糖質制限はやはり危険なんでしょうというご意見
書こうと思っていて書きだせていないままになっていましたが、
「糖質制限はやっぱり危険なんでしょう。」
と、言う意見をいただきました。
なんで?と聞いたら、
「だって第一人者の方が突然死して、糖質制限のせいで心筋梗塞になったとワイドショーとかで医療関係者が言ってたから。」
・・・なんでそういう根拠の結論にされてしまうのか?
スポンサードリンク2月6日になくなっていたことが2月15日に報道されて以来、ここでもコメントをいくつもいただきました。
まず、桐山秀樹さんのご冥福をお祈りします。
もう、四十九日も過ぎましたので、この話題について触れてみたいと思います。
桐山さんの死因が何であったのか、ですが。
ーーーーーーーーーーーー
桐山氏の公私にわたるパートナーで文芸評論家の吉村祐美氏によると、桐山氏は今月5日朝に仕事場がある神戸市のマンションを出発。6日朝に東京 都内のホテルの室内で発見されたという。死因は心不全。吉村氏は夕刊フジの取材に、糖質制限と死因との因果関係について「関係ないと聞いている」と否定し た。
http://www.zakzak.co.jp/society/domestic/news/20160216/dms1602161900014-n2.htm
ーーーーーーーーーーーー
とのことでした。
死因は心筋梗塞による心不全です。
この心筋梗塞が糖質制限によるものなのかどうかなのですが、
「糖質制限したから心筋梗塞になったんだ」派の先生がたがことごとくおっしゃるのは、
「糖質制限すると脂肪やたんぱく質の摂取量が上がるので、これが血管にコレステロールを沈着させ、動脈硬化を生みます、これが元凶です。」
とのことです。
桐山秀樹さんはメタボの典型例の2型糖尿病を指摘されて、それから糖質制限を実践されて20kgの減量に成功しました。
空腹時のものを含む血糖値は正常化、血圧も正常化していました。
動脈硬化があったのかどうかのデータは存じ上げませんが、血糖値が高くない、内臓脂肪も少ない、血圧も正常である、そういう人に動脈硬化による心筋梗塞が起こるというのでしょうか?
可能性がゼロではありません。
桐山秀樹さんは糖質制限する前に「心筋梗塞になりかけていた可能性がある」との診断を受けていたそうです。
心電図からの類推ですが、糖質制限する前には血糖値も血圧も高かったし、そのときには心筋梗塞を起こすような冠状動脈の硬化は起こっていた可能性があります。
その変化が陳旧性の(非可逆的な)リモデリングを起こしていたのであれば、一朝一夕にはそれは改善しません。
負の遺産は残っています。
タバコをずっと吸っていた人が禁煙した場合、どのぐらいで肺はきれいになるのか?
という話がありますが、その場合、15年から20年で肺にこびりついたタールはかなり見えなくなるとされます。
そして、破壊されかけの肺胞はなんとか正常の状態に復するかもしれないとされます。
しかし、いったん破壊されて融合して肺気腫の状態にリモデリングされた肺胞が再び細かい肺胞に戻る可能性はほぼないと考えられています。
これと同じような大きな組織構造の変化(平滑筋の肥厚など)が糖質制限前の桐山さんの心臓の冠状動脈で発生していたとしたら、そこは数年はもちろんのこと、15年から20年たっても戻るかどうかはわかりません。
この危険性はわれわれはみんな認識しておいた方がいいでしょう。
メタボで2型糖尿病で心筋梗塞の可能性があると指摘されたことのある人は、負の遺産が完全には消せていないかもしれない。
・・・だとしても。
そこまで譲ってあげて考えたとしても。
桐山さんの心筋梗塞が動脈硬化性の閉塞によるものだとはどうも考えにくいのです。
なぜなら、桐山さんは徹底した糖質制限をしていました。
その場合、食後高血糖の上昇はありません。
新たに血管内皮細胞を傷つけて動脈硬化の元となるような炎症を引き起こす要素は糖質制限にはありません。
「脂肪やたんぱく質を食べすぎると冠状動脈系の疾患による死亡率が上がる!」
とされるデータが載っている論文の多数のものは、糖質を40%程度摂取している方々のデータです。
毎日三度のご飯でダブルバーガーを食べてコーラを飲むような人たちでは、毎日三度のご飯で牛丼を食べている人たちに比べて冠状動脈疾患(ようするに心筋梗塞など)による死亡率が高いというデータです。
糖質を40%も摂取していれば食後高血糖は避けられません。
そんなにたくさんの糖質を食べて、同時に動物性の脂肪をたっぷり取れば、それは良いことではありません。
糖質40%摂取を糖質制限だと決めつけてのお話であれば、それが良く無い食事であることに異論はありません。
でも、糖質制限って、食後高血糖が生じないようなところまで糖質摂取量を絞るものです。
食後高血糖を生じない限り、血管内皮細胞の表面の糖化も心配いりませんし、それに基づく障害が起こる確率はものすごく下がります。
実際、桐山さんの血圧は正常化していました。
では、どうして桐山さんは心筋梗塞を起こしたのでしょうか?
1.異型狭心症の可能性
狭心症や心筋梗塞には二つのタイプがあって、
a) 冠状動脈硬化に起因する動脈内皮への血栓付着による狭窄
b) 冠状動脈の攣縮による狭窄
の二つがあります。
異型狭心症は正確な原因は不明ですが、
「攣縮の活動性には日内変動があり、一般的に深夜から早朝に生じることが多い」
「誘発因子として、心身の疲労・ストレス、 喫煙、怒責、寒冷、過換気、女性ホルモン欠乏(更年期など)、アルコールなどが、あります。」
というのがあります。
http://plaza.umin.ac.jp/~utok-card/consultation/diseases/variant-angina
非常に精力的に活動していた桐山さんのことですから、ストレスがかかる生活が常態化して、これを誘発してしまっていたのかもしれません。
ホテルで朝、着替えた状態で倒れていたということからもこの可能性はありえるでしょう。
異型狭心症はしばしば20代のサッカー選手などでも発症するタイプの死につながる心筋梗塞になりえます。
突然の動脈の攣縮の原因は正確なところは不明ですが、
20代の患者さんでは先天的な遺伝的な要因+過度の運動
50代60代の場合は、ひょっとしたら負の遺産が引き金になる可能性も否定できないように思います。
2.実は糖質制限がゆるめだった(えええ!)
検索してみると、このような文章がありました。
ーーーーーーーーーーーー
江部先生や桐山さんの名前を聞くと、僕は勝手に三食とも主食抜きのいわゆるスーパー糖質制限(厳しい糖質制限)を続けていたイメージがあるが、桐山さんは 実際にはそうではなく、先ほどのパートナーの吉村さんの証言によれば、朝はフルーツや野菜のジュースを飲み(スパー糖質制限ではフルーツはNG食品)、お 昼はたまにうどんやパスタを食べ(糖質制限ではうどんやパスタなどの炭水化物はNG食品の代表格)、夜は玄米(糖質制限的には玄米も白米も大差なくNG) を食べていたようですね。
なにごとも一辺倒はよくないと、桐山さんみずからそう周囲には言ってそれを実践していたらしい。友人などと一緒に食事をするときは、同じメニューのものを食べていたとか。それでも毎月1回通院し、その検査結果はまったく異常ない数値だった。
http://roshi02.hatenablog.com/entry/2016/02/26/135640
ーーーーーーーーーーーー
え~っと(^▽^;)。
桐山さん、痩せて体調がよくなった以降は糖質制限、緩めてたのね。
う~ん。。。
もしも桐山さんがしばしば食後高血糖を生じるような食事を最近続けられていたのであれば、
ひょっとしたら糖質制限前の古傷で動脈硬化タイプの狭窄が起こってしまった可能性は完全には否定できないですね。
ということで、桐山秀樹さんの心筋梗塞の原因として
「糖質制限が悪い」
という理屈、ちっともそう思えません。
でも、
「糖質制限して検査数値が改善しても、一度は死の直前までメタボが悪化した人は、気を付けなければならない」
というのは、考慮しておくべきことかと思います。
たまには糖質爆弾を振らせてみたくなる気持ちはわかりますが、
その場合は、ストレスや過労などがない状況でおこなう、というのが正解なのでしょうね。
う~ん、歯切れが悪くなっちゃったな。(笑)
2016年4月 4日 23:11 スポンサードリンク
Dr.カルピンチョ先生
糖質制限ダイエット 人気ブログランキング
http://blog.with2.net/rank3443-0.html
第20位から訪問しました。
サイト内を探しましたが、「応援クリックボタン」が
見当たりません。お手数ですが、もしサイトのどこかにあればお教えください。
あるいは、「応援クリックボタン」は元々、先生がこのサイトにはつけてないとのことでしょうか?
