夜中にどうしてもお腹が空いた時にどうすればいいか?
糖質制限ダイエットの場合はほとんどの人がお腹いっぱい食べても大丈夫なので、夜中にお腹がすくことはあまりないはずですが、ときには夜中に不意にお腹が空いてしまうこともあり得ます。
そんなときにはどうすればいいのか?
お勧めなのは、ていねいに歯磨きして(糸ようじなどの歯間ブラシも使いましょう)、トイレに行ってから体重計に乗ってみることです。
寝る前にも体重計に乗っていたと思うのですが、それと比べてみてください。
ほとんど減ってなかったら、あきらめて朝まで寝ましょう。(^_^;)
もしも体重がけっこう減っていて、少しは食べれるようなあと思ったら、くちびるを開けて、歯は合わせた状態で口で呼吸してみてください。
歯磨きした爽やかな風が歯間ブラシで掃除した歯の間を通り抜けます。
綺麗に歯磨きできてますね?
そんなにきれいに磨けたんだから、食べ物で汚してはもったいないです、朝まで寝ましょう。ヽ(^。^)ノ
え、それでも我慢できなかったらどうするか?
秘策を授けましょう。
これは昔ガッツ石松さんが「減量法の秘策」として何かの雑誌に書いていたものです。
シングルのウイスキー(30ml)を150mlのお湯で割り、それをゆっくり飲んでください。
お腹が暖まり、心が落ち着いて眠ることができます。
もちろん、蒸留酒には糖分が含まれていませんから、太る心配は必要ありません。
・・・ただし、注意点として、飲みすぎないことは大事です。
夜中にアルコールをたくさん摂取すると、アルコールを分解するために肝細胞は糖新生をさぼってしまいます。
理屈上、わかっていると思いますが、糖質制限で体脂肪が減っていくのは、夜、寝ている間に肝臓がせっせと脂肪を分解してブドウ糖を作り出す、糖新生を行っているからです。
たくさんのアルコール負荷をかけることは、その行為を妨げることになります。
つまり、できれば夜中にお酒を飲まないで寝る方が、ずっと早くスリムになれます。
ていねいな歯磨きをやってみてください。
糖質制限ダイエット ブログランキングへ
スポンサードリンク 2012年6月17日 11:18 スポンサードリンク
8日前に先生のブログを発見してから、取り憑かれるように拝読し、私も糖質制限にchallengeする決心をしました。で、今のところ体重は2kg程落ちています。年齢も50を超え、これが最後のチャンスと思って、目標体重までがんばります。ところで、こちらのブログで初めて知ったワード"糖新生"ですが、ウィキで引いたところ、以下の一文に引っかかりました。
"糖新生が急激に起こったため高血糖をもたらす現象をソモギー効果という。1850年代に、フランスの生理学者、クロード・ベルナールにより明らかにされた。また、絶食を行うと糖不足を補うため筋肉が分解されて糖新生が起こり[3]、筋肉が減少することにより新陳代謝が減少することが、絶食によるダイエットが成功しにくい原因の一つでもある。"
ソモギー効果なるもの、また、筋肉の糖新生による新陳代謝の減少とは、いかなるものなのでしょうか?低糖質ダイエットの失敗につながるようなものではないといいのですが…。
先生のブログを日夜励みにしております。お忙しいこととは存じますが、呉々もご自愛を!
p.s. "夜空の大空港"冒頭の10分だけyoutubeでみました。ワクワクしますね。近所のツタヤにあるといいのですが…。
ますださん
読んでくださってありがとうございます。
そして糖質制限はじめられて8日目で早くも体重2kg減少!
