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アルツハイマーは脳の糖尿病

今日は振替休日、久しぶりにふだん見ることのない時間帯のテレビをつけていたら、アルツハイマーと高血糖の話題について石原良純さんが触れていました。


1.アルツハイマーの原因となるアミロイドβの分解酵素のひとつはインスリン分解酵素であるIDEである。

2.一方、IDEの本来の働きはインスリンの分解であり、アミロイドβの分解は後回しにされる。

3.だから2型糖尿病の人や、食後高血糖の明らかな人など、インスリン分泌量が増えている人ではインスリン分解にIDEが消費されて、アミロイドβの分解が後回しにされて脳に蓄積されやすい。

インスリンとインスリン分解酵素.JPG

という三段論法のあの話です。

久山町で血糖値が高い人でアルツハイマー病罹患率が高いという観察結果とも合致しますね。


で、血糖が上がってアルツハイマー病になりやすくなるのを回避するにはどうすればいいのか?

それでそのコーナーの後半にかなり時間が割かれていました。

われわれ糖質制限実践者は、

「糖質食べる量減らせばいいじゃん。はい、おしまい。」

なんですが(笑)。


ケーキの画像.JPG

番組ではケーキの画像を出して、空腹時に甘いものを急激に食べるな、と言ってました。

うん、これはよい提言ではありますね。

甘いもの(糖質)として出すのではなくて、ほんとうはパンとかご飯の画像を出してほしかったのですが。


そしてその先ですが、食べる順番が重要であるとの説明につながります。

東京医大の先生に、それこそが重要だと説明してもらったという展開です。

食べる順番ですか.JPG

一生懸命に

「いかにして糖質(ごはん)を摂取しながら食後高血糖の上昇を抑えるか?」

ということの実験と説明を行っていました。


「ご飯を食べるのは日本人としての絶対条件」という相変わらずの固定観念で製作されてますね。

でも、予想通りの結果とよい提言も放送されていたので、ご紹介します。


テレビ番組でやった実験は、三人の健康な女性に食事を異なる順番で食べてもらって血糖値上昇を観察するというものです。

焼き魚定食.JPG

食べる順番は以下の二通り

1.サラダ→焼き魚→ごはん

2.ごはん→焼き魚→サラダ

です。


それぞれの血糖値測定結果が以下の図でした。

食後血糖変化.JPG

かなり良い効果ですよね、食直後のグルコーススパイク、ご飯から食べると平均値が150まで達しているのに対して、サラダからだとピークが遅れる上に、120以下に抑えられるというもの。

サラダから食べると血糖値の上昇のカーブがなだらかになり、食後高血糖が抑えられる、ひいては食直後の高血糖がない分、インスリンサージもないだろうというものです。


いつもながら、これは食後のグルコーススパイクへの影響を抑えるという面で見るとよい食べ方ですね。

糖尿病や糖尿病予備軍の人、あるいはほかの疾患で糖質制限が向いている人以外の方々が糖質を食べたいときにはこの順番で食べるのが良いでしょう。

糖質を食べることの危険性について周知するという意味でもよいお話でした。


しかし番組でちょっと気になったのがこの発言でした。

「わたしは焼き魚は必ずご飯と一緒に食べたいんですよね。」

ご飯と焼き魚たべたい.JPG

左の男性キャスターの方の発言。

アルツハイマーにならないように、ふだんの食生活からいかに注意するか、という趣旨のコーナーなのに、

最後に全部ぶち壊し。

ちゃちゃ入れて笑いを取ろうというものですけど、笑えなかったです。

残念でした(笑)。←笑いとられてるじゃん









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2013年11月 4日 10:32

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コメント(22)

カルピンチョ先生

テレビ番組といえば、昨年「ためしてガッテン」偶然を見ました。

http://www9.nhk.or.jp/gatten/archives/P20120926.html

アルツハイマー型認知症に関する説明でした。

インスリン分解酵素(IDE)がアミロイドβの分解酵素でもあり、血中インスリン濃度を下げることが肝要とのことで、「うん、なかなか分かってるではないか!」と思ってみてました。