お久しぶりです。
私も某女性週刊誌の記事をみて、「糖質制限ダイエット第一人者が!!」みたいな糖質制限が悪いように思われそうな見出しだなと思い記事を読みました。しかし、記事には糖質制限が原因かどうかは分からないと記されていました。
糖尿病を患っていたので一度傷ついてしまった血管までは回復はできなかったのでは…と記事は締めくくられていました。
昔の自分が付けた傷が今の自分を傷つける可能性がある。怖いですね。
私も昔、甘いものが大好物だったし煙草も吸っていました。過去の借金が清算されず、今の自分にのしかかってくるかもしれないと思うと色々と考えてしまいますね…
「低糖質ダイエットで落ちた体重を低いままに維持する方法」でお世話になりました、
なつです。お久しぶりです。
桐山さんのご著書を読んだ事はないのですが、
このたびは残念なことでございました。ご冥福をお祈り申し上げます。
>糖質制限すると脂肪やたんぱく質の摂取量が上がるので、これが血管にコレステロールを沈着させ、動脈硬化を生みます
あくまで私のケースですが、それまで栄養士さんに指導されていた
総カロリー制限&油抜き&低悪玉コレステロールの食事療法を止め、
糖質制限をやった途端に(皮付き鶏もも肉、豚バラ、卵も好き勝手に食べました)
中性脂肪、善玉・悪玉コレステロール値がビシッと正常値に入ってきた経験からすると、
全ての人がそうじゃないと思うけどな・・・と。
3か月後の人間ドックでも血液検査が正常値ど真ん中みたいな結果でしたから、
安心して継続できたわけですが。
近況を報告しますと、理想体重になってから半年が経過しましたが、
リバウンドは起きていません。
野菜と魚・鶏・大豆・オリーブオイル・卵・チーズを中心にした地中海式と、
ライ麦パン、玄米・大豆・押し麦を一緒に炊いたご飯を少々という低GI値の
混合編成みたいな食事で、
ウォーキングは100分から1時間に減らしましたけど、
体重52キロ前後、BMI19.5あたりをキープしています。
休日はラーメンや定食を食べる事もあり、休糖質制限日みたいになってますので
桐山さんのお食事に近いかもしれません。
また7月に人間ドックがありますので、結果に注目ですね。
ただ、減量中に一度だけ危ないな、と思った事がありました。
明け方に時々足がつるようになってしまった時期がありまして
糖質制限でもウォーキングでもミネラルのバランスを崩してそうなることがあるようで・・・
ドラッグストアでマルチミネラルを買って飲んだところ、どれかがヒットしたのか
翌日からつることは無くなりましたけど、
放置しておくと、狭心症や心筋梗塞の発作を引き起こすこともあるとか?
外見や検査結果が健康的になったからと安心せず、
体の出すサインに常に耳をすませていく事も大事なんだな、と思った次第です。
>ゲールさん
コメントありがとうございます、人気ブログランキングからのご訪問もありがとうございます。
人気ブログランキングですが、最初の頃だけリンクを貼っておりましたが、
ある程度このブログの認知度も上がってきたと思ってからは貼っておりません。
ご配慮ありがとうございます。
>もっきーさん
体調いかがでしょうか、なんかあったら聞いてくださいね、そちらの専門家ではないので頓珍漢な答えかもしれませんが(;^ω^)。
>糖尿病を患っていたので一度傷ついてしまった血管までは回復はできなかったのでは…と記事は締めくくられていました。 昔の自分が付けた傷が今の自分を傷つける可能性がある。怖いですね。 私も昔、甘いものが大好物だったし煙草も吸っていました。
・・・そうですね、我々の体の回復力というのはすごいと思うのですが、それでも、昔の深い傷跡が十年以上たっても完全には治らない、硬い傷跡として残るように、変化してしまった組織構造は完全に元に戻ることはないと考えておくべきだと思っています。
だとしても、それが血管や肺胞に発生してしまったときには我々にできることはないわけで、(目に見える皮膚の傷なら形成外科手術で見た目だけは何とかなることもありますが)それを抱えたままで、その傷跡に負担のかからないような生活を続けるしかないですよね。
そういう意味ではいったん傷跡ができてしまっても糖質をできるだけ控えるということはいいことだと思いますし、数値には現れなくても、昔悪さをしていた負の遺産はあるのだと考えて、年齢それなりの配慮をしていくということも重要なのかなと思います。
でも、やりたいことをセーブしてまでの人生を押し付けたいとは私は思いませんし。
自分の知識とそれに基づく理性で考えて、でも、最後には自分の感情の意見も聴いてみて、どちらを取るかはその人の自由ではないかと私は考えます。
そして、「理性と感情で迷ったときには、理性に従うよりも感情に従う方が、後悔はしない。」という風に、私は経験的には判断しています。
・・・でも、これもまた人によるんですよね。
感情に従うよりも理性に従った方が後悔しない人ももちろんいます。
自分がどちらのタイプであるのかをまず把握することもとても重要だと思います。
>なつさん
お久しぶりです、快調のようでよかったです。
>「>糖質制限すると脂肪やたんぱく質の摂取量が上がるので、これが血管にコレステロールを沈着させ、動脈硬化を生みます あくまで私のケースですが、~中略~中性脂肪、善玉・悪玉コレステロール値がビシッと正常値に入ってきた経験からすると、 全ての人がそうじゃないと思うけどな・・・と。」はい、その通りです、というか、糖質制限すると多くの人がそうなります。
「糖質制限すると脂肪やたんぱく質の摂取量が上がるので、これが血管にコレステロールを沈着させ、動脈硬化を生みます」というのはカルピンチョの意見ではありませんよ。
カルピンチョが否定している先生がたのおっしゃる意見です、否定するために上げているだけの話で、そこのところ、誤解はされていないと思いますが、このような書き方をされるとカルピンチョがそんなことを言っているかのようにとる人もいると思うので、書いておきます。
糖質制限したらその分、脂肪やたんぱく質の摂取量が増えるのは当たり前のことです。
そして、脂肪やたんぱく質の摂取量が増えても、糖質摂取量が下がっていれば問題ありません。
ということは記事に書いていますよね。。。
>減量中に一度だけ危ないな、と思った事がありました。 明け方に時々足がつるようになってしまった時期がありまして 糖質制限でもウォーキングでもミネラルのバランスを崩してそうなることがあるようで・・・ ドラッグストアでマルチミネラルを買って飲んだところ、どれかがヒットしたのか 翌日からつることは無くなりましたけど、
・・・このことについてはあちこちの記事のなかで考察などを書いていますので読んでいただけたらと思います。
>放置しておくと、狭心症や心筋梗塞の発作を引き起こすこともあるとか?
・・・どういう理屈でそんな結論になるのか、理論を教えてください。
>外見や検査結果が健康的になったからと安心せず、 体の出すサインに常に耳をすませていく事も大事なんだな、と思った次第です。
・・・そうですよね、それは最も大事なことだと思います。
私ももう55歳なので、そろそろ体の老化のサインに耳を澄ませて、無理しない生き方で過ごしていきたいと思います。
>誤解はされていないと思いますが、このような書き方をされるとカルピンチョがそんなことを言っているかのようにとる人もいると思うので、書いておきます。
先生、お手を煩わせてしまって申し訳ありません。
元記事を読んでいれば一目瞭然と思ったため、普通に引用してしまいましたが、
色々な方が読まれるブログですし、今後気を付けます。
>>放置しておくと、狭心症や心筋梗塞の発作を引き起こすこともあるとか?
>・・・どういう理屈でそんな結論になるのか、理論を教えてください。
http://newscience.air-nifty.com/blog/2004/07/post_10.html
http://ameblo.jp/yoyamono/entry-12041341106.html
私が読んだのはこちらの記事などで、とても長いのですが
マグネシウム不足、あるいはカルシウムとマグネシウムのバランスが崩れることにより
筋肉の収縮・弛緩のコントロールがうまくいかなくなったり、
細胞の石灰化を引き起こすというものでした。
きちんとした論文でなくて申し訳ありません。
足がつっていたころ人間ドックがあり、
電解質の欄はA判定でしたので、意外な気がしましたが
測定しているのがナトリウム、カリウム、カルシウムなどで、
マグネシウムの項目は無かったので、
あの結果のみをもってミネラル関係は大丈夫!と判断してはいけないなと。
>なつさん
さっそくにありがとうございます。
たまにいらっしゃるのですが、コメントに投稿された文章を私の意見であるように受け取ってそれに対する質問やコメントがあり、やれやれ、ちゃんと読めよ、と思うことがあったりするもので、すみません。
>私が読んだのはこちらの記事などで、とても長いのですが マグネシウム不足、あるいはカルシウムとマグネシウムのバランスが崩れることにより 筋肉の収縮・弛緩のコントロールがうまくいかなくなったり、 細胞の石灰化を引き起こすというものでした。
・・・時間をかけて後から読んでみます。
>測定しているのがナトリウム、カリウム、カルシウムなどで、 マグネシウムの項目は無かったので、 あの結果のみをもってミネラル関係は大丈夫!と判断してはいけないなと。
・・・血液検査でどうしてそれらのミネラルだけを計測するかというと、それらが生命維持に取って最も重要で、それらが正常範囲であれば問題ないと判断できるからでもあるわけですが、
ともかく、時間あるときにまた読んでみますね、ありがとうございました。
カルビンチョ先生、こんにちは!
