日本人はでんぷんを食べるのに適した遺伝子を持っている?アミラーゼのコピー数の違い
アミラーゼという消化酵素に関してはここでもちょっと触れたことがあると思います。
アミラーゼは唾液の中、あるいはすい臓から分泌されるすい液の中に含まれる消化酵素で、食物に含まれるデンプンをオリゴ糖にしてしまうものです。
例えばダイエットに効果的であるとされる白インゲン豆の中に含まれる酵素はアミラーゼの機能を阻害するために、でんぷん質の分解が阻害されて、消化管での糖質吸収が妨げられるというわけです。
「人間は糖質を食べるべき生物である!それは唾液腺の中にアミラーゼが含まれていることを見ても明らかである!」
そう主張される方々もいらっしゃいますね。
そのことに関してはもう一つ別の記事で触れてみます。 ⇒準備中 マウスとヒトのアミラーゼ
さて、この唾液腺におけるアミラーゼの分泌量に、人種、というか主食としている食品栄養構成によって差が見られる、ということがあったとしたらどうでしょうか?
たとえば、「日本人は唾液腺アミラーゼの発現量がヨーロッパ系の人に比べて非常に高い」、そういうデータがあったとしたら?
「日本という国の開闢依頼、神代の時代から、日本人はお米を食べてきて、体がそれに適応しているのだから糖質制限は向いてない!」
と主張されている方々であれば、飛びつきそうなデータ、というかそのぐらいの根拠は示してほしいですよね。
実は、それに近い科学的なエビデンスがありました。(^_^;)(^_^;)(^_^;)
日本人が「既に穀物食いに適応しつつある人類集団の一つ」であるのは間違いないようです。
でも、これが日本糖尿病学会の主張に塩を送る話になるのかどうかはよく読んでくださいませ。
さて、いきなり、その論文に行きます。
2007年にNature Gneticsに発表されていた以下の論文です。
Diet and the evolution of human amylase gene copy number variation
George H. Perry et al.,
Nat Genet. 2007 October ; 39(10): 1256-1260.
Starch consumption is a prominent characteristic of agricultural societies and hunter-gatherers in arid environments. In contrast, rainforest and circum-arctic hunter-gatherers and some pastoralists consume much less starch.
This behavioral variation raises the possibility that different selective pressures have acted on amylase, the enzyme responsible for starch hydrolysis.
We found that salivary amylase gene (AMY1) copy number is correlated positively with salivary amylase protein levels, and that individuals from populations with high-starch diets have on average more AMY1 copies than those with traditionally low-starch diets.
以下略
アミラーゼ遺伝子のコピー数が、人種というか、地域や集団によって大きく異なるという報告です。
日本人を含んで、穀物を主食としてきた農耕民族ではアミラーゼのコピー数が多くて、機能的蛋白としての発現量も高い。
それに対して、エスキモーなどの狩猟採集生活をずっと続けてきた低糖質生活を続けてきた人々では明らかに少ないというのですね。
具体的なデータはこれらのグラフに集約されています。
高デンプン食集団と低デンプン食集団のアミラーゼコピー数分布
複数の人種におけるアミラーゼコピー数比較
日本人やヨーロッパ系アメリカ人などの、コメや小麦を主食として数千年暮らしてきた人達の唾液腺アミラーゼの発現量は、エスキモーなどの、狩猟採集生活を続けてきた低糖質生活を送る人たちに比べれば、40%ほど高いというのです。
つまり、自然の中で生きるのではなくて、農耕を食料獲得の主軸として生きるようになった人たちの遺伝子配列は既に「でんぷんを食べること」に適した遺伝子変化を始めていた。