それで、「炭水化物の摂取をできるだけ少なくしましょう」と担当医師が明確に仰っていて、分かってる医師もおられるのだと感心しました。

ところが、ですよ! こちらでは

http://www.dm-net.co.jp/calendar/2010/010227.php

糖尿病専門家たちは真逆の見解と言うか、「糖尿病=インスリン」ということから頭の中で凝り固まっている、としか思えない発想です。

日本○○○学会、あの「○脇○氏」が牛耳ってる限り、進歩は見込めません かも?・・・・

カルピンチョ先生

ブログ更新有難うございます。

私はこの番組見逃してしまいましたが、

アルツハイマー病の発症メカニズムの一端についてわかりやすく説明したという点では評価できますね。

「甘いものの食べすぎに注意」というのはこうした番組でわざわざ注意喚起せずとも、おそらくほぼ全国民の中に共通して存在する感覚でありましょう。

しかし「ごはん茶碗1杯150g」=「角砂糖約17個分の糖質(55.3g)」という事実についてはほとんどの人が知らないのではないかと思います。

せっかく高血糖とインスリンの害に注目していても、甘いものだけに注目しているようでは片手落ちであるように感じました。

また食べる順番療法についてですが、

ごはんを減らさずして食後血糖の上昇を抑えることができる方法として有用なので、私もどうしてもごはんを減らしたくない患者さんを中心に指導することはあります。

でもよくよく考えれば、これってしんどくないですか?

おかずだけ先に食べて、その後米だけ食べるという行為。

味付けの濃いおかずと一緒に食べてこそ、淡白な味である米のうまさは一層引き立つのではなかったでしょうか。

最後の男性キャスターの発言は、まさにそのことを象徴していると思います。

その、いわば軽いストレスがかかるような食事療法を、認知症の予防のため、生涯に渡って続けることが果たしてできるでしょうか?

私だったら、それは嫌です。

迷うことなく糖質の絶対量を減らす方法を選びます。

カルピンチョさん

日本の食品メーカーはご飯ありきで商品を作ってますからね。これだけ広告料が低迷してる中ではある程度のフォローもやむなしでしょう。キャスターも大方台本どうり喋ってるだけでしょうし。

血糖値変動が重要と言う概念を啓蒙するのは良いことですね。できれば甘い物だけじゃなくてしょっぱいポテトチップスやあられなどの危険性も言及してくれればとは思いますが。

まあ気長にいきましょう。

アルツハイマーで思い出したのですが、その原因についてだいぶ以前、アルミニウムが原因ではないかと取り沙汰されたことがありましたね。アルミ缶入りの清涼飲料水を習慣的に飲んでいる人は、缶の成分が飲料中に溶け出して、それがアルツハイマーの原因になるとか。ふと思い出して調べてみたら、Wikiにきちんと解説が掲載されていました(まず無関係)。

清涼飲料水を習慣的に、かつ多量に摂取している人はアルツハイマーになりやすい、これが統計的事実として(そういった傾向は、おそらく過去にも確認可能なレベルだったのかも)、その原因は容器(アルミニウム)に起因するものではなく中身(糖質)の問題だった、というオチのような気がします。糖質過剰摂取の弊害が、現象として認識されていたにもかかわらず、因果関係がきちんとは把握されていなかったということでしょうか。


今回ご紹介いただいたテレビ番組の内容、なかなか面白いですね。正直言って「食べる順番なんて単なる気休めに過ぎないだろう」と考えていたのですが、実際に食べる順番によって、食後血糖値に明確な差異が認められることを示すグラフは驚きでした。

3人の女性を被検体にしたということですが、ひょっとして、「とりわけ食べる順番によって変化が顕著な人をサンプルとして選んで、その結果をグラフにした」なんてことはないのでしょうね(笑)←性格がねじれた奴。