ブログの更新をとてもうれしく思います^^
確固たる信念と柳のごとき柔軟さを兼ね備えておられた桐山先生のご冥福を
お祈り申し上げます。
お蔭様で順調に低糖質ダイエットを進めております。
体調良好、着られなかった服が着用できるようになり嬉しい限りです。
反対派の先生方もごちゃごちゃ言ってないで、一度ご自身の身体で実験されてみたらいいのにな、もったいないです。
今回の記事を拝読し、
私も様々な事柄に対してやりもせず批判的な態度を取るのではなく、
歩み寄る姿勢や感性を大切にしたいと思いました。
はじめまして。
2型糖尿病と診断され服薬していましたが、最近糖質制限ダイエットを始めました。
まだ2週間ですが、すべりだしは上々です。
3キロの減量で自覚ストレスもなく、血圧も(降下剤も服用中)下がっているしグリミクロンも中止しています。
ところで、久留米の「真島消化器クリニック」のホームページにこんな記事を見つけました。
http://majimaclinic22.webmedipr.jp/kanzenyobou/column2/46.html
以下引用。
「糖質制限食を続けているために、動脈硬化が急速に進行したと思われる1症例。
(中略)
4)血管プラークは、石灰化していないプラークが多く堆積して認められ、現在もプラークが進行中である・・と・・間違いなく推察される。
つまり、糖質制限食にて・・プラークが急速に進行中である・・と思われる。」
以上引用終わり。
これを読むと、糖質制限の代わりに質の悪い脂肪の過剰摂取を引き起こしプラークの進行を進めていると受け取れます。
この記事に対する先生のご見解はいかががご教示下さい。
よろしくお願いします。
はじめまして。
減量と健康的な体作りを目指して、いろいろな本やブログを読んで、スーパー糖質制限に取り組み始めた35歳、女性です。
ただ、私は糖原病という持病をもっています。あまり聞かない病気ですので、医療機関や医療関係者に説明しても、糖尿病と間違われたり、知らない、よく分からないと言われたりして、高校生以来、この病気では受診をしていません。ただ、幼き頃から、低血糖にならないようにと、炭水化物をたくさん摂取するように言われてきました。そして砂糖は肝臓でうまく分解出来ないので摂取しないようにと言われてきました。
いろいろ調べても、よく分からないのですが、この糖原病で糖質制限食を実施しても大丈夫なのでしょうか?減量等の効果があまり感じられず不安になってしまいご質問させていただきました。教えていただけたらありがたいです。よろしくお願いいたします。
こんにちは。
最近糖質制限について、マスコミ連中が「危険!」と喧伝を始めていますが、国民がどんどん食いまくって、豚になって病気になってくれた方が、スポンサー的にもいいのでしょうけど。まあ今更騙されるつもりはありませんが。
ところで、こんなページを見つけました。
けっこう理路整然として騙されそうなので、どこに嘘、矛盾が潜んでいるか、先生のご意見を頂ければと思いまして。
http://majimaclinic22.webmedipr.jp/kanzenyobou/column2/29.html
あ、直近のコメントの方の指摘されたのと同じ、「真島消化器クリニック」のホームページでしたね。気づきませんですいません。しかし、何という偶然! しかし、ここのクリニック、反対活動に熱心ですね・・・
カルピンチョ先生初めまして。59歳女westと申します。
こちらのブログに出会って3ヶ月、2012.4ブログスタートから最新の投稿までコメント含め遂に読破しました!先生の分かりやすい記事と説得力のある考察に寝る間も惜しんで拝読致しました。うるうるしたり吹きだしたりおもしろかったです!!コメント欄の余りにも専門的でハイレベルな部分と英文はスルーしましたが。。。
去年の夏、外科疾患(乳がん)の手術前スクリーニング検査時に食後高血糖であることが判明したため自己流のゆるい糖質制限から始め3ヶ月前からスーパー糖質制限へ移行しました。最近嬉しい変化がありどうしてもコメントしたくなりました。始めて2ヶ月程経ったある日から抜け毛が激減しお肌がしっとりし睡眠の質が良くなり気づけば頭痛も減っていました。血糖値コントロールの為に始めた糖質制限でしたが予期していなかった2次的効果がこれほど顕著に現れるとは、糖質制限恐るべしです。
何度か足がつったり血液検査結果の変動についてや無理なく続けるヒントなどカルピンチョ先生のブログに助けられました。ありがとうございます、感謝しています。
しばらく更新がお休みのようですが、先生の新しい考察楽しみにしています。あ、無理はなしで!いつまででもお待ちします。
横から失礼します。
真島消化器クリニックの話題ですが、NETではしばしば取り上げられます。
まず、冒頭の「症例写真」の下に、
『特に、この2年間は「糖質制限食」を徹底して行い、“トンカツ”をかなり食べた・・とのこと。』
との記載がありますが、トンカツをかなり食べるのが「徹底した糖質制限」でしょうか?
どう考えても違います。1000%違います。
なので、記載されている内容は、
・実際には糖質制限などしていないのに、自分では「糖質制限している」と思い込んだ人に発症した脳梗塞を
・糖質制限のせいで脳梗塞の発症が促進された、と事実誤認した医師が解説した
ものに過ぎないと思うのですが、どうでしょう。
私もカルピンチョ先生の見解を楽しみにお待ちします。
こんにちは。
それから、ここ↓のホームページですが、
http://ojyokoita.blog.fc2.com/blog-category-7.html
かなり論理的に糖質制限は間違っているという主張です。
言葉は悪いですがww
でも、結構ここの主張も、論文等医学的エビデンス、
研究、そして経験則を併せ持って、筋が通っていると思うの
ですが、いかがでしょうか?
糖質制限、このまま続けて本当に大丈夫でしょうか???
それから、王城恋太さんのHPで度々でてくる、サルコペニア、
が気になって仕方ありません。。。。
エクスぺディアじゃありませんよ。
うつけさん
何度も何度も、王城恋太さんのサイトに誘導しようという気持ちが溢れるかのようなコメントいただいてますけど、気になるのであれば王城さんにお尋ねになるのがベストであると考えますよ。ここで書いてもねえ。
うつけさん
糖質制限が間違ってると思うのであれば信じる道を突き進まれればよいかと思います。
わたしは2型糖尿病の治療において糖質制限よりも適した解があるとは思えません。
しかし糖質食べながら筋トレしまくりでマッチポンプで頑張るという人生もその方の選ぶ人生ですから止めません。
日本糖尿病学会がずっと昔から主張している、糖質を60%食べてカロリー制限して運動して、というのも、それの方がやりやすいという方も、やりたければそれでいいと思います。
それは間違ってるからやっちゃだめだ、とまでは言いません。
その人の人生ですもん。
いろんなやり方があっていいんじゃないでしょうか?