ということになります。
面白いことに、日本人とヨーロッパ系アメリカ人を比較した場合、ヨーロッパの人の方がアミラーゼのコピー数は多いようです(図のグラフで言えば一番右寄りにあります、統計学的に優位な差なのかどうかはよく読んでませんけどw)。
日本糖尿病学会の主張とは逆に、日本人よりもヨーロッパ系の人たちの方が、よりデンプン食に適した遺伝子配列を持つ人類集団であるということになります。ww
アメリカ糖尿病学会でも、イギリス糖尿病学会でも糖質制限を短期間は認めているけれども、日本人はコメを主食とする特殊な伝統文化を持ってるから違うのだ、同じに考えてはダメだ、という、日本糖尿病学会の公式見解で展開された主張が思いっきり非科学的な根拠に基づいている、それがこの論文を読むことで明らかになったというわけです。www
この論文を発見して私、かなりびっくりしました。
日本人がコメを主食として食べるようになったのが最近数百年のことだから、まだまだ「ご飯を食べる」ことに適した遺伝子変化なんか起きてないだろう。
1万年ぐらいかけても集団全体の数%にしかその変異の普及は及ばないに違いない、日本人が米食いに特殊化した集団になるには今から数万年後だ。
そう思っていたのですが、数千年というスパンで見ると、食物に適応した遺伝子変化が既に、集団の中に反映されていたのですね。
人類は数千年(から一万年前)に農耕という手段を手に入れて以来、「消化に必要なコピー数の増加した個体が有利に生き残った」という選択過程を経て、急速に「糖質摂取に適した遺伝子変化」を取りつつあると思われます。
非常に速いスピードで、人類の「ゲノムレベルでのでんぷん摂取への適応」は進行中だというわけです。
大腸菌などを用いた遺伝子変異の実験報告から導き出された理論などを元に、私が思っていたよりも数倍速いです。
ただし、アミラーゼはコピー数の個人差が大きい遺伝子として古くから知られていたということですから、それがもっとも明確に現れた例であり、他の遺伝子にはあまり大きな差は見られないのかもしれません。
(コピー数の変化であって遺伝子変異の増加ではないというところも考慮すべきなのですが、そこには触れません、遺伝学は説明しだすと私自身もワケワカメになるから(笑)。)
どうしてこのような遺伝子変化の濃縮が、予想をはるかに超えるスピードで進行したのでしょうか?
これは狼が犬になった変化を見ていてもわかりますが、 ⇒記事準備中
その主な理由は、食糧危機とそれへの適応と選抜にあったと思います。
地球は現在、寒くはない時期ですが、人類が生まれて以降、何度も小氷河期が訪れています。
その度に、我々人類の祖先は食糧難に見舞われ、少ない食料で必死に生き延びてきたはずです。
農耕を主体として、穀物を備蓄できるようになったとしても、寒い夏が来ればその年は不作になる、小氷河期はそれが何年も続くので、穀物不足の飢饉が起こりますよね。
それを乗り越えることができるのは、集団として対応策に優れていた人たちか、そしてその中にあっても、省エネ体質を持った人たちです。
たとえば、日本人を含むモンゴロイドが持っている省エネ体質として、基礎代謝に関わる遺伝子の突然変異が有名ですね。
「肥満遺伝子」としてその検査の商売もあるようですが、その遺伝子変異があると基礎代謝量が低くなるので、生きていく上での最低カロリー摂取量が少なくて済むというものです。
これは食糧不足にしばしば陥るような時代であれば生き延びる上で有効ですが、現代のように飽食の時代にあっては、基礎代謝の高い人と同じペースで食べるとエネルギーが余るので肥満に結びつくという厄介なものですね。
これと同じ変化として、ヨーロッパ人でもアジア人でも、「農耕民族における唾液腺アミラーゼコピー数の変化」が起こっているものと思われます。
食糧危機の時に、同じ量の澱粉を食べた時に、唾液腺のアミラーゼの発現量が多い人のほうがたくさんの澱粉をオリゴ糖に分解できるので、糖質として効率よく吸収できるということになります。
天候不順による穀物不作の時に生き延びる可能性が高くなるわけですね。
そういうセレクションが、数千年前から農耕を主体として定住してきた人々のあいだでは積み重ねられてきたということになります。
ヨーロッパ人も日本人もエスキモーに比べれば、アミラーゼの量がかなり多いのです。
ということは、口の中で澱粉がオリゴ糖に変わるスピードも早く、穀物を噛むことで感じる甘味を感じる能力も高いということになります。
「米を主食とする日本人は、欧米人に比べれば糖質制限の持続が困難であると思われる。それは米を食べてきた日本人の伝統であるから仕方がない。」