これは、「糖質の多い食事をしなくてはならないような状況(人付き合いの場面など)」で弊害をなるべく回避するためには、非常に有効なノウハウかもしれませんね(もっとも、そんな状況では、料理がコースで出てきて、食べる順番が選択できない、ということも往々にしてあるかと('_'))。


ふと、馬鹿なことを考えました。食べる順番で血糖値の上昇を抑える食事の一例(居酒屋にて)。
最初は野菜類
①ポテトサラダなんていいかも。他にはオニオンスライスとか、ああ、里芋の煮付けなんてヘルシーそう。
次にタンパク質系
②魚介類は健康にいいんだってね。じゃあ天ぷらの盛り合わせ。豚肉もいいんだってさ。じゃあ串カツも。
最後にご飯(でんぷん質)
③焼きおにぎりとかお茶漬け。お好み焼もいいね。ラーメン屋に場所を移してラーメンで締めるのもよし。

これで「食べる順番」によって血糖値の上昇を抑える食事内容コンプリート!!

はじめまして。
6月から3ヶ月ほど糖質制限をし、お腹まわりがスッキリしたので最近は糖質控えめ(朝食はお茶のみ、昼ご飯は糖質20gくらいのパンやご飯、夕食はご飯を軽く1杯食べたり食べなかったり、頂き物の甘いものは少しずつ食べる)という食事で維持しています(体重2キロ減で48キロ前後)。 
昼ご飯に糖質を食べると2時頃猛烈に眠くなる理由を知りたくてこちらに辿り着きました。いろいろな現象の理由を深いところまで追求していらっしゃるので大変参考になりました。眠くなるのは食後低血圧なのかなと思います。

今回、アルミとアルツハイマーの話題が出たのでちょっとお邪魔したくなりました。かなり古い話ですが、未だにこれを信じている人がいて先日もどこかで「アルミ鍋は危険」という記述を見かけました。一度インプットされたものはなかなか抜けないのですね。
清涼飲料水との関係もどこかで見た覚えがあります。糖質との関係がわかってやっと謎が解けた感じです。当時は誰も思いもしなかった理由ですね。

糖質制限すれば糖尿病は速やかに改善するのに専門医がそちらへ行かないのは
「今までやってきたことを覆されることに抵抗がある」
「専門家としての自分を否定される気がする」
「患者が減ると経営的に困る」
などでしょうか。

でも、糖質制限は人によっては結構難しいので、実践の指導(動機付けやさまざまな工夫)に専門性を見出せばいいし、いい仕事をして患者さんの信頼を得れば経営的にもうまくいくのではないかと思います。

研究者の方も、病気があったらそれを治す薬を考えるという方向でしか考えられないのでしょうね。「穴が空いたからと言って埋める」「ゴミを散らかしておいて、散らかったと言って掃除する」という風に見えてしまいます。
そもそも穴が空かないように、ゴミが散らからないようにするにはどうすればいいかを考えればいいのですが、そういう発想はないのですね。

糖質制限を巡るあれこれは単なる「病気の治療法」を超えていろいろなことを考えさせてくれます。

「アルミニウム悪者説」って、未だに亡霊のように生き残っているのですね。以前は結構センセーショナルに取り沙汰されていて、「当店ではアルミ製の調理器具は使用しておりません」なんて張り紙の出た飲食店があったことを覚えています。ま、アルツハイマー発症のメカニズムがかなり明らかになったおかげで、アルミニウムへの冤罪もほぼ解消されたのではないでしょうか(糖質の弊害が理解できない人は、まだまだアルミを悪者扱いし続けるかもしれませんがww)

アルミをマウスに投与するなんて実験をしていた方がいらしたんですね。これが学位論文がらみの研究だったら、「思うような実験結果が出ない」なんて、ご本人にとっては笑い話では済まない状況だったのではないかと。だけど、大学院では正・副3人の指導教授がつくと思うんですがその中の一人も「何かが変だ」とは思われなかったのでしょうかね(・・;)。その人の場合はたまたま全員が放任主義の教授だったりして(笑)。