食べるものや筋トレのどれが自分にとって心地よいかは人それぞれでしょう??
satyさん
コメントありがとうございます、笑っちゃいました。
>まず、冒頭の「症例写真」の下に、 『特に、この2年間は「糖質制限食」を徹底して行い、“トンカツ”をかなり食べた・・とのこと。』 との記載が
・・・つまり、このクリニックの先生が危険だといってる糖質制限は
http://xn--oqqx32i2ck.com/review/cat6/post_159.html
で能登先生が敵視している糖質制限に近いってことですな。
とんかつにダブルバーガー
どちらも糖質制限している人は食べませんね。
westさん
コメントありがとうございます。
糖質制限でたくさんの良い効果があったようで、良かったですね。
>去年の夏、外科疾患(乳がん)の手術前スクリーニング検査時に食後高血糖であることが判明したため自己流のゆるい糖質制限から始め3ヶ月前からスーパー糖質制限へ移行しました。最近嬉しい変化がありどうしてもコメントしたくなりました。
・・・なるほど、westさんは理想的に糖質制限を段階を踏んで進めてらっしゃるのですね。そして自分の体の変化も冷静に観察できていて、とてもよいことだとおもいます。
> 何度か足がつったり血液検査結果の変動について
・・・そうです、長年続けていた糖質中心の食生活から変えていくのですから、いろんな小さなトラブルは起こります。(まったく副作用がない人もいます)
それを慌てずに地道につぶしていかれるのは良かったですし、その参考になったのであればうれしい限りです。
地道に、復活しようと思います。
また読みに来てください。
>うつけさん
真島クリニックさんのホームページまで見に行く余裕がありませんので、お任せします。
どうもすみませんです。
・・・うつけさん
ご指摘の記事を見に行ってまいりました。
以下のような結論で〆られていますね。
結論:
元々、血管プラークが多く堆積していたのに、“A1cを下げる目的の治療に効果がある”として”、劣化脂質を非常に多く含む“トンカツ”をかなり頻回に食したために、プラークの堆積速度が速まり、脳梗塞の時期を早めた可能性は否定できません。
今までの実際のケース(参照2)(参照3)に照らして考えれば、過度の「糖質制限食」が脳梗塞の時期を早めたと結論づけざるをえません。
元々、この方は“肉”と“アルコール”が好きな方で、肉も揚げ物も食べていい「糖質制限食」は“渡りに船”だったのでしょう。
・・・この患者さんは糖質制限で着ていないですね
真島先生が糖質制限食のことを正しく理解していれば
「劣化脂質を非常に多く含む“トンカツ”をかなり頻回に食したために」
という食生活が糖質制限ではないことはわかったはずなんですけどね。
とんかつがどれほどたくさんの糖質を含んでいるか。
スーパーでお惣菜のトンカツのパッケージの成分表示を見ていただければわかりますが
「えええええええええ!」
と言いたくなるぐらいたくさんの糖質を含んでいます、40~50%の糖質。
(ま、スーパーのトンカツはパン粉でかさ増ししているのでよけいでしょうけど)
そこにさらにとんかつソースをかけると、あれがまた40%ぐらいは糖質です。
そんなトンカツを無制限に何枚も食べてりゃあ、糖質制限にはなりませんねえ。
>こまちさん
コメントありがとうございます。
ほかの方もコメントを読まれるので、ほかの方への解説も踏まえて返信します。
まだ勉強が足りないので良いとか悪いとかいえませんが、とりあえず。
糖原病という疾患自体は医学部では比較的早い段階で学ぶ疾患です。
でも、小児の段階で見つかって、大学病院などの大きな病院の小児科から代謝内科でのフォローが続きます。
日本全体で推定4000人~7000人という患者数です。
ですから、普通の一般内科や一般外科の医師は大学でテキストで学んだだけ。
もうすっかり忘れてしまっているでしょうね。
私も患者さんに遭遇した経験はゼロです、すみませんです。
どんな病気かというと、
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%B3%96%E5%8E%9F%E7%97%85
グリコーゲン分解がうまくいかないために、筋肉や肝臓にグリコーゲンがどんどん蓄積される疾患です。
つまり、グリコーゲンがどんどんたまるような食事をするのは良くありません。
ということはむしろ、糖原病の患者さんにこそ、糖質制限は向いているかもしれません。
こういう論文がありました。
https://ojrd.biomedcentral.com/articles/10.1186/s13023-014-0196-3
Glycogen storage disease type III: modified Atkins diet improves myopathy
Sebene Mayorandan, Uta Meyer, Hans Hartmann and Anibh Martin DasEmail author
Orphanet Journal of Rare Diseases20149:196
DOI: 10.1186/s13023-014-0196-3
c Mayorandan et al.; licensee BioMed Central. 2014
Received: 31 July 2014
Accepted: 14 November 2014
Published: 28 November 2014
ただしこの論文でも述べられていますが、「グリコーゲンが分解できないことによる低血糖」を避けるために、絶えずちょこちょことブドウ糖を摂取させられます。
それはそれで大事なのですが、うまく低血糖を回避しながら糖質制限できればいろんな症状が改善する可能性はあるようです。
これは1型糖尿病患者さんの糖質制限よりもさらにコントロールは難しいのかもですが、決して、糖質制限ができないわけではないと思います。
うまくできれば症状はよくなる可能性があるように思えます。
(専門の先生のご意見はいただきたいところですが)
上記はタイプIIIaに対してだけですが、ほかのタイプに対しても積極的な取り組みが始まっているようです。
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/?term=Glycogen+storage+disease+ketogenic
こまちさんの糖原病のタイプはどれでしょうか?
>メタボおやじさん
真島クリニックのHPに関するコメントですね。
営業妨害になるようなことは書きたくないのですが(笑)。
>(中略) 4)血管プラークは、石灰化していないプラークが多く堆積して認められ、現在もプラークが進行中である・・と・・間違いなく推察される。 つまり、糖質制限食にて・・プラークが急速に進行中である・・と思われる。
・・・これ、因果関係は証明されてないですよね。
糖質制限したからプラークが増えているのか、糖質制限する前からプラークがあって、それがもう止めようのないリモデリングサイクルに入ってしまっているのか。
その区別はつかないままに、「糖質制限が悪いと思われる」と、おっしゃっているようです。
また、
「HbA1cの数値や頸動脈のプラークは関係ない、全身の動脈を詳しく調べればHbA1cが正常で頸動脈にプラークがなくても、詳しく調べるとほかの動脈にはたくさんプラークがあるから危険だ!」
とも叫んでおられます。
ふむ、そういうことか?
と、思い当たった話があります。
HbA1cが正常な糖尿病ではないと考えられているおっさんたちを数千人集めて調べていたところ、頸動脈にもHbA1cにも問題がないんだけれども、末梢の動脈はすでにやられている人たちがある程度いて、糖尿病をやがて発症する。糖尿病は頸動脈やHbA1cに現れる前にすでに末梢動脈を冒し始めているというのですね。
だから2型糖尿病の人が糖質制限してHbA1cが正常化し、頸動脈プラークが消えたとしても、末梢動脈の変化はもう後戻りできないところに達してしまっている。
桐山秀樹さんの死の原因がそれであったのかもしれないですね。
そして真島先生もそういう人たちを観察して、糖質制限以前に進行した末梢動脈のトラブルを、糖質制限したから進行したと思いこんでらっしゃるだけかもしれませんね。
・・・論文でてました!
韓国の疫学研究です。ちょっと私の記憶と違う(;^ω^)。
糖尿病ではない、基準値内高値のHbA1cレベルは頸動脈にはまだ病変は出ないけれども、すでに小さい動脈には病変が出ている、だから糖尿病の進行はもっと早くから始まっている、という論文ですな。
Atherosclerosis. 2016 Apr;247:1-6. doi: 10.1016/j.atherosclerosis.2016.01.032. Epub 2016 Jan 21.
HbA1c is significantly associated with arterial stiffness but not with carotid atherosclerosis in a community-based population without type 2 diabetes: The Dong-gu study.
Lee YH1, Shin MH2, Choi JS2, Rhee JA2, Nam HS3, Jeong SK4, Park KS5, Ryu SY6, Choi SW6, Kim BH7, Oh GJ1, Kweon SS8.
Abstract
OBJECTIVES:
We examined the associations between HbA1c levels and various atherosclerotic vascular parameters among adults without diabetes from the general population.
METHODS:
A total of 6500 community-dwelling adults, who were free of type 2 diabetes and ?50 years of age, were included. High-resolution B-mode ultrasound was used to evaluate carotid artery structure, including intima-media thickness (IMT), plaque, and luminal diameter. Brachial-ankle pulse wave velocity (baPWV), which is a useful indicator of systemic arterial stiffness, was determined using an automatic waveform analysis device.
RESULTS:
No significant associations were observed between HbA1c, carotid IMT, plaque, or luminal diameter in a fully adjusted model. However, the odds ratio (95% confidence interval) for high baPWV (defined as the highest quartile) increased by 1.43 (1.19-1.71) per 1% HbA1c increase after adjusting for conventional risk factors in a multivariate logistic regression analysis. In addition, HbA1c was independently associated with baPWV in a multivariate linear regression analysis.
CONCLUSIONS:
High-normal HbA1c level was independently associated with arterial stiffness, but not with carotid atherosclerotic parameters, in the general population without diabetes. Our results suggest that the functional atherosclerotic process may already be accelerated according to HbA1c level, even at a level below the diagnostic threshold for diabetes.
Copyright c 2016 Elsevier Ireland Ltd. All rights reserved.