そういう意見がただの「妄想」でしかないことがこのアミラーゼ発現を見てわかりますね。
むしろ、あえていえばヨーロッパ系の人の方が日本人よりもデンプンを消化する能力が高く、甘味を感じる能力も高い、挫折する確率も高いだろう、ということになります。
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個人差というのは恐ろしいもので、アミラーゼのコピー数が図抜けて高い人もいて、日本人ではコピー数が11個という人までいたようです。
(もちろんエスキモーの集団の中にも図抜けて高い人はたまにいます。)
そうなってくると、ご飯を食べてもパンを食べても、普通の人の2倍、下手したらそれ以上の甘味を感じてしまうわけですね。
「あたし、ごはん食べるの止めるのだけは無理、生きてる意味がないわ。」
というぐらい、糖質の甘味に魅せられてしまう人がいるのもなんかわかるような気がしてきました。
糖尿病ではないのだけれども、糖質制限でダイエットしようとして、挫折しちゃったあなた。
一度は痩せたんだけど、辛くてまたご飯食べ始めたら止まらなくなってぷくぷく太りだしたあなた。
自分を責めてはいけませんよ。
きっと、あなたは運悪く、ご飯の甘味をほかの人よりもずっとたくさん感じることのできる唾液を持ってたのでしょう。
そしたら遺伝子のせいですから仕方ありません。
ということにしておきましょうかね(笑)。
私はアミラーゼ平均的なようでよかったです(^_^;)。
・・・あれ?
ひょっとして酒飲むとアミラーゼの分泌量が抑えられるなんてこともありますかね??
だから酒飲みは甘いものがあまり美味しく感じないとか???
・・・ざっと調べてみたら、ラットにエタノールを飲ませるとアミラーゼ分泌量が下がるという報告と、上がるという報告とがありました。
これはすい臓のアミラーゼに観点が置かれていると思います。
唾液腺のアミラーゼ分泌に関して、もうちょっとキーワードを調べる必要がありますね。
「アルコールを頻繁に飲む人は糖質の消化亢進につながる、あるいは高血糖の快感アップにつながる分子の発現量が下がっている」なんてことがあったら面白いなあ。
酒飲みが簡単に糖質制限できる理由の説明になりますね。
糖質制限が成功する連中は酒飲みが多いし。
逆の発想で言えば、エタノールが抑えている(かもしれない)そういう糖質消化や高血糖の快感に関連する分子の発現を、エタノールの代わりに押さえ込む薬剤ができれば、糖尿病の食事療法の補助薬やダイエットの薬として売れるかもしれませんね。
食の嗜好を変えてしまうような中枢神経に作動する飲み薬。
・・・諸刃の剣だろうな、たぶん(^_^;)
ご無沙汰しています。しんです。
そうですよね、西洋人のほうがインスリン分泌能が高くて、アミラーゼもたくさん出るというのは合理的ですね。
でんぷんをたくさんとって分解消化したら血糖値もあがりそうになりインスリンもたくさん必要ですものね。
だから肥満度も高くなれるんですよね。
農耕をする民族がエスキモー達より遺伝的に比較的でんぷんの消化に向いているのは、農耕が始まってから進化したという側面もあると思いますが、それよりも狩猟採取においても極寒の地よりでんぷん質の多い木の実や根菜をある程度摂取してきたからではないかと思うのですがどうでしょうか?
しかし常識は科学ではなく、とある学会が科学を放棄しているのには笑ってしまいます。
カルピンチョ先生
>アミラーゼ遺伝子のコピー数が、人種というか、地域や集団によって大きく異なるという報告です。
知らなかった事象で興味深く読ませていただきました。
これって、エビジェネティクスの分野での研究かと思いました。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A8%E3%83%94%E3%82%B8%E3%82%A7%E3%83%8D%E3%83%86%E3%82%A3%E3%82%AF%E3%82%B9
>「ヒストン修飾:
クロマチンはヒストンにDNAが巻き付いたヌクレオソ ーム構造を持つ複合体である。もしDNAがヒストンに 巻き付いている状態が変われば、 クロマチンリモデ リング(再構 築・再構成)(英語版)がおき、遺伝 子発現もまた変化する」
要は、本来必要としない(新生児は別)糖質を、穀物を大量に摂取する(させられる)ことにより、
その固体の DNA に変化が生じた。と考えました。
あくまでも固体レベルでの話しで、幹細胞レベルでこんなに早く発現するのかいささか疑問に思います。
アミラーゼでこの現象ですので、αグルコシターゼにも発現しているかも知れませんね?
