インスリンは脳細胞にも作用して食欲をコントロールする
以前にインスリン受容体の発現が筋肉や脂肪以外の様々な場所で認められるという記事を書きました。
あのときには副腎、卵巣などの内分泌系および血管内皮などの循環器系の組織や細胞での発現が高いことについて書きましたね。
だから、薬でインスリンの分泌を誘導したり、インスリン製剤を注射するときにはそれらの組織への副作用が及ぶことの危険性について説明しました。
インスリン受容体の発現は筋肉や脂肪だけではない
http://xn--oqqx32i2ck.com/review/cat29/post_269.html
さて、今回はNature Communicationsという雑誌に発表された論文のご紹介です。
実はインスリン、脳にもダイレクトに作用するというお話です。
ちょっとこの図をご覧ください、これは前回の記事でも使用したものですが、インスリン受容体がどのような組織で発現しているのかという図です。
下の方に水色の部分がたくさんあって、そこでもそこそこのインスリン受容体の発現が認められます。
脳の様々な場所別でのインスリン受容体の発現で高い部分が散見されます、つまり、脳にもインスリンがダイレクトに働きかけることを示唆しています。
では、脳に働きかけるインスリンは何をしているのか?
それを人間の被験者で実験したのがこの実験です。
人体実験ですが、侵襲性は非常に低いです。
これは画像診断技術が発展したことから可能となりました。
インスリンを投与して、その時の脳の働きをMRIで観察するというものです。
まずは雑誌のサイトでの紹介記事を載せますね
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【神経科学】食べ物に対する脳の応答をインスリンが変える
http://www.natureasia.com/ja-jp/ncomms/pr-highlights/12036
Nature Communications
2017年7月19日
Neuroscience: Insulin changes the brain's response to food
鼻腔スプレーでインスリンを投与されると、同じ食べ物が以前ほどおいしく感じられなくなり、この効果に伴って、報酬処理に関与し、通常、食物と関連した快楽応答に関係する脳領域の活動が低下することが判明した。この研究結果を報告する論文が、今週掲載される。
今回、Stefanie Brassenたちの研究グループは、一晩絶食した48人の参加者に空腹感の程度を自己申告させ、その後両方の鼻孔にインスリンまたはプラセボを投与した上で、食品の写真を見せて、どの程度おいしそうに感じられるかを評価させ、その評価を行う参加者の脳を機能的磁気共鳴画像法(fMRI)で撮像した。それぞれの参加者に対しては、インスリンでの実験とプラセボでの実験の両方が実施された。インスリンに対する感受性が日常的に高い者がインスリンの投与を受けた場合には、プラセボを投与された場合よりも食品が魅力的に感じられなくなり、食事や食品と関連する報酬を処理する脳領域の活動も低下していた。このような結果は、インスリン抵抗性を示す(が糖尿病ではない)参加者には見られなかった。おいしそうな食品と感じるかどうかの主観的評価も脳内の報酬もインスリンの投与によって影響を受けなかったのだ。
以上をまとめると、今回の研究結果では、脳内で食物と関連する報酬が処理される仕組みがインスリンによって変化し、食べ物が以前ほどおいしそうに感じられなくなることが示唆されている。また、インスリン抵抗性を示す者の方が魅力的な食べ物を我慢するのが難しい点については、今回の研究で分かった効果がインスリン抵抗性を示す者に生じないことが1つの理由になるかもしれない。
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どうですか?
