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いくら糖質を食べても大丈夫な人々

お正月に九州の実家にしばらくいました。

父が体調悪くて、加齢による問題なのですが、手術をする必要性がある、少々認知症がすすんできたという状況なので母や親せきと話をする必要性もあって帰ってました。

(幸い、手術は無事にすんで退院待ちです。)


父の状況を見ていて、いろいろ考えることがありました。

第二次大戦中に青春を過ごした父は「白米大好き」です。

肺気腫で呼吸が苦しくてやむなく禁煙したこともあり(笑)、今ではお菓子も大好きです。


見ていると、摂取カロリーの90%は糖質のようですね。

母は、いくら言っても「ご飯食べなきゃ私たちの世代はダメなの、糖尿病のあなたとは違うのよ。」と言って糖質制限はしてくれません。

ま、80過ぎの人たちに強いることもないかと強く言いませんが、母も80%ぐらいは糖質です。


そんな食生活を送っている両親ですが、気になって血液検査のここ半年ぐらいの結果を詳細に見せていただきました。

両親、どちらとも血液検査のデータ、非常に優秀です。

糖質制限した私と同等で、糖質制限する前の私は完全に負けています。

朝から晩まで糖質を食べまくっていても、全然平気な人たちが目の前に、自分の親として、存在していたわけです。


名前を憶えていませんが、丹後地方にお住いの高齢の女性で、玄米や雑穀を中心とした粗食を奨励する方がいらっしゃいます。

どちらかといえば肉を否定して、植物中心、魚はまあ、食べ過ぎなければいい、だけど肉は毒だからダメ、という主張。

本屋さんの健康コーナー日本が平積みされているので何度か読ませていただきました。(立ち読みですみません)

あ、若杉さんでした。


野草の力をいただいて 若杉ばあちゃん食養のおしえ


彼女も私の両親と同じ体質なんだろうなと思いました。

三食糖質食べまくりでも健康そのもの。

(摂取カロリーは少な目だし、体動かしているし、ミネラルや食物繊維の摂取はたっぷりだからいいんですけど)

身体が糖質中心の食事に対応できているのですね。



そこで、はたと気が付きました。

久山町研究ですね、3人に1人以上が糖尿病かその予備軍という悲惨な街。

でも、久山町研究を主導しておられる先生は、それは日本人全体を表していると、昨年、とある雑誌で主張しておられました。

日本全体の研究ではすべてのデータがつかめないから、日本人全体も久山町と同じ比率で糖尿病になりかけているはずだと。


トリアスというアメリカナイズされた巨大な商業施設がある久山町、おそらく問題はそこにあるのだと思いますし、

研究主導者の先生の「俺の責任じゃない!」と、おっしゃりたいことは理解しますが、

日本人をアメリカナイズした食生活に落とし込めばどうなるかという実験結果が詳細に把握されているのが久山町研究だと思います。


で、その久山町で、糖質摂取率が高くて、かつ、はいカロリーな食事をしている。

現代の沖縄のような食事をしている、それでも、糖尿病率は40%弱です。

そこに気が付きました。



・・・そうなんです。

日本人のおよそ60%は、朝から晩まで糖質を摂取しまくっても、健康を維持できるのです。

その人たちには「糖質のとり過ぎが健康状態を悪くする」という主張なんか伝わりません。


朝から晩までご飯食べて甘いもの食べてビール飲んで日本酒のんで、それでも何ともない人たち。

糖質食適応者、新型人類です。

そういう人が、日本人の60%程度を占めているんじゃないか、自分の両親の糖質摂取っぷりを見ていてそう思いました。



たとえば、唾液腺アミラーゼのコピー数の個人差なんかを見ていてもわかりますが、人の体質は人それぞれです。

あの記事の中のグラフを見ていただければ、アミラーゼのコピー数のバリエーション、糖質適応度を表しているようにも見えませんか?