私、時たま外食時や、どおしても蕎麦が食べたくなった時にこの阻害薬を使用しております(笑)。
私の糖尿病専門医である主治医は正直あてにならないので自らの要望で処方してもらっております。
次回はメトホルミンを処方してもらう予定です。(目的は別のところにあるのですが・・・内緒・・・)
山本
やっぱり精製糖質を摂ってきたことで
農耕民族は、多少の進化をしてるんですね。
だけど日本人より欧米人の方がってことで
これは日本人がコメを食べる民族だからって
糖質代謝に優れてるってことでもない・・・
米に特異的な何かってないんですか?
また、小麦に特異的でもいいんですが
その両者のt外が明らかになるようなパラメーターが・・・
やっぱ、月一で やめられない糖質をご褒美で食べて
アミラーゼの能力を確かめるくらいが
適当なんでしょうか?笑)
しんさん
質問ありがとうございます。
インスリンの分泌能もアミラーゼの分泌能も、西洋人の方が高い、としてもわずかだと思います、ただ、これらの能力に後天的に修飾を与える因子に離乳食の糖質比率がある、なんて話もありますのでさらにややこしくはありますね。
「農耕が始まってから進化したという側面もあると思いますが、それよりも狩猟採取においても極寒の地よりでんぷん質の多い木の実や根菜をある程度摂取してきたからではないかと思うのですがどうでしょうか?」
これに関してはけっこうめんどくさい考察の必要な話なので別記事を書かせていただきます。
イエスのようなノーのような答えです、極寒の地域に追いやられた人々にモンゴロイドが多いことを考えると・・・という話です。
Yamamotoさん
コピー数の増加はエピジェネティクスの話とは直接には関係なくて、ゲノムそのものの変化です。
説明が必要かと思いましたので別記事を用意します、しばらくお待ちください。
エピジェネティクスによる影響もたしかに問題になってきますので、その話もするべきなのかな、、、正確に書こうとすると登場人物(核内の分子)がどんどん増えて、ストーリーもややこしくなってくるんですよね、この分野は私自身が今のところ、あまり楽しくないので、分かりやすい記事が書けそうにないし・・・(^_^;)。
気楽に読める記事を交えつつ、隙を見て(笑)、ぼちぼち書いていきます。
ジャヌビアは継続的に飲むのでなければ便利な薬だと思います。
ときどきやっちゃう糖質摂取(笑)が我々の体に及ぼす悪影響を考えると、ジャヌビアの予測できないリスクも似た程度のものなのかなと。
メトホルミンは目的がなんとなく想像できました。
PCOの患者さんのこと考えると、効果がありそうな気がしますよねえ♪
(違ってたら失礼(^_^;))
toさん
米は、非常に優れた穀物です、なんといっても蒸す、炊く、炒めるというシンプルな加熱調理だけであれだけおいしく食べることができるのですから。
それに対して、小麦は製粉してから加熱調理しないといけない。
小麦と米だと、糖質に到達できるまでの手間が違うんですよね、お米の方が簡単。
それが西洋人とアジア人のアミラーゼの違いを反映しているのかもしれないですね、精製するのが大変なでんぷんを食べている人たちの方が、唾液腺のアミラーゼが増えるってのはありそうな話ですよね。
ただ、アミラーゼはこうして西洋人とアジア人で差がなさそうですが、糖質を食べた時に分泌される快感物質の量とかはどうなんでしょうね?
同じ量の糖質を摂取した時のβエンドルフィンの分泌量は人種差がありはしないだろうか?