わかりにくいでしょ?(笑)
簡単にまとめますと、
1.糖質などを食べてインスリンが放出されると、インスリンは脳にも作用して、食欲を下げる。
2.だけど2型糖尿病の予備軍の人たちではその効果が見られなかった。
3.(だから食欲が止まらなくて太るのかもしれないね。)
というお話です。
ということで、インスリン抵抗性がある(高い)と食欲も止まらなくなる
つまりインスリン抵抗性は脳においても問題を引き起こしているというものですね。
やはり病的に上昇したインスリン抵抗性は下げておく方が良いわけです。
どうすればいいかというと、肥満の人はまず痩せること。
(これはどんな手段で痩せても効果はあります。)
肥満でなくてインスリン抵抗性が高い人は、糖質摂取を極力減らすことです。
やるべきことはいつも同じなんですけどね、簡単にご紹介でした。
おはようございます
論文・・
本当にわかりにくい・・と言うか、わからなかったです・・(^-^:
わかり易くまとめて下さって有難うございました^^
あたしは糖尿病ではありませんが
「肥満でなくてインスリン抵抗性が高い人」だと自覚しています
糖質制限はとても効果があって、糖質中毒からすっかり解放され
嬉しく思っています^^
カルピンチョ先生
今回の記事、大変興味深く読ませていただきました。
>ということで、インスリン抵抗性がある(高い)と食欲も止まらなくなる
・・まったく逆に考えておりました。
食欲が止まらなくなるのでインスリン抵抗性が生じる・・です。
食欲に関しては、カンナビノイドの関与がいくつか報告があったとおもいます。
カンナビノイド受容体にはCB1とCB2があり、CB1は主に中枢神経系に多く存在し、CB2は免疫系細胞にあります。
欧米では末期ガン患者・抗がん剤治療中患者の食欲増進のため、外因性のカンナビノイド(どんなものかはとりあえず伏せておきます・(笑))使用が副作用なしで有効なことが知られています。
さなざまな疾患の原因に内因性カンナビノイドシステムの異常ではないか?(外因性カンナビノイド摂取で多くの疾患に有効なことが古くから民間・補完治療で分かっている)というような仮説を立てての研究もすすんでいるようです(欧米での話で日本ではこの研究は不可能です)。
「食欲」に関しては非常に奥の深い課題だと思っています。
>みいさん
インスリンが脳に作用する話としてはこんなのもありました。
Insulin enhances striatal dopamine release by activating cholinergic interneurons and thereby signals reward
Nature Communications 6, Article number: 8543 (2015)
doi:10.1038/ncomms9543
https://www.nature.com/articles/ncomms9543
こちらは
1.インスリンが線条体に作用して最終的に側坐核でのドーパミン分泌を増幅する(つまり快感増強に働く)こと
2.高カロリー食を食べさせ続けるとそれが抑制されること
がわかっています、2015年に出たよく似た話ですね。
ただしこちらはラットの実験なので、その意味で、今回は人間で似たような作用が確認された部分が大きいです。
>あたしは糖尿病ではありませんが 「肥満でなくてインスリン抵抗性が高い人」だと自覚しています 糖質制限はとても効果があって、糖質中毒からすっかり解放され 嬉しく思っています^^
・・・これですよね。ばっちりです。
>Yamamoto_maさん
>まったく逆に考えておりました。 食欲が止まらなくなるのでインスリン抵抗性が生じる・・です。 中略 「食欲」に関しては非常に奥の深い課題だと思っています。
・・・先のコメントへの返信でラットでの実験について書いておりますが、空腹でインスリンが正常に作動すれば側坐核に向けてドパ娘ちゃんがほとばしる、でも高カロリーだとインスリンでドパ娘ちゃん出ない。
インスリン抵抗性が上がればインスリン受容体からのシグナルがうまく作動しないのは同じですが、抑制系に作動するシグナルか、促進系に作動するシグナルかで効果はまた変わってくるでしょうし、ほかにもインスリン受容体の発現場所は脳内のあちこちにあるし。なかなかわけわかんないですよね。
> カンナビノイド受容体にはCB1とCB2があり、CB1は主に中枢神経系に多く存在し、CB2は免疫系細胞にあります。 欧米では末期ガン患者・抗がん剤治療中患者の食欲増進のため、外因性のカンナビノイド(どんなものかはとりあえず伏せておきます・(笑))使用が副作用なしで有効なことが知られています。
・・・伏せのご配慮ありがとうございます(笑)
どうしても日本ではカンナビノイドへのハードルが高いですよね、モルヒネでさえも有用性が浸透するのに長い時間がかかりましたからね。慎重な国民性。でも外圧には弱いからいずれ(笑)。
カルピンチョ先生、暑中お見舞いもうしあげます。