KEYWORDS:
Arterial stiffness; Carotid atherosclerosis; Cross-sectional studies; Glycosylated; Hemoglobin A
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/26854970
真島先生が、同一の患者さんの
1.糖質制限する前のHbA1cが高くて頸動脈プラークがある状態
2.糖質制限してHbA1cが正常化して頸動脈プラークも消えた状態
それぞれの時点での全身の動脈プラークを計測して比較してくださっていれば
糖質制限することで末梢動脈にプラークが増えるかどうかの判断はできるんですけどね。
質の悪い脂を食べるべきではない、と言う意見には賛同いたします。
砂糖はダメだけど白米は食べていい、と言う意見には賛同いたしかねます。
と、こんなところでしょうかねえ。
うるるさん
>着られなかった服が着用できるようになり嬉しい限りです。
・・・すばらしい\(^o^)/
目に見える効果はいいですよねえ。
>反対派の先生方もごちゃごちゃ言ってないで、一度ご自身の身体で実験されてみたらいいのにな、もったいないです。
・・・糖質制限が広まっちゃうと内科外来の収益ががた減りですからねえ。
自分では糖質制限やってても、患者さんには危ないからやめろって言ってたりして(笑)。
こんにちは。
いつの間にか復活していたのですね。
筋トレをマッチポンプとおっしゃられていますが、2型糖尿病の場合は、グルコースを非インスリン依存で筋肉に取り込むという目的以外にも、脂肪を落とし筋肉をつけることによってインスリン感受性を上げるということがあるようです。その後は運動の頻度を落としても、糖質摂取後の血糖値が正常になった人はいます。運動なしで糖質制限による脂肪の減量だけでインスリン抵抗性が改善されて血糖値があがらなくなる人もいます。
ただ逆に糖質制限によって耐糖能が悪化してしまったという人も少なからず見受けられます。高脂肪食がインスリン抵抗性を悪化させるという研究報告もありますので、糖質制限をして高脂肪食を長期に行うのは少し心配です。
糖尿病というのは糖代謝の問題で、要はインスリンがうまく働かない状態なので、筋肉をつけてインスリン感受性をあげる方法も、糖質をとらずに血糖値をあげないという方法も、どちらの対処もありうるし、今のいろいろな病気は糖質とりすぎ、脂質取りすぎ、体を動かさなすぎの3拍子が原因なので、できるなら食事療法、運動療法と両方をするのがベストだと思います。筋トレに対してマッチポンプという否定的な表現が気になりコメントさせていただきました。
Yujinさん
最初にお断りしておきますと、筋トレは私自身、好きですよ。
ブルワーカや鉄アレイも部屋に転がっていますし、運動することも筋肉を増やすことも大事だと思います。
「糖質制限+筋トレ+有酸素運動」が理想だと私も考えます。
筋トレそのものの有効性を否定するつもりはまったくありません。
>2型糖尿病の場合は、グルコースを非インスリン依存で筋肉に取り込むという目的以外にも、脂肪を落とし筋肉をつけることによってインスリン感受性を上げるということがあるようです。その後は運動の頻度を落としても、糖質摂取後の血糖値が正常になった人はいます。
・・・はい、その通りです。
>運動なしで糖質制限による脂肪の減量だけでインスリン抵抗性が改善されて血糖値があがらなくなる人もいます。
・・・はい、その通りです。
>ただ逆に糖質制限によって耐糖能が悪化してしまったという人も少なからず見受けられます。
・・・これは、糖質制限をすると、多くの人で耐糖能が悪化します。耐糖能に関する記事を書いているので読んでいただけたらと思いますが、耐糖能というのは糖質を負荷し続けている人の食後血糖降下力のことを指しています。
糖質摂取している人でさえ、耐糖能試験前にきっちりと糖質を摂取しないと耐糖能が低下します。
http://xn--oqqx32i2ck.com/review/cat29/75gogtt.html
ですので、その前提(糖質摂取に体が慣れている状態)から外れると低下するのが当然です。
ただし、再負荷後に耐糖能が元に戻る人と戻らない人はいらっしゃるようですから、その点に関してはよろしくないと言えなくもないです(糖質を負荷しなければ(糖質制限し続ければ)いいことなので、その能力(耐糖能)保持の必要性を私は特に感じません)。
>高脂肪食がインスリン抵抗性を悪化させるという研究報告もありますので、糖質制限をして高脂肪食を長期に行うのは少し心配です。
・・・これに関しては糖質摂取している人で高脂肪食にした場合には悪化する、というデータではないかと思うのですが、論拠となさっている論文を教えていただけますか?糖代謝という負荷がかかっている状態での実験なので、糖質制限者の脂肪摂取量が増えている場合とは異なる条件での話ですよね?
厳密な糖質制限実践者において、摂取する脂肪の量をいろいろ変えて、それからインスリン抵抗性について比較実験研究した論文があれば、ぜひ教えてください。
>糖尿病というのは糖代謝の問題で、要はインスリンがうまく働かない状態なので、筋肉をつけてインスリン感受性をあげる方法も、糖質をとらずに血糖値をあげないという方法も、どちらの対処もありうるし、今のいろいろな病気は糖質とりすぎ、脂質取りすぎ、体を動かさなすぎの3拍子が原因なので、できるなら食事療法、運動療法と両方をするのがベストだと思います。
・・・おっしゃるとおりで、あらゆる方法をとることを私は否定しません。
どんな方法であれ、現実に糖尿病を克服できるのであれば、私は「是」とします。
ただ、理論的に言えば「糖質摂取+筋トレ」は「食後高血糖+筋肉増量または筋肉活動による血糖低下」であり、食後の肝臓内血管での高血糖を防ぐことはできません。その意味で、理論的には糖質制限とは根本的な発想が異なると考えます。糖質制限では食後高血糖が基本的には存在しません(アミノ酸摂取による食後糖新生は起こりますが、3~4時間後のことですし、血糖値の上昇も糖質摂取に比べればはるかに緩やかですよね)。
以下の記事を参照ください。
http://xn--oqqx32i2ck.com/review/cat17/post_191.html
「毒を摂取しない」糖質制限と比較してみれば、「糖質摂取+筋トレ」は「毒を摂取しても病気にならない体を作る」という方法だと私は考えます。少なくとも肝臓には負担がかかります。
もちろん、その方法であっても糖尿病が克服できますし、そして糖質制限は辛いけれども、筋トレは自分に合っていると思う患者さんのことを否定しません、むしろ、それで行きたいということであれば全力で応援します。
(糖質摂取+薬も選択肢としてありだな、と、最近は考えるようになってきました。)
>筋トレに対してマッチポンプという否定的な表現が気になりコメントさせていただきました。
・・・これですね、筋トレで糖尿病に取り組んでおられる方々が糖質制限する人に対して極めて攻撃的で否定的な態度でいらっしゃることが多いので(糖質制限するバカおやじどもは筋肉がなくなるし認知症が進んでバカになるとおっしゃいますね)、それに対する揶揄も込めて書かせていただいております。
そんなの相手にするなとおっしゃるのであればそれまでですが、言いたいことも我慢してこらえて淡々と書く、というかすべての人に配慮して、すべての人が嫌に感じない記事を書くとつまらない記事にしかなりません。
(サイドバーにも書いておりますが、パソコンでお読みいただければと思います。)
筋トレ+糖質摂取も認めつつ、でも、これは個人的なお茶目の範囲だと私は考えております。
こんな表現すらも許されないというのであれば私はこのサイトを閉鎖します。
・・・言ってみただけです、すみませんが続けます。(;^ω^)
先生、丁寧な返信ありがとうございます。
おそらく中傷メールなどたくさん受け取っておられるのでしょうけど、是非サイトは続けてください。
私自身は現在、プチ~ゆるゆる糖質制限+筋トレを実施しております。
以前はスーパー糖質制限を半年ほど続けましたがでしたが、痩せて血液検査ですべて問題なくなり、血糖値が安定するようになってから、いろいろ考えて変更しました。スーパーをやめてすぐは耐糖能が悪化していたようで、2時間後血糖値が200を超えたりして、またスーパーに戻そうかと悩んだこともありましたが。今は食後高血糖は無くなり、空腹時血糖値はスーパー糖質制限をしていたころよりも下がっているので、インスリン抵抗性は改善されたと思っています。筋トレで改善されたのか、慣れで改善されたのか分かりませんが、どちらでもいいです。ただ一時は命の危険を感じたほどでしたので、今でも不安はあり、定期的に血糖値をはかり、血液検査もし、糖質制限推進派、否定派の人の両方の情報をネットで見ています。
高脂肪食の論文で私が知っているのは、糖質制限実践者に対するものではなく、おもにマウスの研究です。糖質制限推進派の人はほぼマウスの実験は信用しないというスタンスの人もいますね。私自身は、マウスだから無視していいという考えにはいたれませんので、脂質の量と質には注意しています。
糖質に関しても、意識して糖質は制限するべきだとおもっているので、スーパーでは全くありませんが、ある程度は一生続けるつもりです。砂糖がたくさん添加されている清涼飲料水などは今後もほぼ飲むことは無いと思います。
私から見ると糖質制限推進派と否定派の言い争いはどちらもかなり醜いですね(笑)。ミスリードするものも多くあります。議論している対象が、健康人のダイエットなのか、糖尿病人なのか、制限のレベルがスーパーなのか、プチなのか、全くごちゃ混ぜになっていて、何が本当かわからなくなります。
長くなりましたが、私自身、現状糖尿病は完治したと医者にもお墨付きをもらった状態ですので、”健康人の糖質制限ダイエット”に関して、いくつか質問があります。
1.糖尿病を患っている人と、健康な人の糖質制限ダイエットとでは糖質に対する体の反応が変わってくると思います。健康で糖質をとっても高血糖にならない人でもスーパー糖質制限がやはりベストだと思いますか?