そっちも調べてみなきゃですね。
時間と手間が追いつきませんのでゆっくりやりますが。
カルピンチョ先生
>コピー数の増加はエピジェネティクスの話とは直接には関係なくて、ゲノムそのものの変化です。
ご教示ありがとうございます。
そういえば、米国では自分のルーツを知りたくて自らDNA検査を行う人が多く、ビジネスとしても十分成り立っている、と聞いております。
数百年単位での人種・民族が分かるのだそうですので、遺伝子の変化は想像以上にはるかに早いのかもしれませんね。
話題のジャヌビア(DPP-4 阻害薬)は服用しておりません。また服用する気は全くありません。
メトホルミンとは真逆(同時使用は禁忌)の作用ですもの(笑)。
PCOってやはりインスリンが大きく作用しているようですね。
時々の薬はα-グルコシターゼ阻害薬(ベイスン グルコバイ)の方です。
両方同時使用が一番効果があると聞きますが、私はグルコバイのみ使用しております。
ネガティブキャンペーンに負けない、糖質制限ダイエッターを力づけてくれる投稿ありがとうございました。
お酒飲むとアミラーゼの分泌量が抑えられるというのは実感としてあり得そうですね。
少なくとも日本人はお米食べないと健康に悪いというより確実に科学的に聞こえます。
個人的に、お酒飲みで、お米・パン・甘いものは現在全く食べたくならないので余計に実感するのかもしれません(^_^;)
ただ月に一度位無性にドーナツとかチョコレートデニッシュを食べたい時があります。(結果的に食べない事の方が多いですが、)多分ホルモンの関係かと思います。それと今酵母たっぷりのドイツ産ヴァイスビールを飲みたくなってますが、これはここ3週間位週に一度ヴァイスビールを飲む機会があったので、嗜好の習慣化の問題ですね。。。(断ち切らなくては!)
引き続きの更新楽しみにしています。
カルビンチョ先生
糖質制限の有効性を主張されながらも、お米そのものの有用性は否定されない
先生のその姿勢には救われます
実は、私の妻の実家が稲作農家でして、定期的においしいお米を送ってくれるんです
糖質制限を始めてから、友人知人にそのお米の大半は差し上げてはいるんですが、やはり複雑な気分になってしまいます
ほんとに、ごはん、ておいしいんですよね・・・
残念ながら、私はどうも、優勢遺伝組のようです
Yamamoto_maさん
遺伝子の変化を「複製のときに起こる読み違いによる変異」と、「トランスポゾンなどによる増幅や複製」とに分けて考えると後者のほうが多のではなかったでしょうか?
表現型、つまりは遺伝子の質を変えるほどの変異はそれほど起こりませんが(起きても消される)、コピー数の変化は基本的には質の変化ではなくて量の変化なので、起きたあとで残りやすいのかなと思います。
いくつかのコピー数の多型は近傍にある一塩基多型と連携して動いているようなので、両者の発生頻度も残り方も変わらないのかもしれませんけど。
どっちやねん! (・_・)ノ☆(*__)
その辺のことはあれこれ想像するのみで、詳しくないので、遺伝学に詳しい人がいたら教えていただきたいです。
オブセッションさん
アルコール飲むとヒトでアミラーゼの分泌量が減る、ラットにアルコールを摂取させ続けると唾液腺組織がやられる、という文献見つけました。
一部は紹介しますね。
ヴァイスビール!
あれは甘みと香りがたまらないですよねえ。
子どものころから甘酒大好きだったので、ドイツに行ったときにはピルスナーではなくてそっちばっかり飲んでました。
でも、あれ飲むとお腹充たされて(血糖が快調に上がるんでしょうね)、いろいろ頼んだ料理が食えなくなるから悩みどころでしたね。
ぺんぎんさん
お米はアジア人の繁栄の基となった素晴らしい食べ物です。決して悪者ではありませんし、美味しい食べ物です。
米という効率の良いエネルギー単位ができたからこそ、エネルギーが集約化されて都市ができたのです、文明が栄えたのです。
現代を作った立役者です。
でも、その科学文明が発達してきて、我々の暮らしは便利になり、労働で消費するエネルギー量は大幅に減ってきました。
最初の引き金が産業革命、次が第二次大戦後の電気機器と自動車の普及だと思っています。
そして今のように世界がインターネットでつながることで、人々はさらに動かない毎日を送るようになる。
我々のライフスタイルが変わってしまったので、米は「エネルギー供給過剰」な食べ物になってしまったのですよね。
文明が高度化したことが人間の「米食」あるいは「小麦粉食」の役目を変えてしまいつつあるのだと思います。
米も小麦も悪者ではありません。
変わったのは我々のエネルギー消費のあり方なのです。
カルピンチョ先生
遺伝子がらみの情報です。
と言っても、荻原健英って方のブログ(つい先日発見)より無断で、勝手に、断りなく転載させていただきました。
長文ご容赦願います。
私には少し難しい内容でして、これから勉強します・・(笑)
=============================
GWASのメタアナリシスにより明らかになった、東アジア人2型糖尿病の新しい8個の遺伝子座
Meta-analysis of genome-wide association studies identifies eight new loci for type 2 diabetes in east Asians.