ところで、ご本名でメジャーどころに記事を書かれるときには、是非こちらのブログでも告知をしていただけるとありがたいです。
よろしくご検討ください。
http://news.livedoor.com/article/detail/13360604/
>カイゴロンさん
ご提案ありがとうございます。
対応について検討させていただきます。('◇')ゞ
今回は食欲についての考察ですが、性欲とインシュリンの関係もありそうな気がしています。
糖質制限を始めて5年目のしろうとの単なる実感なのですが、ムラムラが少なくなってきたような気がします。
>仙人さん
>糖質制限を始めて5年目のしろうとの単なる実感なのですが、ムラムラが少なくなってきたような気がします。
・・・おそらく、ですが、糖質制限する前は、毎食毎食高血糖の快感で報酬系がたくさんのドーパミン刺激にさらされ続けていて、それが性欲に関しても影響していたのではないかなと思います。
しょっちゅうドーパミンが出て、常時、必要以上に興奮していた状態なのかなと。
すべてのことに関して「欲望」が常時刺激されていた、と。
それが消えて静穏な状態になるのが糖質制限なんだろうなと思います。
カルピンチョ先生
コメントありがとうございました。
1年前から週末を除き、一日一食で問題なく生活出来ることがわかり、先生のおっしゃる「必要以上の興奮が不要な食欲を作っていたこと」を実感しています。性欲については最近になって気がついたので、禁欲の実験日数は浅いです(苦笑)。
日本の場合、仏教の殺生戒の影響が強く、肉食はタブーであるけれども穀食についてはタブーとされてきませんでした。
この点、中国の道教は穀食が人体に悪影響を及ぼすことに早くから気がついて、穀食忌避の思想(辟穀)を中心にした養生体系(健康法)を追求してきたことから、道教の養生体系がもっと脚光を浴びてくれればよいなあと考えています。
>仙人さん
>中国の道教は穀食が人体に悪影響を及ぼすことに早くから気がついて、穀食忌避の思想(辟穀)を中心にした養生体系(健康法)を追求してきた
・・・そうなんですか!
知りませんでした、勉強してみます、ありがとうございます。
>性欲については最近になって気がついたので、禁欲の実験日数は浅いです(苦笑)。
・・・いえいえ、興味深いコメントありがとうございました。
辟穀の話題が出たので、お邪魔いたします。
中国では古くから、不老長寿(不老不死)を目指す様々な道教の修行法があり、その一つが辟穀という穀類の摂取を避ける行法でした。
道教の不老長寿法(法術)の中には、呼吸法や按摩、鍼灸と並んで、丹薬(水銀化合物)の服用https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%8C%AC%E4%B8%B9%E8%A1%93などという、到底不老長寿は不可能であろうやり方も説かれてはいるのですが(中国皇帝の幾人かがこの丹薬服用にはまり、健康・精神を損なったことが知られています(-_-;))、穀類の摂取を避け、代わりに堅果類などを食べることで、不老長寿を目指すという方法は、たしかに農耕の歴史の長い中国で見出された経験知から学んだ健康法であっただろうと思います。
この「辟穀」から影響を受けて成立したのではないかと思われる仏教の修行法が、「木喰行」と呼ばれるものです。五穀・十穀を食べず、木の実(堅果)などを主に食べるというこの木喰行は、真言・天台・修験などで実践され、その行を実践した人々が「木喰上人」と称されました。
木喰上人の中で、著名なのは「木喰の微笑仏」で知られる木喰明満https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9C%A8%E5%96%B0でしょうか。全国を行脚しつつ、92歳の最晩年まで精力的に多数の仏像を彫り残した人物です。
その他の代表的な木喰上人としては
行勝(1130-1217)
木食応其(1536-1608)
弾誓(1552-1613)
快元(1573-1624)
木食白道(1555-1862)
等々。総じて長命ですね。
木喰明満についで有名なのは、木食応其でしょうか。豊臣秀吉の紀州攻めに際し、秀吉と交渉して高野山を戦火から守ったことで知られています。
木喰行に関して、一般には一つ誤解があるようです。それは、五穀断ち・十穀断ちは、即身仏(ミイラ)になるための準備段階、というものです。この誤解が生じた原因は、即身仏で有名な鉄門海上人https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B3%A8%E9%80%A3%E5%AF%BAが、木喰行を行っていたことによるのではないかと思われます。しかし、木喰明満などの生涯を見ても「木喰行」は、かならずしもミイラになるための手段ではなかったと言えるでしょう。
木喰行では実際に何を食べていたか、今日では正確にはわからないようですが、堅果類(ナッツ)・山菜・木の皮などを主に食べていたとされています。
