ハイボールならいくら飲んでも大丈夫なのか?
糖質制限ダイエットの素晴らしいところは、糖質を含まないアルコール飲料なら飲んでも太らない、ダイエットできる、というところです。
たとえば焼酎のオンザロックや焼酎のお湯割り、糖質制限の点だけから見れば、いくら飲んでも大丈夫です。
(居酒屋の甘いチューハイはシロップソーダで割ってありますから禁忌です、飲んじゃダメ。)
私が大好きなのはウイスキーのソーダ割り、サントリーが名前を普及させている「ハイボール」です。
(こちらも、最近はハイボールでありながら甘い味付けを施してある糖質たっぷりの困った商品が増えてきているので要注意です、トリスハイボールのカボス味なんか、絶対に飲んではいけません。)
自宅で時間のある時は自分でいろんなウイスキーをソーダ水で割ります。
おつまみにはミックスナッツ、チーズ、スモークチキンなどを私は好んでいただいています。
ミックスナッツやチキンの味付けにわずかに含まれている糖質がありますが、それは無視できる範囲です。
では、ハイボールや焼酎のお湯割りならいくら飲んでも大丈夫なのか?
それは、違います、限度があります。
肝臓の許容範囲内で飲むことが健康にとっても、ダイエットにとっても重要です。
エチルアルコールは燃やせばよく燃えるカロリーの高い物質ですが、我々の体はそれを栄養として利用することはほとんどありません。
栄養にならないエネルギーという意味で「エンプティエネルギー」と言ったりもしますね、基本は我々の身体を通過する物だと考えてください。
ところが、このアルコール、そのままの形で我々の身体を通過することはありません。
そのままで体内に存在すると危険な毒物ですから、肝臓で分解されてアルデヒドになり、それがさらに分解されないと排出されない物質なのです。
そのため、アルコールを摂取するとあなたの肝臓はフル活動でその分解に集中します。
ブドウ糖は我々の身体にとって重要なエネルギー源です。
でも、糖質制限をしても我々の体は脂肪や筋肉からブドウ糖を作り出す「糖新生」という過程を経てそれを自ら作り出すことができます。
だから糖質制限すると、主として肝臓で脂肪が消費されて糖新生が行われます、その結果、痩せることができるし、ブドウ糖供給にも問題がありません。
ところが、アルコールを過剰に摂取すると、アルコールの分解の方に肝臓は集中しなければならなくなります。
そうすると、糖新生は後回しとなり、必要十分なブドウ糖を供給することが出来なくなります。
これが、糖質制限して肝機能が好調であっても、アルコールの飲みすぎがよろしくないという主な理由です。
自分の肝機能の許容範囲を超えて深酒をした翌朝には、どうしても糖新生が追い付かずに低血糖になり易くなるというわけですね。
ではどのぐらいまでなら大丈夫なのか?
これは個人差がありますから、ご自分で探してみてください。
標準的な体格の男性ではアルコール量にして一日25g以下が良いとされます。
ウイスキーならダブル一杯(60ml)ですし、25度の焼酎なら100mlですね。
でも、体格なんて人それぞれじゃん。。。
そういえば、日経Associeに、「アルコールの分解時間の簡易計算式」というのが載っていたのを見た記憶があったので、探してきました。
アルコールの処理時間(h)=飲酒量(ml)×0.8×アルコール度数÷(K×体重(kg))
(係数K=0.1~0.15 お酒の強い人は0.15・お酒の弱い人は0.1・普通の人は0.11)
この場合、体重は「標準体重の範囲内」で設定して計算しましょう。
肥っている人が肝臓の機能的な実質細胞まで肥大するわけではありませんから、肝機能もふつうは標準体重なりです。
実際問題どうなのかな、と思って計算したものと現実とを比較してみました。
180㎝で81kgの私の場合、毎日ウイスキーを90ml(サントリーの角ハイボールなら500ml缶を一本)飲んでも今のところは大丈夫なようです。
計算式では標準体重をBMI22とすると71.3kgですから、
500×0.8×0.07÷【0.11×71.3)=3.570
サントリーの角ハイボール一缶の分解に3時間半ちょっと費やしています。
その間、肝臓の糖新生がおろそかになると考えると、23時に飲み終わっていた場合、万全の態勢で糖新生が始まるのは午前2時半ごろからですね。
朝食で少量でも糖質を摂取すると、糖新生にはまたブレーキがかかりますから体脂肪の分解が減る、つまりダイエット効果は薄れることになります。
効率的に痩せようと思えば、晩酌は早めに飲み終わる、量も少な目に、ということですね。(←あくまでも飲みたいらしい^^;)
いったん痩せてしまえば、飲酒による体脂肪分解スピード低下はそれほど気にしないでいいと思います。
だけど、アルコールの分解に10時間以上かかるような遅い時間の晩酌は、朝の低血糖を招く可能性もあるのでお勧めできないですね。
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・・・遅い時間から角ハイボール500mlを3缶飲むのはやっぱり飲みすぎだったんだな(^_^;)。
スポンサードリンク 2012年8月23日 06:25 スポンサードリンク
きょうの朝日新聞の朝刊の「ひととき」という読者の投稿欄に「健康通知簿 踏みとどまる私」と題しての投稿がありました。
内容の概略は市の健康検査の結果で10年前からHa1cが高いと指摘されてから、糖尿病だった亡き母が、・・・
・・・私はインスリンの勉強のため転院したとき、インクレチンが認められたため、インスリンを保留。そうしている間にネットで糖質制限食にたどりつき、今月で10カ月、Ha1cは6月で5.7(旧)昨年は8.0前後。
新聞の投稿者に糖質制限食を知らせてあげたいが、そのすべもない。
また、保健婦さんも糖質制限は知らなさそうだ。
日本には糖尿病専門の先生は何人おられるのでしょうか、うち糖尿病に罹っている先生も多いはず、その先生方の治療は学会方式で納得されているのでようか。
知りたいところです。
***新聞記事は投稿者、新聞社に許可を頂いていませんので、コメント欄への表示はしないでください。
morieさん
コメントがすぐ表示される形になっていてすみません。
承認後の表示に設定しているつもりがどうもうまくできていなかったようです。後追いになりましたが、該当箇所(新聞記事)を削除させていただきました。
糖尿病の専門医の方々も保健婦さんも栄養士さんも、そして患者さんも・・・
どうも日本人には二種類いるようです、言われたことをかたくなに守る人と、自分の頭で考えて納得したことしかしようとしない人。
もちろん中間の方もいて、そういう方は運が良ければ言われていることの矛盾に気づくチャンスに巡り合えるのですが。
日本人でも江部先生、釜池先生、荒木先生、溝口先生、古くは和田式ダイエット。
最新の方で言えば糖尿病学会の今後を担う山田悟先生。
糖質制限を強く叫ぶ先生方はいらっしゃるのですが、理屈の通用しない旧勢力の前にまだまだその声は一般の人に聴こえません。そして「権威」を信望する人たちはそれ以外の声が真実かどうかなんて考えもしません。
私自身も、職場の糖尿病の人に「試しに糖質制限してみるよ」、と言ってもらうまでに半年以上かかりました。
微力ですが、糖質制限が合理的な糖尿病治療食であり、健康的にダイエットするためにも理想の食事であることを書き続けていきたいと思います。
こういうところからの地道な声しか体制を動かすことができない、これはスウェーデンでもアメリカでも同じ時代があったようです。
頑張ります。