Cho YS, Chen C-H, Hu C, Long J, Ong RTH, Sim X, Takeuchi F, Wu Y, Go MJ, Yamauchi T, Chang Y-C, Kwak SH, Ma RCW, Yamamoto K, et al.
Nat Genet. 2011 Dec 11 published online.
【まとめ】
東アジア人の2型糖尿病(T2D)の感受性遺伝子座を同定するため、3段階の遺伝子解析を行った。Stage 1のT2Dのゲノムワイド関連研究(GWAS)8研究のメタアナリシス (T2Dを持つ6,952 casesと11,865 controls)に続き、stage 2 のin silico replication解析(5,843 casesと4,574 controls)およびstage 3の de novo replication 解析(12,284 casesと13,172 controls)を行った。以上の解析により、8個の新しいT2D遺伝子座が明らかになり、それらは、GLIS3、 PEPD、FITM2-R3HDML-HNF4A、KCNK16、 MAEA、 GCC1-PAX4、 PSMD6 およびZFAND3の中または近傍に位置した。GLIS3は膵β細胞の発生とインスリン遺伝子発現に関わっており、空腹時血糖値に関連があることが知られている。PEPD、HNF4AとT2Dとの関連は以前から知られていた。KCNK16は膵のグルコース応答性インスリン分泌を制御している可能性がある。東アジア人におけるこれらの結果は、T2Dの病因解明に新しい知見をもたらすものである。
・・・以下は略
元記事のリンクはこちら
http://syodokukai.exblog.jp/15099474/
許可ない完全なコピペは著作権ルール上問題があると判断し、カルピンチョの方で削除し、代わりにリンク先urlを添追加させていただきました、すみません。
Yamamotoさん
GWASの一塩基多型で疾患との関連性を指摘されたlocusの解釈って、難しいんですよね、その遺伝子のタンパクコード領域の変異であればその分子の機能そのものに影響する可能性がありますが、それ以外の領域の点変異だと、発現を亢進するのか、逆に下げるのか、本当にその遺伝子の転写調節に関わるのか、それとも近傍の別の遺伝子のエンハンサー領域の変異なのか、一つ一つつぶしていかないとメカニズムの結論は出ません。
でも、ダイレクトに関連しそうな面白そうな分子がいくつか含まれていますね、ありがとうございます。
腎に関わるところで仕事をしております。小職の理解ではタンパクの過剰摂取は間違いなく腎機能を低下させると認識しています。
小職の娘が一型糖尿病を発症し、当時宣伝を開始していた荒木式に興味を抱きましたが、こと糖尿病に関しては解釈は間違っていないのですが、合併症までを考慮していない内容でしたので正直なところは実践すべきではないという結論に至りました。
人間の新陳代謝の中で必要なタンパク量は10g/Day程度でしかなく、これが認識しされ始めアースリートの方々も不要なタンパク質接種を控えるようになっています。
ではなぜタンパクが腎機能を低下させる可能性があるか、それはタンパクを摂取し消化する過程で発生する尿素窒素、リン、カリウムなどの毒素をろ過するために、腎には相当の血流が発生し、これが腎を痛める主な原因とされています。
腎も膵も同じで、ある程度まで機能が低下すると機能の回復があまり望めないのが実情です。
ではどうすればと言われれば小職はそれに解答することが出来ません。しかし、デンプン、その中でも難消化性でんぷん(難消化性デキストリンとは異なります)などを含む食材、好ましくはでんぷんのみで製造された食品などは、一般の炭水化物よりも血糖値の急激な上昇をさせないとされております。また、この難消化性でんぷんは大腸にまで達し、そこで善玉菌の栄養源になっていることも発見され、整腸作用による大腸がんなどの余病効果が高いともされています。
余計な話ばかり致しましたが、結局はいかにバランスを考えた食事であるかが重要と言うのが小職の考えです。しかし、低糖質食事療法がどこまで腎に影響を及ぼすか、それはまったくわかりません。ですので、願わくば実践されている方々には頻繁に尿検査して頂ければと思います。腎の低下は仮に腎が少々弱っただけでも、複合的な要素で一瞬にして透析になる可能性があります。
厚かましいお話を致しましたが、皆様、お体をご自愛下さればと思い投稿いたします。
Kitagawaさん
コメント、ご意見ありがとうございます。
>タンパクの過剰摂取は間違いなく腎機能を低下させる
腎機能が低下した方において、これはそう考えていいと考えます。
>人間の新陳代謝の中で必要なタンパク量は10g/Day程度でしかなく、これが認識しされ始めアースリートの方々も不要なタンパク質接種を控えるようになっています。
これは賛同しかねます。(^^;)
「最低限として必要なのが10g」というわけで、「10g摂取すればそれで十分」というわけではないという考え方はいかがでしょうか?