近代以前に日本列島で入手できるナッツ類、と考えてみると(マカデミアナッツだのアーモンドは多分ありえない)、まずはクルミでしょうか。それ以外に何があるかと考えてみると・・・。
「松の実」という食材がありました。成分を見たら
タンパク質15.8%、脂質・68.2%。
糖質制限食材としては素晴らしいものではないですか。松なんて国内どこでも植生してるし、と思ったら・・・
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9D%BE%E3%81%AE%E5%AE%9F
アジア圏では、食用に適するのは、チョウセンゴヨウという種類の松に限られるようです。
その他には「榧の実」があります。あく抜きしないと食べにくいようですが、成分は
タンパク質8.7%、脂質・64.9%。
これもなかなかいい食材です。飢饉に備えて榧の栽培を奨励してした地域もあったようです。
あと、木の皮ですが、「そんなもの、食べられるのか」と思っていたんですが、どうも飢饉のときには、特に松の木の表皮の下にある生皮も食べられていたようです。ということは、
どうやら、木喰行とは「糖質制限の観点からしても、その当時において健康長寿の望ましい食のパターンだったのである」と思われます。
この木喰行に限らず、実は五穀断ちを伴う修行法が、色々あるようです。
たとえば、空海が最初に密教に触れ、室戸岬で実践したとされる「虚空蔵菩薩求聞持法」は、行法中五穀断ちする習わしとなっているそうです。
聞いた話では、最近では行場にミックスナッツを持ち込んでこの行法をおこなっているとかw。
虚空蔵菩薩求聞持法は、記憶力を驚異的的に高めると言われていますが、もしかしたら、五穀断ちによってケトン代謝を誘発することによって、脳の機能を高めていたのではないか、などと想像してしまうのです。
Toshiさん
いつもながら知識豊富すぎです(;^ω^)。
また改めてお返事しますね。
>Toshiさん
詳しい面白い話をありがとうございました。
>中国では古くから、不老長寿(不老不死)を目指す様々な道教の修行法があり、
>道教の不老長寿法(法術)の中には、呼吸法や按摩、鍼灸と並んで、丹薬(水銀化合物)の服用https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%8C%AC%E4%B8%B9%E8%A1%93などという、到底不老長寿は不可能であろうやり方も説かれてはいるのですが(中国皇帝の幾人かがこの丹薬服用にはまり、健康・精神を損なったことが知られています(-_-;))、
・・・なんでそんなことが不老長寿につながると考えられたのだろうと思って調べたら、
金が加熱しても性質が変わらなかったり、水銀の合金が加熱処理すると再び水銀がとり出せることなどから、
「金や水銀は永遠に変わらない=不老不死」
という発想だったみたいですねえ。
ヨーロッパの錬金術の場合も金を追い求めつつ、不老長寿の秘密にも迫ろうとしていたので発想は同じかもですが、あちらの方が命ではなくて金への欲求が強かったのが幸いしたんでしょうね。おかげでブランデーが発明されたのには感謝ですww
>不老長寿(不老不死)を目指す様々な道教の修行法の一つが辟穀という穀類の摂取を避ける行法でした。
>穀類の摂取を避け、代わりに堅果類などを食べることで、不老長寿を目指すという方法は、たしかに農耕の歴史の長い中国で見出された経験知から学んだ健康法であっただろうと思います。
・・・中国の農耕の歴史の中で何があったのかなと思いましたが、基本的には仙人になるためには人里を離れて山ごもりですから、農耕の産物である穀物を離れることがともかく精神修養には持って来いだというのが経験的にわかっていたのですね。
>この「辟穀」から影響を受けて成立したのではないかと思われる仏教の修行法が、「木喰行」と呼ばれるものです。
>五穀・十穀を食べず、木の実(堅果)などを主に食べるというこの木喰行は、真言・天台・修験などで実践され、その行を実践した人々が「木喰上人」と称されました。
・・・ここから、知りませんでした。木喰応其ってそういう食生活だからそうよばれてたんですね(;^ω^)。
単に変わった坊さんだからそんな名前になったんかいなとおもてました(;^ω^)。
>木喰行では実際に何を食べていたか、今日では正確にはわからないようですが、堅果類(ナッツ)・山菜・木の皮などを主に食べていたとされています。
>近代以前に日本列島で入手できるナッツ類、まずはクルミでしょうか。
>それ以外に「松の実」がありました。成分を見たら タンパク質15.8%、脂質・68.2%。 糖質制限食材としては素晴らしいものではないですか。
>その他には「榧の実」があります。成分は タンパク質8.7%、脂質・64.9%。 これもなかなかいい食材です。飢饉に備えて榧の栽培を奨励してした地域もあったようです。
>あと、木の皮ですが、「そんなもの、食べられるのか」と思っていたんですが、どうも飢饉のときには、特に松の木の表皮の下にある生皮も食べられていたようです。
・・・くるみ、松の実、榧の実、どれもいいですね。栃の実も?