2. 糖が脂肪に変わるから、糖質制限ダイエットをするという、推進派の論理は正しいですか?まず、糖が脂肪に変わるのは、とり過ぎた場合ですよね。しかも、糖をとり過ぎた場合は、糖が優先してエネルギーで使用されるので、同時に摂取した脂肪が使われずにそのまま中性脂肪として蓄えられるのではないでしょうか。とりすぎれば脂肪も脂肪として当然蓄積されますよね。糖を遮断して脂肪をメインのエネルギー源にするというのは理解できますが、結局は食べ過ぎれば太るという当たり前のことだと思うのですけど。ちなみに糖は脂肪に変わることはできるが、そのような反応はほぼ人間の体の中では起こっていないと聞いたことがあります。
よろしくお願いいたします。
>Yujinさん
>スーパーをやめてすぐは耐糖能が悪化していたようで、2時間後血糖値が200を超えたりして、またスーパーに戻そうかと悩んだこともありましたが。今は食後高血糖は無くなり、空腹時血糖値はスーパー糖質制限をしていたころよりも下がっているので、インスリン抵抗性は改善されたと思っています。
・・・厳しい糖質制限をした人の一部が脂肪代謝の体に慣れるまで苦しむように、糖質制限から糖質摂取に戻る際には糖質代謝の体に苦しむこともあるということですね。
どちらがいいとか悪いとかではなくて、どちらからどちらへの移行と適応も人によっては時間がかかるということですねえ。
政策で狩猟採集生活から小麦粉生活に適応を余儀なくされたエスキモーの一部では適応にとても苦労したという話を思いだします。
>高脂肪食の論文で私が知っているのは、糖質制限実践者に対するものではなく、おもにマウスの研究です。糖質制限推進派の人はほぼマウスの実験は信用しないというスタンスの人もいますね。私自身は、マウスだから無視していいという考えにはいたれませんので、脂質の量と質には注意しています。
・・・なるほど、Yujinさんの高脂肪食が体に悪いという根拠はマウスの実験なのですね。無視すべきだとは全く思いません、非常に重要です、でもそれであるならそれを明瞭にするべきで、人間とマウスの違いは糖尿人と非糖尿人の違いどころではないと思いますよ。
よろしければ論文そのものを教えてください。
>私から見ると糖質制限推進派と否定派の言い争いはどちらもかなり醜いですね(笑)。ミスリードするものも多くあります。議論している対象が、健康人のダイエットなのか、糖尿病人なのか、制限のレベルがスーパーなのか、プチなのか、全くごちゃ混ぜになっていて、何が本当かわからなくなります。
・・・でしょ?お気を付けくださいね。(笑)
>ちなみに糖は脂肪に変わることはできるが、そのような反応はほぼ人間の体の中では起こっていないと聞いたことがあります。 よろしくお願いいたします。
・・・この話の出典、あるいは根拠を明確にしてもらえますか?
よろしくお願いいたします。
Yujinさん
コメント返信の途中がぶっ飛んでしまったのでぶっ飛んだ部分を別コメントで再掲載いたします。
いちぶ、書き直し(追加記載し)ました
>1.糖尿病を患っている人と、健康な人の糖質制限ダイエットとでは糖質に対する体の反応が変わってくると思います。健康で糖質をとっても高血糖にならない人でもスーパー糖質制限がやはりベストだと思いますか?
・・・いいえ、そうは思っていません。自分の好きにすれば?というのは最近の記事やコメントでひんぱんに私、書いてますし、以前の記事でも書いてますよねオオカミと犬の話、読んでますか?覚えてますか?糖質を食べてもなんともない人は好きに食べたらいいんです。何度も書いてますよ。
>2. 糖が脂肪に変わるから、糖質制限ダイエットをするという、推進派の論理は正しいですか?まず、糖が脂肪に変わるのは、とり過ぎた場合ですよね。しかも、糖をとり過ぎた場合は、糖が優先してエネルギーで使用されるので、
・・・糖をとりすぎて、エネルギーとして使用できない量に達した場合には、細胞に取りこまれた糖は脂肪に代わるしかありません。そしてエネルギーとして消費できる糖の量はそれほど高く無いのはご存じなのではないでしょうか?(だから筋肉もりもりのマッチョを目指すのでしょうけれども)
>同時に摂取した脂肪が使われずにそのまま中性脂肪として蓄えられるのではないでしょうか。
・・・はい、糖と脂肪を同時に摂取した場合にはその通りだと思います、これも記事で書いてたと思いますし、ずっと前に夏井先生にその根拠となる論文もお送りして、彼のホームページにそのことが掲載されています。ちなみに、糖質がとりすぎなのかどうかは個人差によるものが大きいので、Yujinさんにとっての適量が過剰になる人もいると思いますけど。オオカミと犬の記事を読んでみてください。
>とりすぎれば脂肪も脂肪として当然蓄積されますよね。糖を遮断して脂肪をメインのエネルギー源にするというのは理解できますが、結局は食べ過ぎれば太るという当たり前のことだと思うのですけど。
・・・はい、何であれ食べ過ぎたら太りますよ。いくらでも無限に脂肪を食べていいなんて私、書いていましたか???
>ちなみに糖は脂肪に変わることはできるが、そのような反応はほぼ人間の体の中では起こっていないと聞いたことがあります。 よろしくお願いいたします。
・・・これ、出典をぜひ教えてください。私はレビュー付きの科学誌の論文ではその話を知りませんので。
で、基本的に、ですが、「私がこのブログで書いていること」と、「どこかで誰かが言っているのを聴いたこと」をごちゃまぜにして、すべて私の意見であるかのように質問されるのはちょっと。。。
細かい質問の場合、その出典を明らかにしていただくか、私の記載した文章についての質問であるとありがたいです。
よろしくお願いいたします。
先生、返信ありがとうございます。
申し訳ありません。少し質問をクリアにします。
まず、私は以前はスーパー、今はゆるゆるですが、糖質制限実践者です。その上で、糖質制限を今後続けていく上で本当に長期的に問題が無いのかが一番不安です。前にも書きましたが、糖質制限で痩せる前は、命の危険を感じました。まだ40代で、子供も成人していないので死ねません。。。
マウスの実験の話ですが、全く異なる二つの結果という内容が先生のブログにあることは承知しています。
最近の慶応大学の発表です。
https://www.keio.ac.jp/ja/press-releases/2016/8/10/28-18245/
人間も脂肪は小腸で吸収されますよね。さらに糖質制限をして脂肪を燃焼しやすいように変わると、血管中の遊離脂肪酸も増えているので、インスリン抵抗性があがる要素は多い気がします。実際、糖質制限をすると耐糖能が悪くなりますし。インスリン抵抗性だけで、糖尿病と診断されていた人や健康人が、長期に糖質制限を続けることによって、インスリン分泌不全までになってしまうことはないのでしょうか?糖質制限をずっと続けていれば血糖値があがらないので血糖値という点に関しては問題ないということもいえますが、インスリン抵抗性が上がることによる他の健康上のデメリットはないのでしょうか?血管内の遊離脂肪酸濃度が上昇していることによる健康被害は無いのかというのも心配です。
次に1ですが、
オオカミと犬の話は読んでおります。残念ながら、私はオオカミです。前の返信で、先生が、肝臓内血管で高血糖になっている可能性という話をされたので、これに関して、健康人で指先の血糖値測定で高血糖になっていない人でも肝臓内血管は高血糖になっている可能性があるのでしょうか。また、食後高血糖でも、糖尿病でもないのに肝臓が糖にやられたと思われるような症例はあるのですかというのが、直球の質問です。
2は先生のコメントに対する質問ではありません。糖質制限推奨で非常によく言われていることで、ミスリードしているのではないかと思い、質問させてもらいました。
糖から脂肪に変わることに関してですが、Yahoo知恵袋で見ました。
http://note.chiebukuro.yahoo.co.jp/detail/n204658
醜い言い争いもありますけど(笑)、
その中の論文のabstractへのリンクは生きています。
過剰なブドウ糖50gから脂肪14gしか生成しないのなら、そんな非効率なことをするより、体は糖の貯蔵量をある程度まで上げるというのは、納得してしまいます。これらが本当なら、グリコーゲンが過剰な状態になればDNLは起こるが、そもそも過剰な状態には馬鹿食いをしない限りはならないということになると思います。
もう一つ、質問です。
長期安全性に関して下の二つで紹介されている研究結果は、全く異なる二つの結果といえるでしょうか?