糖質をたくさん食べて平気な人がこの数千年でマジョリティーを占めるように変化してきたのかもしれないですね。


そう考えてみると、糖質制限をするべき人々というのは日本人全体の40%ぐらいしかいないんじゃないか。

それを、はからずも久山町研究は、沖縄クライシスは、示してくれているんじゃないか。

そう思えてきます。


朝ご飯から晩御飯まで三食とも、さらにはおやつも食べるし、糖質豊富なアルコールも飲む。

摂取カロリーはアメリカ人に近づく。

そういう、沖縄の人や久山町の人が身につけてしまったライフスタイル。


それでも何ともない人たちは、現代の糖質過多でカロリー過多なライフスタイルに適応しうる能力を持っているのです。

羨ましい限りですね、なにも気にしないで食べて飲んで生きていけるのです。


ですが、私のように中年に差し掛かってどんどん太ってきて、HbA1cも高くなり、血圧も上がってきたような人

あなた方は、糖質食不適応者、旧型人類です。

日本人全体のおよそ40%がここに入ります。


今年も糖質制限して、しっかりと健康を維持しましょうね。


糖質をいくら食べても2型糖尿病にならない新型人類の言動に惑わされないように。


あなたと彼らは違うんです。(元首相の福田さん風に読んでください^^;)




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2014年1月13日 15:05

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コメント(14)

いやー「40%は旧型人類説」衝撃的ですねーー!しかも久山町研究のエビデンス付きとは。うちの両親も60%の新型人類で、自分は旧型だなんてー。

カルピンチョ先生、お疲れ様です。今年も宜しくお願いします。

「タバコをいくら吸っていても肺癌にならない人がいる」という話を聞くことがありますが、

今回の話はそれに通じるものがありますね。

有害なものに適応できる柔軟性をヒトは持ち合わせているということなのでしょうね。

先生のおっしゃるように現在高糖質食でも困っていない人は適応者なので、無理に糖質制限をする必要はないと思います。

ただ私の領域で言えば、高血圧、脂質異常、糖尿病はいずれもなく正常範囲だけれども、

頚動脈エコーをみるとがちがちに動脈硬化が起こっていて脳梗塞を起こして入院になった、というような人もたまにいたりするので、

一見問題なしに見えていても実はそうじゃないというケースを見逃さないよう気をつけないといけないと思っています。

>糖質をいくら食べても2型糖尿病にならない新型人類の言動に惑わされないように。

若杉さんの本は、書店で目立つように置かれていたので、私も手にとって読みました。

 確かに、私の母も、94歳まで普通に日本食でお米を食べて、老衰で亡くなりましたが、若い頃に食べていた、今ほど甘くない米や、魚・卵などをたくさん食べた、+の遺産があったからではないかと思ったりしています。

 糖質を抑えていれば、100歳過ぎまで、元気に生きたのではないかと・・?

今年も糖質制限して、しっかりと健康を維持します。

カルピンチョ先生

今年もよろしくお願いいたします。
 

はじめまして。1/7の「主治医が見つかる診療所」を見て糖質制限食をはじめた初心者です。
カルピンチョ先生のブログは先生の優しく聡明なお人柄が伝わってきて大好きです。
ゆくゆくは糖質制限食に家族を(遠方に住む両親も)巻き込みたいと思っていましたが、先生の記事を読み冷静になれました。
3食主食を経って1週間経ち、気持ちのアップダウンがすごく減ったと感じています。
子供を叱ることが減りました(女の子で、おとなしくてしっかりしているほうなので、叱らなくていいところで怒鳴っていることは分かっていたのですが)。
久山町って、コストコもあるんですね。
当方東京在住、首都圏のコストコは週末どこも駐車場待ちの大行列ができます。店内は巨大カートがひしめき、身動きが取りにくいほど混み合っています。48個入り、ディナーロールという名の甘いパン、ウッとするほど甘いけれど食べ始めると止まらないずっしり重いマフィン等、家族の大好物です。

カルビンチョ先生、更新お待ちしておりました。

私は糖質を取ると、糖尿病にはならないかわりに皮下脂肪になります。
毎日バス停で見かける、こっそりと「食い女」と名づけた20代女子はバスを待つ間に必ず糖質摂取しています。
でも足は細いし、胴も細い。
悔しいですっ!