普段スーパー糖質制限をしていて
1週間に1回くらいケーキやパンなど糖質を食べてしまっています。

先日OGTTをしましたところ、元々インシュリンの出るタイミングが遅く高血糖になってしまっていると言われていましたが益々遅くなってとうとう2時間値が200を超えてしまいました。
今後のアドバイスなどございましたらよろしくお願い致します。
肥満はありません。ずっと150cm45kgくらいです。インシュリン抵抗性もありません。

主治医からは炭水化物の摂取量に気を付けて1年後にOGTTをとの事でした。


【2013年11月】
       負荷前   30分   60分   90分   120分
血糖      76    193    243    223    224    
インシュリン 2.5    38.5   70.2    74.1   154.9

インシュリン指数 0.30
HbA1c(NGSP) 5.4


【2012年5月】
       負荷前   30分   60分   90分   120分
血糖      98    193    237    ---    159    
インシュリン 6.1    41.8   95.3    ---    93.5

インシュリン指数 0.38
HbA1c(NGSP) 5.5


【2010年11月】
       負荷前   30分   60分   90分   120分
血糖      89    188    211   164    186   
インシュリン 3.4    12.6   44.3   13.4    26.0

インシュリン指数 0.09
HbA1c(JDS) 4.9

早速のお返事ありがとうございます。

最初にOGTT受けたきっかけは、かかりつけ医に「傷の治りが悪いんですが何か栄養が足りないんでしょうか?」と相談したら食後高血糖かもしれないと言われ一般検診ではわからないからOGTTを勧められました。それが2010年。
インシュリンや投薬はしていません。
それから江部先生のブログを見つけて食後高血糖を防ぐために糖質制限と自費で自己測定を始めました。

前回2回はインシュリンの出るタイミングが悪いだけで多すぎるくらい出ているし抵抗性もなし。肥満なし。HbA1cも正常値。OGTT境界型って言うことで耐糖能異常という診断でした。
今回2時間値が200を超え糖尿型になりましたが抵抗性なくHbA1cも正常値なので耐糖能異常という事でいいでしょうとなりました。

そうです。「糖質制限しているからインスリン分泌能が落ちているのではないかしら?」と言う事も心配していました。
年令と共に膵臓の昨日も老化するのかとも考えています。現在46歳。

インスリン分解を制御する亜鉛をうまくインスリンにくっつけられない先天的な素因のある人が居るという情報は初めて知りました。ありがとうございます。
でも英語のページで読めませんでした^^;
亜鉛のサプリメントを摂るっていうのは有効でしょうか?
摂ってもくっつけられないんだったら同じなのでしょうか。

連続投稿失礼します。

私関西なんですが新宿溝口クリニックには新宿まで溝口先生の診察を受けに行ったことがあります(*^^*)

その後1年ほど遠隔で血液検査のデータを送り電話診察を受けサプリの処方を受けていたのですが数値の改善がはっきり出なかったのと金銭的なこととでやめてしまいました。

今回の主治医にも2時間でインシュリンが極端にたくさん出ているので3時間後以降に低血糖になっていたと思いますと言われました。

お忙しいのに丁寧なお返事ありがとうございました(*^^*)

50歳男性です。
アルツハイマー予防のために糖質を制限しようかと思っているんですが、痩せ体質なので躊躇してしまいます。
皆さん糖質制限食で体重を落とされているようなので。
糖質を制限しながら、かつ体重を増やす、または維持することは可能なのでしょうか?

実は懐石料理のスタイルは理にかなっているのかも。
最初にお刺身や季節の野菜料理、御猪口2~3杯くらいのお酒を入れて最後に炊き込みご飯を頂くという形。

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したがって、読まれた方の立場次第では、その記事では自分の存在を無視されているように感じる、配慮が足りないと感じられる記載内容があり得ます。
その場合、その記事はほかの人に向けられた記事であると、スルーしていただけたらありがたいです。

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