これからもしばらくはスムースに痩せていけそうですね、すばらしいです。
糖新生に関するご質問に関してですが、質問いただいた言葉「ソモギー効果、筋肉の糖新生による新陳代謝の減少」はそれぞれ全く別の説明が必要で、非常にややこしい概念を複数含みます。まずは後半の言葉についてお答えします。
糖新生について
まず、糖新生は普通の食事をしている人でも夜間に起こっていることであるということをご理解ください、血糖値を一定に保つために、食事からの糖質摂取の見込みのない就寝時にはグリコーゲンを分解するだけでなく、糖新生で血糖値補正をします。
そして、糖新生の原理について
1.糖新生の原料となるものは特定の炭素骨格で、それはアミノ酸の一部(糖原性アミノ酸)、乳酸、ピルビン酸、グリセロールなどですが、比較的優先的に使われるのはタンパク質を分解して精製される糖原性アミノ酸です。これは、食事中から吸収されるものがあればそれを使いますし、それが足りなければ筋肉を分解して取り出します。
2.糖新生のためのエネルギー源として用いられるものが中性脂肪です。これが分解されて糖新生のためのエネルギーが供給されるのと同時に、ケトン体が生じてこれが脳などではブドウ糖の代替エネルギーとしても用いられます。また分解の過程でできたグリセロールの炭素骨格も糖新生に利用されます。
ということでまずは、糖新生の際の原料とその作業のエネルギー源として「主にアミノ酸」と「脂肪」が消費されることを念頭に置いておいてください。
次に、絶食時の糖新生についてです。
絶食時の糖新生
血中ブドウ糖は一定濃度に保たれることが必須ですから、その維持が最優先されます。
絶食時には、糖が足りなくて真っ先に用いられるものは筋肉を分解して得られる糖原性アミノ酸です。でも、絶食が長く続くと、脂肪分解を積極的に進めて、ケトン体をエネルギーとして用いたり、脂肪を分解して得られたグリセロールからの糖新生を優先的に進めたりします。それは生きていく上で筋肉は一定量保持しておきたいからです。それでも、生きていくために必要な一定量のブドウ糖維持を最優先しますので、脂肪の蓄えを使い果たしたら筋肉分解もどんどん進みます。
次に、糖質制限の時の糖新生です。
糖質制限時の糖新生
糖質制限では、脂肪とタンパク質は必要十分量を摂取します。これにより、糖新生の原料として必要な糖原性アミノ酸はかなりの量、食事から供給されます。一方、食事から供給されるアミノ酸や脂肪酸が十分の濃度存在するのは食後数時間だけなので、プチ絶食状態となっている早朝などには蓄えた筋肉を糖新生の原料としてを使わざるを得ません。
ということで、糖質制限においても筋肉量の減少は多少、起こり得ます。糖質制限時に積極的にたんぱく質を摂取した方がいいというのはそういう理由もあります。夜食にチーズとホットウイスキー、なんてのはいい組み合わせですね。
で、最後に新陳代謝と絶食についてです。
新陳代謝、というか基礎代謝の減少ですね。我々の身体が運動しなくても毎日それを維持するためだけに必要とするエネルギー量を基礎代謝と言います。筋肉を維持するためにはたくさんのエネルギーを必要としますので、筋肉量が多い人では基礎代謝量が高くて、筋肉量が少ない人では基礎代謝量が少なくなります。このために、筋肉が少ない人では消費するエネルギー量が少なくなり、エネルギー摂取過剰で太りやすくなるというわけです。
絶食ダイエットでは、糖新生のために筋肉をどんどん使います。このために筋肉量が減り、エネルギーを消費しない体になります。だから、絶食して痩せて、普通食に戻ると、それまで以上に摂取エネルギー過剰になって簡単にリバウンドするというわけです。
長い説明になりましたが、わかっていただけましたでしょうか?