今年の正月は本当に楽でした。
去年までは、食べる量を減らすとかしたら正月太りを避けられるんじゃないかとくだらないことで頭を使っていました。
今年は穀類と甘いものとイモを食べなければ、朝から酒を飲み続けようがナンクルナイサーです。
まあ多少むくむことはありましたけど。

本年も更新楽しみしています。宜しくお願いします。

カルビンチョ先生、いつのまに更新を!
興味深く読ませていただきました。
実は、江部先生のブログにもコメントさせてもらったばかりなのですが、ミスユニバースの栄養指導をしているエリカ・アンギャルさんは、「美しくなるには、血糖値コントロールが重要」と言っていました。
http://koujiebe.blog95.fc2.com/blog-entry-2822.html#comment
そして、伝統的な和食が、美容と健康には理想の食事だとしています。
たとえば昔ながらの会席料理ならご飯は一番最後に出てくるし、お鍋の雑炊は野菜やお肉を食べ終わった一番最後。
「メシはシメに」が伝統的な日本の食べ方であり、これが血糖値を急激に上げない秘訣なんだとか。
江部先生がおっしゃるには、われら糖尿人はGI値にかかわらず、糖質は取れば取っただけ血糖値が上がってしまうようですが、正常人ならもしかしたら、「食べる順番」に注意するだけでも、割とコントロールできるとか?
高齢のみなさんは、若いころのプラスの遺産に加え、食べ方が若い人に比べてアメリカナイズされていないとか。
ご飯を最後に食べるようにすれば、すでにお腹いっぱいでたくさんは食べられそうにありません。
それに伝統的な和食には、血糖値を上げにくい食品(魚とか大豆製品とか)が数多く含まれているそうです。昔はお肉より魚のほうが安かったし、納豆や豆腐は毎日食卓にあがっていましたよね……(遠い目)。
あと、運動量もあるんじゃないでしょうか。昔の人(失礼!)はちょこちょこと、本当によく動く方が多いです。
……と、私も素人なりにいろいろと考えてみましたが、結論。

血糖値をあげないためにも、糖尿人も正常人とも、糖質を極力取らないにこしたことはない!(笑)

今年もよろしくお願いいたいします(*^^*)

>血糖値が高くならない新型人類に無理強いして嫌われる

そうですよねえ。。。
「お米や麺を食べられないなんて、信じられないし考えられない」
私が糖質制限をしている話をすると、(はっきりと口に出さないが)そんな反応をする人が(特に女性には)たくさんいますね。

また、嫌われるのは新型人類からだけでなく。
カロリー制限と薬で糖尿病治療中の知り合いに「糖質制限」を紹介したんですが、食べてOKなもの、NGなものがお互い大きく違っているせいか、同じ糖尿人なのに話しがほとんどかみあいませんでした(笑)。
糖質制限にしたら薬なしでコントロールできるようになるかも、脾臓が休めるよと伝えたかったのですが、「薬でコントロールできてるから」とパスタとケーキをほおばる姿を見たら、それ以上なにも言えなくなってしまいました。
新型人類だけでなく、旧型人類からも、無理強いしたら嫌われるかもしれませんね。

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しかし一方で、記事一つ一つは、異なる人へ向けての異なるメッセージです。
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そういうところでいちいち、しかし、例外はあります、とか言って全ての人に配慮した注釈を付けると、読む側もメッセージがなんなのかわからなくなります。

したがって、読まれた方の立場次第では、その記事では自分の存在を無視されているように感じる、配慮が足りないと感じられる記載内容があり得ます。
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