http://koujiebe.blog95.fc2.com/blog-entry-2419.html
http://koujiebe.blog95.fc2.com/blog-entry-3874.html
どの研究ともスーパーではないようなので、残念ながらスーパー糖質制限の長期安全性を示す研究結果はやっぱりまだないということになりますが、それとも私の理解が間違っているでしょうか。ブログの筆者には以前に質問しましたが、無視されました。私は糖質制限反対ではないんですけど(笑)。
カルピンチョ先生も最初の能登先生の論文については、以前に中程度の糖質制限は脂肪摂取が増えるとかえって危険かもしれないと述べておられたと思います。2番目の記事に載っている長期エビデンスの根拠とされている論文についての意見を聞かせていただけると幸いです。
よろしくお願いします。
Yujinさん
コメントを繰り返し拝見させていただいて、そして参考に上げられたページなどを見ていると、どうも個別の情報に振り回されていらっしゃるように思います。
しかも、ご自分の先入観を基にそれに合致する情報だけを拾い上げていらっしゃいませんか?
ウェブから何か一つの情報を手に入れて、それまでの自分の考えていることと異なり、
「あれあれ?」
と思ったときには、その情報だけに固執するのではなくて、その情報が扱っている問題に関して幅広い意見を全部集めて吟味し、その中からいろいろと判断されるのがよいです。
その例として、以前にオリーブオイルに関するわんわんさんからのコメントに私が答えた記事をご紹介しておきます。
http://xn--oqqx32i2ck.com/review/cat28/post_228.html
コメントそのものに対する回答はしばらくお待ちください。
それと、情報源として提示されている江部先生のブログ記事の、どの論文がYujinさんの意図されるものであるのか(そうでない場合は江部先生の記事が該当するものであるのか)を明確にしていただけますと助かります。
Yujinさんへ
(カルピンチョ先生、横コメント失礼します。)
インスリン抵抗性、インスリン分泌不全についてのみ、コメントします。
1.インスリン抵抗性については福田一典先生の次のブログ記事が参考になると思います。
376)人類は狩猟採集時代にインスリン抵抗性を獲得した - 「漢方がん治療」を考える
http://blog.goo.ne.jp/kfukuda_ginzaclinic/e/aeb5b8c47b417c987a1c6e2a46a13e3f
狩猟採集時代に近い低糖質食を復活させて生活すれば、身体の正常な反応として、低血糖で死なないためにインスリン抵抗性を高めて防御するようになる、というだけです。異常ではないと思います。
気になるのならメトホルミンを少量服用してみると良いかもしれません。私は個人輸入して1日に250mgを2錠飲んでいます。(インド製のジェネリックですが1錠10円以下で手に入ります。)
2.インスリン分泌不全とは1型糖尿病のことです。糖質制限しても基礎インスリンは分泌され続けています。低糖質食が1型糖尿病の原因になることは理論上考えられません。追加インスリン分泌の応答が鈍くなる事実は確認されていますが、通常は数日間多めの糖質を摂り続ければ復活するようです。
これが気になるのなら1週間に1日くらい糖質を多く摂取するチートデイをはさむと良いという論者もいますが、私は必要性を感じません。
先生、
江部先生の記事に紹介されている研究結果についてです。
論文自体を私は読んでいませんので、私の理解が間違っているかもしれませんが、異なる結果になっているように見えます。
最初の記事から抜粋
”4コホート研究(6サブグループ)のメタアナリシス。
糖質の割合を高い(60~70%)群に対する低い(30~40%)群のリスク比。
メタアナリシスの、対象者は27万2216人(女性66%、追跡期間5~26年)。
総死亡数は1万5981人。
糖質の割合が低い(30~40%)群と高い(60~70%)群を比較した結果、
総死亡リスクは低糖質群で31%、有意に増加した。”
二番目の記事から抜粋
1)ニューイングランドジャーナル掲載のコホート研究(冠動脈疾患)
低炭水化物・高脂肪・高タンパク食に冠動脈疾患のリスクなし。
82802人 20年間 2006年掲載 ハーバード大学
炭水化物摂取比率36.8±6.1%グループと58.8±7.0%のグループの比較。
一方総炭水化物摂取量は冠動脈疾患リスクの中等度増加に関連していた。
高GLは冠動脈疾患リスク増加と強く関連していた。
Halton TL, et al. Low-carbohydrate-diet score and the risk of coronary heart disease in women. New England Journal of Medicine 2006;355:1991-2002
3)前向きコホート試験NIPPON DATA80(心血管死、総死亡率)
前向きコホート試験NIPPON DATA80 9200人 29年間 中村保幸ら。
第10分位(糖質摂取比率51.5%)のグループは、
第1分位(糖質摂取比率72.7%)のグループに比べて
女性においては心血管死のリスクが、59%、総死亡リスクが79%、
男女合わせると、それぞれ、74%、84%しかないという素晴らしい結論で、糖質制限群の圧勝。
Br J Nutr 2014; 112: 916-924
4)上海コホート研究(心血管疾患)
「糖質摂取量により4群に分けて、
糖質摂取量が多いほど心血管疾患の発症リスクが高い」
女性:糖質264g/日未満、264~282g未満、282~299g未満、299g以上
男性:糖質296g/日未満、296~319g未満、319~339g未満、339g以上
11万7366人を対象に、調べた研究。
女性が6万4,854人で、平均追跡期間が9.8年。
男性が5万2,512人で、mannnin 平均追跡期間が5.4年。
Am J Epidemiol. 2013 Nov 15;178(10):1542-9.
Dietary carbohydrates, refined grains, glycemic load, and risk of coronary heart disease in Chinese adults.
糖質制限は危険かどうかというテーマなので、それに合致するものを拾い上げています。糖から脂肪の話は関係ないですけど。
よろしくお願いいたします。
OgTomoさん、
情報ありがとうございます。
時間があるときに読んでみます。
先生、
私は、医学に関係のあるものでなく、製造業で100万分の1の不良も気にするような環境で働いているので、こういう思考になってしまうのかもしれません。何人かの有名な糖質制限実践者が亡くなっていますが、当然、ものづくりと違って、人間の体は10人いれば10人違いますし、実際にどのような食事をしているのかを厳密に知ることはできないので、亡くなった原因を知ることは無理ですね。
私の業界では、同じものを作ることが基本で、最悪のことを考えて情報を批判的に見ます。英語ではクリティカルシンキングとか言いますね。
なので、私は糖質制限で今は血液検査の結果などすべて改善されましたが、それでも糖質制限でインスリン抵抗性が上がることによるデメリットは何かを考えてしまうんです。心配性です。体には良くないですね(笑)。
インスリン抵抗性をwikiで調べると、心筋梗塞や脳梗塞などへの根本的な原因とする考えがあると出ています。ただ抵抗性があがっても糖をとらなければインスリンがバリバリ出ることは少ないので違いますというのは想像できますけど、それ以上は私には分かりません。
今は素人でもネットでいろいろな情報にアクセスできてしまうのに、それを本当に理解するだけの基礎的な医学の知識が無いので、先生に質問をそのままぶつけさせてもらいました。
申し訳ありませんが、時間があるときに、回答していただけると幸いです。
Yujinさん
(横から失礼します)
長期的安全性について。江部先生の記事を良くお読みになれば分かると思いますが、医学論文には信頼性の高いものと信頼性の疑わしいものがあります。物理学や数学などの基礎科学の論文ならそんなことはないと思いますが、これは事実です。能登論文とよばれる最初に取り上げられた論文は信頼性が低くて結果は信用できません。
この論文に関してはカルピンチョ先生の次の記事は必読です。
朝日新聞に糖質制限を5年続けると命が危ないって出てたよ(笑)。
http://xn--oqqx32i2ck.com/review/cat31/5.html
能登先生の発表の食事内容を具体的に紹介しましょう
http://xn--oqqx32i2ck.com/review/cat6/post_159.html
マイルドな(中等度の)糖質制限で脂肪摂取が増えるとかえって危険かもしれない
http://xn--oqqx32i2ck.com/review/cat31/post_150.html
カルピンチョ先生の
「私のブログをまったく読まずに一方的に質問を投げかけるのはおやめください。」
という注意書きを再読されるべきかと思います。
OgTomoさん、
長期安全性は江部先生のブログを見ても分からなかったので質問しています。
カルピンチョ先生の以前の記事も見ております。
能登先生の発表の信頼性が低いとは無かったと思います。あれはメタアナリシスなので、手法にバイアスがかかっていたりすればそういうこともあるのでしょうが、そういう指摘も無かったと思います。見落としていたら申し訳ありません。あの発表では比較しているのが中糖質と高糖質で、中糖質のほうが死亡率が高いという結論でした。(ハンバーガーvs.牛丼)
二番目の江部先生の記事に紹介されている論文は私の理解が正しければすべて中糖質のほうが高糖質より安全だという結果です。
なので、この結果は相反していますか、それとも私の理解が間違っていますかという質問です。
スーパー糖質制限のような低糖質の長期安全性を示す研究結果はまだないのではないでしょうか。なぜ中糖質の安全性を示す研究結果はあるのに低糖質のものは無いのでしょうね。
Yujinさん
>スーパー糖質制限のような低糖質の長期安全性を示す研究結果はまだないのではないでしょうか。なぜ中糖質の安全性を示す研究結果はあるのに低糖質のものは無いのでしょうね。
・・・これ、本気で訊いてます?