>低糖質食事療法がどこまで腎に影響を及ぼすか、それはまったくわかりません。ですので、願わくば実践されている方々には頻繁に尿検査して頂ければと思います。
こちらについてはすでに統計学的に検討した科学論文がいくつか出ています。
代表的なものを一つご紹介します。
原著としては
Diabetes Care. 2013 Aug;36(8):2225-32. doi: 10.2337/dc12-1846. Epub 2013 May 20.
Renal function following three distinct weight loss dietary strategies during 2 years of a randomized controlled trial.
Tirosh A, et al.
Brigham and Women’s Hospital, Harvard School of Public Health, Boston, Massachusetts, USA.
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/23690533
その日本語解説として北里の山田先生
2013年06月06日 11:35 公開
【寄稿】糖質制限食は本当に腎臓へ負担を掛けるのか
北里研究所病院糖尿病センター 山田 悟
http://kenko100.jp/articles/130606002293/
さらにそれをかみ砕いた説明として高雄病院の江部先生
糖質制限食は、2年間のRCT研究論文のサブ解析で腎機能を改善
2013年06月13日 (木)
http://koujiebe.blog95.fc2.com/blog-entry-2572.html
読んでいただければわかると思いますが、糖質制限は腎機能を悪化させるどころか、二年間のフォローアップで改善したという結果ですね。
江部先生はさらにたくさんの論文や患者さんを診た上での考察をブログ中でたくさん公開されておられます。
http://koujiebe.blog95.fc2.com/blog-entry-2741.html
糖尿病腎症第3期Aまでは、糖質制限食OKです。
2013年11月07日 (木)
http://koujiebe.blog95.fc2.com/blog-entry-2777.html
2型糖尿病の高タンパク質食、腎機能に影響及ぼさず。
2013年12月05日 (木)
カテゴリのurlはこちらです。
http://koujiebe.blog95.fc2.com/blog-category-22.html
糖質制限食と腎臓 (48) ドクター江部の糖尿病徒然日記
情報をどのようにとらえるかは、最終的には自己判断なのですが、江部先生のたくさんの記事、私にとっては大変参考になりました。
また、書籍としてはメディカルトリビューン社から出ている
「バーンスタイン医師の糖尿病の解決」
こちらに1型糖尿病患者である彼自身の経験、臨床経験を踏まえた糖質制限と腎機能の話がたくさん出てきますので、ぜひお読みください。
>腎の低下は仮に腎が少々弱っただけでも、複合的な要素で一瞬にして透析になる可能性があります。 厚かましいお話を致しましたが、皆様、お体をご自愛下さればと思い投稿いたします。
ご配慮ありがとうございます。
たしかに、腎臓を我々はもっといたわるべきですよね。
睡眠を十分にとらなくては。。。
『甘味、塩味、苦味、酸味、旨味に続く「第6の味」は、炭水化物の味?』
http://wired.jp/2016/09/20/carboidrati-sesto-gusto/
もし本当にこんなものがあったなら、下記あたりに関連するかもしれませんね。
>>非常に速いスピードで、人類の「ゲノムレベルでのでんぷん摂取への適応」は進行中…
>>あなたは運悪く、ご飯の甘味をほかの人よりもずっとたくさん感じる…
>カイゴロンさん
これおもしろいですね!
すごいすごい!
ありがとうございます。
超亀レス(笑)。
ほんとうにすばらしい、ありがとうございます。