そして、ソモギー効果ですが。
これは糖新生が過剰に起こってしまった状態です、どういうときに起こるかというと、病的な状態での低血糖が誘因となって起こります。
糖尿病の人が注射したインスリン量が多すぎたり、食事摂取が遅れたりすると低血糖になりますが、それを補うために発生した糖新生が、十分量の糖新生が達成できた後も亢進してしまう状態です。糖質制限には基本的に関係ないと考えていいと思います。
ただし、糖新生の亢進に、こういうことはあります。
たとえば短時間に激しい運動負荷をかけると何も食べていなくても血糖値が上がることがあります。これは運動ストレスに対抗するために糖新生を積極的に行うものです。筋肉活動が激しいと乳酸が一気に生成されて糖新生の材料も増えますから、糖新生が起こります。
また、糖尿病の人では基本的にインスリン分泌量が少ない、もしくはインスリン反応性が悪いために細胞内に糖質を摂りこむことができません、これに、血糖が足りないのだな、ということで体が反応して糖新生が恒常的に亢進している人も多いのです。(ここは正確な概念ではないかもしれませんが、便宜的にこう考えていてください。)
もう一つ、糖新生に関連して暁現象というのもあります。これは明け方、血糖値が上昇するというもので、これも過剰な糖新生によって起こりますが、糖尿病の人に良く認められます。これは早朝にインスリンの基礎分泌量が下がってしまうためにやはり体が糖質不足を自覚して糖新生が起こるというものです。これも糖尿病の患者さんではよく認められる現象です。
これらの暁現象とソモギー効果ですが、糖質制限を行っている方でこれが以前よりも強く出るようになって問題となったという話を私は知らないのですが、どうなんでしょう?
糖質制限したらそれまでよりも早朝高血糖の程度がひどくなった、という方がいらっしゃったら教えていただければと思います。
長くなりましたが、「ソモギー効果」と「筋肉の糖新生による新陳代謝の減少」とはそのようなものです。
早速の、そして何より丁寧で解りやすいご説明有難うございました。私は現在幸いにもまだ糖尿病ではありませんが、予備軍であることは充分考えられます。減量を主眼に、健康を考えて始めた糖質制限ですが、今回のご回答により、大変有効な方法であるという確信を深めることが出来ました。不安も霧散しました!糖質を制限していても、たんぱく質と脂肪はしっかり摂って、筋肉を使う運動を行うようにすればダイエット効果も上がるということですね。
蒙を啓いていただきました。
ますださん
糖新生についてきちんと書いておかなくてはいけないと思っていたのでコメントへの回答を機会に記事も増えました、ありがたい質問でした。
糖質制限に運動もプラスすればかなり効果的です。
運動でお勧めなのがお風呂やトイレなどの水回りの定期的な掃除です。
お風呂のタイル磨きや、脱衣所の鏡の拭き掃除ってけっこう汗だくになりますよ。
換気扇の掃除やガスコンロ周りの掃除もいいですね。
家は綺麗になるし、家族にも感謝されます。
すると、糖質制限に家族も協力的になりますので(情けは人のためならずですね(笑))、お勧めです。
1日一食の、釜池式を、実践して、3日目に、朝83の血糖値が、夕方63に。これなら、昼少し食べるべきでしたよね。私は、10年位前から2型糖尿で、最高で、ヘモグロビンa1cが、13を、記録した事があります。重度の、糖尿患者ですが、薬を、避けたいから、釜池式で、頑張ろうと思ったのですが、なかなか、難しいですね。体が慣れるまで、だるかったりするのでしょうか。できるなら、一日一食で、頑張りたいのですが。63とかは、怖いです。私のすい臓は、壊れているのでしょうか?ちなみに、糖尿の父は、すい臓癌で亡くなりました。
>れもんさん
このブログの中でもあちこちに「糖質制限を始めて体調が悪くなった人」の話を書いています。そこに実際にいろんな読者の方からのコメントや考察もあります。できればそれらを参照してみてください。
釜池式は一番ハードな糖質制限なので、できる人とできない人に分かれると思います。できない人はもっと緩やかにやることが大事です。
気になることですが、2型糖尿病でも10年以上続いていてHbA1cが13だとすると、これまでに様々な薬を使用しているのではないかと思われます。現在も内服している薬がありませんか?
そうであるなら主治医にきちんと相談して糖質制限を実施してくださいね。薬によっては低血糖に陥り、極めて危険です。
参考にされている釜池先生の本にもそれは書いてあるんじゃないかと思うなので杞憂かとは思いますが、ねんのため。