でも、おっしゃるように木の皮は食べれるイメージがなかなかわかないです(;^ω^)。
カムイ伝で木の皮食べてるのもニホンザルか鹿だしなあ。←
>ということは、 どうやら、木喰行とは「糖質制限の観点からしても、その当時において健康長寿の望ましい食のパターンだったのである」と思われます。
>この木喰行に限らず、実は五穀断ちを伴う修行法が、色々あるようです。
>たとえば、空海が最初に密教に触れ、室戸岬で実践したとされる「虚空蔵菩薩求聞持法」は、行法中五穀断ちする習わしとなっているそうです。 聞いた話では、最近では行場にミックスナッツを持ち込んでこの行法をおこなっているとかw。
>虚空蔵菩薩求聞持法は、記憶力を驚異的に高めると言われていますが、もしかしたら、五穀断ちによってケトン代謝を誘発することによって、脳の機能を高めていたのではないか、などと想像してしまうのです。
・・・ケトジェニック・ハイの状態ですね。
千日修業にしても基本的には絶食、あるいは食事からの糖質をほぼ断ってケトン体+最低限の糖新生で生きている状態ですよね。
ケトン体中心で脳を動かすからこそすっきりといろんなことが考えられる。
(もちろん、腸内細菌から吸収するアミノ酸や長短さまざまな脂質もそれをサポートする大事な栄養素なんでしょうけど)
断糖肉食とか、低糖質食+間歇的ファスティングという、最近になってはやっている食事方法も、その頃から求道者の間では良く知られた方法だったのかもしれませんねえ。
面白いです。
こんにちは。
初めてコメントさせていただきます。
昨年10月糖尿病の診断が下り(Hba1c11以上でした)、エクメット投薬と緩い糖質制限での血糖コントロールで、ここ8カ月程はHba1c6,0前後で落ち着いてきた、アラフィフの女性です。
以前から時々、先生のブログを拝見していて、色々と興味深く、また、参考にさせていただいております。
今回、コメントで堅果類のことが話題になっていて、一つ引っかかってしまった部分があり、初めてコメントさせていただきます。
日本国内で、古来からの食用の堅果類といえば、くるみと並び、真っ先に栗が浮かぶのですが、お二人のやりとりには栗が出てこなかったことに、少し違和感を感じてしまったのです。
栗は堅果類の中ではかなり糖質が多い(逆にクルミはナッツ類の中でも低い)ので
、意図的に挙げなかったのでは、と。
糖尿病発覚以来、色々と糖質制限についての賛否それぞれのブログ等を読むようになったのですが、とにかくお互いへの否定コメントが多く、我田引水で極端な意見・攻撃になっているブログが数多く存在しているため、ついつい色々な意見についても、まず懐疑的な見方をしてしまう癖がついてしまっているようです。
もちろん、先生のブログの内容が、そうだとは思っておりませんが、そうであるからこそ、栗について、お話の中に出てこないのは、読む人(特に糖質制限に懐疑的な人)に、都合が悪いことには触れていない、という印象を与えてしまう可能性があっては残念なことだと思い、僭越ながらコメントさせていただきました。
もちろん、主に食した堅果類の一つが栗があっても、主食のように量を食べるわけでもなく、そもそも修行僧であれば、食物全体の摂取量自体が少ないことでしょうし、さらに運動量も現代の私達とは違いますから、木喰が低糖質食と考えられるのは、何ら変わりが無いと、私個人は考えております。
お仕事でお忙しい中、いつもためになるお話をありがとうございます。
今後も先生のブログを楽しみにさせて頂きます。
長文失礼いたしました。
>お肉嫌いさん
コメントありがとうございました。
読んでびっくりしました、そんな風に受け取られる方もいらっしゃるのですね。
まず第一に抑えておいてほしいことは、栗というのはドングリの一種だと私は考えていますし、Toshiさんもおそらくそうだということです。
何の打ちあわせもせずに普通にやり取りしているだけなのですが、彼もそのように思っていると思いますよ。
また、栗とドングリの栄養比率をググって調べたので以下にしまします。
ドングリ http://calorie.slism.jp/105020/
