にはさらに700kcal分の焼肉のみを追加で食べさせて、両群の血糖値の変化を比較した試験」
になってます。
そりゃあ、追加で焼肉を700kcalも食わせた方がコントロール不能になるだろうよって思いませんか?
「高糖質摂取の負荷をかけた状態において脂質も同時にたくさん摂取させた場合とそうしなかった場合を比較してみたところ、高糖質負荷をかけた条件下では高脂肪負荷がより長時間の血糖値上昇につながることが明らかになった。」
そういう話の持っていきようならわかるんですけどね。
こんな見え透いた詭弁の発表をしてまで「高糖質は善で高脂質は悪」って主張しなくてはならない理由がなにかあるのでしょうか。
(発表者側にあるのかマスコミ側にあるのかは判然といたしませぬが)
ほんとうに不思議です。
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【荒木式】糖尿病改善プログラム~インスリンも薬もやめられた画期的な食事法~
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これ単に突出した52貫食べた人が平均の炭水化物量を上げて、
その他そこそこ人が血糖値上がらなかったので、
平均の血糖値が合が有らなかったのではないのでしょうか?
これただの詐欺でしょう?
ただの詐欺!ぶはははh
そうですね、なんか、本質を取り違えた勘違いな話になっていますね。
カーボカウントの概念を日本に導入しようと一生懸命な点は良いんですけどねえ、どうして「初めに糖質60%摂取ありき」になるのかが謎です。
でも、関西で最初に糖質制限を認めるようにならざるを得ない大学の糖尿病内科教室はここではないか?と、期待もしております。
エビデェンスて結構ただの統計マジックの眉を顰めたくなるの多くないですか?
(特にやく○んめーかーが・・・・げふんげふん)
純粋科学系だと同一条件で事象を観察する事を厳しく検証されますが・・・・
医学は科学だとか言い出す人に限ってそれは酷いような印象を持ってます。(ただの偏見だろうな・・)
どーみたって外から見ているとエビデェンスが~~と言っているのて都合いいように集計したものを
堂々出してやっている姿はもはや滑稽ですらあると思うのですが・・・・
一つだけ不思議なのは、彼らは恥ずかしくないのでしょうか?
naoさん
私が大学院生として研究していた時に指導してくれた基礎医学の先生は統計が嫌いでした。目で見て一発でわかる白黒の付く研究をしろ、統計処理して有効性を保証しなきゃいけないようなデータを扱う研究はするな、と。
一方、臨床の教室で指導してくれていた先生が言うには、統計学が使いこなせれば臨床研究の論文はがんがん書けるから、データが手に入ったらすぐに統計処理する癖をつけておけ、必ず統計処理したデータを基に物事を考えろ、と。
どちらも一理あると思うのですが、統計処理はいじり方次第で結果をどのようにもできる怖さがあります。ですから、研究の最初のデザインがどのぐらい客観的であるかが信頼性を決めると思います。
その設定が最初からおかしいのがBMJの糖質制限は危険という論文であったり、この研究発表であったりするのです。そして、naoさんのおっしゃる通り、設定のおかしい統計処理の話はけっこう多いです。
そういう設定をしている彼ら、バカではないはずですから、確信犯だと思います。
ということは、、、そういうことでしょうね。
悲しくなりますね。