どんぐりのカロリーは40g(10個)で101kcalのカロリー。どんぐりは100g換算で252kcalのカロリーで、80kcalあたりのグラム目安量は31.75g。炭水化物が多く23.04g、たんぱく質が1.28g、脂質が0.32gとなっており、ビタミン・ミネラルではビタミンCとマンガンの成分が高い。
栗 http://calorie.slism.jp/105010/
栗のカロリーは13g(1個)で21kcalのカロリー。栗は100g換算で164kcalのカロリーで、80kcalあたりのグラム目安量は48.78g。炭水化物が多く4.8g、たんぱく質が0.36g、脂質が0.07gとなっており、ビタミン・ミネラルではマンガンと銅の成分が高い。
となってます、よく見てください、ドングリの方が重量当たりのカロリーも高ければ、炭水化物の含有量も高いです。(栗の数値は13gあたり、ドングリは40gあたりなので、栗を3倍にして考えてみてください。)
ということで、お肉嫌いさん、我々は意図的に栗を外したわけではありませんし、そして栗よりもドングリの方が糖質含有量はむしろ高いこと、ご了解ください。
というか、コメントをお書きになる前に、栗とドングリの糖質量の比較ぐらいはご自分でなさって考えて見られてはいかがでしょう、簡単にできることですし。
お肉嫌い様。カルピンチョ先生。
私のコメントで必要な情報が欠けていたために、誤解が生じてしまったようで、まず、お詫び申し上げます。
『木喰行』の上で必須条件の一つに「火食」を避ける、すなわち、加熱調理した食材は食べない、という条件があります(これをきちんと記述するべきでした。うっかり書き忘れていました)https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9C%A8%E9%A3%9F
栗も、当然五穀以外の堅果類として、候補に上がる食材ですが(一応成分はチェックしました)、たんぱく質・脂質は非常に少なく、大半がデンプン質である、ということから考えると、加熱調理(焼栗・茹で栗等)しなかった場合には、その主成分はβデンプンであり、普通の消化吸収では、栄養素として有効には利用できないであろうと思い、栗は除外したのです。
もしかしたら、「生の栗」も食べていた可能性はあるかもしれません。ビタミン・ミネラルの補給源としては役立つかもしれませんが、糖質の摂取源としてはほとんど役立たなかったのではないかと想像します。
五穀断ち・十穀断ちで、具体的に何がOKで何がNGであったか、実は木喰行という行法そのものが、今日では完全に伝統が途絶してしまい、その詳細がわからなくなっているのが現状のようです。先のコメントで書き方が不充分であったためにご迷惑をおかけいたしました。ご容赦ください。
お肉嫌い様。>ついつい色々な意見についても、まず懐疑的な見方をしてしまう癖がついてしまっているようです。
各種情報に接する上で、とても大切なスタンスだと思います。おかげさまで、大事な情報の抜けたコメントを投稿していたことに気づかせていただきました。お礼申し上げます。
>Toshiさん
コメントありがとうございました、お肉嫌いさんが問題の本質としていた部分を私、理解していませんでした、フォローありがとうございます。そしてお肉嫌いさん、ごめんなさい。
>栗も、当然五穀以外の堅果類として、候補に上がる食材ですが(一応成分はチェックしました)、たんぱく質・脂質は非常に少なく、大半がデンプン質である、ということから考えると、加熱調理(焼栗・茹で栗等)しなかった場合には、その主成分はβデンプンであり、普通の消化吸収では、栄養素として有効には利用できないであろうと思い、栗は除外したのです。 もしかしたら、「生の栗」も食べていた可能性はあるかもしれません。ビタミン・ミネラルの補給源としては役立つかもしれませんが、糖質の摂取源としてはほとんど役立たなかったのではないかと想像します。
・・・なるほど、そこまで微細に考えて(私の場合は無知なので調べて)返答すべきでした、丁寧にありがとうございます。
・・・お肉嫌いさん、いい加減な返信で大変失礼いたしました、木喰の修業の中にしいの実などのドングリは入っていたつもりでおりました、確認せずに申し訳ありません。