あかんわ、もっと自分で調べて自分で考えてくださいな。
気分を害されたようで申し訳ありません。顔が見えない状態での意思の疎通は難しいですね。
本気で訊いていまするのですが、あきらめます。
今後もブログ、頑張ってください。では。
Yurinさん
ヒント1. 低糖質食の普及度。(大規模な統計が取れるだけの糖質制限者の集団がどこにいますか?世界的にも例外的な少数派です。)
ヒント2. カルピンチョ先生の記事のタイトルには、マイルドな糖質制限で脂肪摂取が増えるとかえって危険かもしれない、と書いてありますが。
Yujinさん
2016年の現在、ガソリン車とハイブリッド車はどちらも市販車15年以上実際に使ったデータが数十万台分ある。(高糖質食と中糖質食の長期摂取数万人分の比較データはある。)
だから長期耐久性について比較検討できる。(長期安全性や死亡率など比較できる。)
ところが電気自動車にはそう言うデータがないので、市販車の長期安全性がわからない。
(糖質制限には長期で比較検討したデータがない。)
・・・どうしてなんだ?
ガソリン車やハイブリッド車には存在する市販車数十万台以上を15年以上使って比較した長期安全性のデータがあるのに、最近話題の電気自動車にはどうしてそれが存在しないんだ?
長期安全性がわからない電気自動車には怖くて乗れないよ。
だからだれか、電気自動車数万台を10年以上使ったデータを俺に見せてくれ。
そしておれを安心させてくれ。
と、言ってるように感じたのです。
電気自動車は何十年もの歴史があるけれども、市販車が大量に売り出されるようになったのはごく最近ですよね。
だから、市販の電気自動車を何十万台も使った長期安全性のデータなんて、手に入れようがありません。
まだないのは当たり前だと思いませんか?
もう少し言い方を変えましょうか、
昔から知っている人は使っていた伝統薬を、大手の製薬会社が新薬として売り出したところに、
「その薬を数十万人で数十年間使った安全性がわからないから怖くて使えない、そのデータを誰か見せなさい。」
というようなものです。
そんな風に、答えようのないことの答えを要求して面白がってらっしゃるのかな?
と。
Yujinさん
Yujinさんが挙げておられる二つの異なる結果のどちらが正しいのかはっきり教えてくださいという質問ですが、私には答えようがありません。
中糖質食の集団と高糖質食の集団で安全性のデータが異なるのは、それぞれの集団を抽出する条件設定が全く違うからだと思います。
中糖質食摂取の集団の場合、複数のバイアスがかかると思います。
1.一緒に食べる脂肪の質
2.摂取する炭水化物の質や食べ方
3.運動の有無、年齢、性別、喫煙、飲酒などの生活習慣
4.比較する集団同士の遺伝子背景がどの程度均質なのか
これらがきちんとしてないとどのようにもバイアスはかかりうると思います。
4番目について説明すれば、食習慣や食嗜好が異なる集団では、脂質代謝や糖質代謝の遺伝的に持っている能力がすでに異なっている可能性があります。
脂質代謝が得意でない遺伝子背景を持っている人は炭水化物を好んで食べる可能性が高いと考えることが可能ですし、糖質代謝が得意でない遺伝子背景を持っている人は素の逆に、脂質の高い食生活を好むでしょう。
それらの集団が置かれている現代という世代で、それでも食の中心は糖質です。
この4番目のこと一つ考えても、後ろ向き研究の比較は抽出の仕方次第できわめてバイアスが大きいと思います。
私は話を単純化しようとしてハンバーガーと牛丼の話で説明しましたが、
Yujinさんの求めるレベルの厳密さを追求するとなると、
全く同じ食材を用いて、その組み合わせ比率を変えて、
母集団の様々な条件をできる限り同じにしてそれらの前向き研究をする
ということが必要です。
少なくとも、前向きのコホート研究だけで論じるべきだと思います。
その場合、数万人を数十年追跡する研究を行うために、いったいどのぐらいのお金がかかるでしょうか?
それを、誰が出しますか??
その非現実的な比較研究の答えがどこにもないといわれても・・・
ということなんですけど
先生、ありがとうございます。
アトキンスダイエットのころから安全性を議論されていて、これほどみな知りたがっている中で、糖質量の研究はいくつもあるのに、なぜそろいもそろって低糖質の群が一つも入っていないのだろうという素朴な疑問です。どちらにしても答えようの無い質問かもしれませんが、面白がって聞いたつもりはありません。時間の問題だけなら理解できますが、素人には分からない事情があるのかもと思った次第です。
先生、
私の質問は"どちらが正しいですか"ではありません。
"全く逆の結論になっているという理解で正しいですか"という確認です。
Yujinさん
>アトキンスダイエットのころから安全性を議論されていて、これほどみな知りたがっている中で、糖質量の研究はいくつもあるのに、なぜそろいもそろって低糖質の群が一つも入っていないのだろうという素朴な疑問です。
・・・そのことに対する答えが電気自動車のたとえです。電気自動車は試作車や手作りレベルでは昔から存在しますが、それが今の時代になってようやく、大手メーカーから市販され始めました。
疫学研究者が手に入れることのできた低糖質食実践者の人口もよく似た状況だということです。
仮に、低糖質食の実践者が世界中で1000万人いたとしても、それぞれ数億人は存在する高糖質摂取者や中糖質摂取者から背景要因(国籍、民族(遺伝子配列が似ている集団としての)、性別、年代、身長、体重、嗜好品の摂取、既往歴、現病歴、薬物摂取状況など)を合わせて十分な量をサンプリングするのに比べてきわめてハードルの高いサンプリングだと思います。
(疫学研究者が最初からそれを切り捨てているという可能性は否定しませんが)
(その理由としては1.念頭になかった。2.データが十分そろえられなかった。3.マイノリティだから比較の対象としてふさわしく無い、もしくは5.自分の立ち位置的に政治的に好ましくないから、などなど複数の理由は憶測できますが、どれも憶測にしかすぎませんので考えてもしかたがないとわたしは思います)
量産型の電気自動車と、糖質制限の実践者、どちらも、数万の利用者の数年以上にわたるデータなど集めようがありません、わかるのはこれから十年後とかの話でしょう。
と、まじめに答えて見たものの、
Yujinさんの本意は
「低糖質食実践者の疫学的データもあればいいのにねえ(笑)」
程度の意味だったとしたらごめんなさいどす。
Yujinさん
>先生、 私の質問は"どちらが正しいですか"ではありません。 "全く逆の結論になっているという理解で正しいですか"という確認です。
・・・はい、「その点だけ」に答えると全く逆の結論です。
しかし、糖質摂取量だけは似ていたとしても比較する集団や条件設定が全く別のものになっているので、比較すること自体が無意味である可能性があることに心置きください。←これはどうしてもつけたしたくなります。
Yujinさん
>私は糖質制限で今は血液検査の結果などすべて改善されましたが、それでも糖質制限でインスリン抵抗性が上がることによるデメリットは何かを考えてしまうんです。心配性です。
・・・糖質制限でインスリン抵抗性が上がることによるデメリットはなにか?
充電もできるハイブリッド車で、充電して電気だけで走っているとガソリンエンジンを使わないから、ガソリンエンジンの軸についたオイルが劣化してエンジンの回転が悪くなってしまう。だから充電して電気だけで走るのはガソリンエンジンに良く無い。
いざというときにガソリンで効率よく走れないではないか!
という考え方ですよね。
たしかに、東日本大震災の時のように避難所に菓子パン、おにぎり、カップ麺などの糖質以外の食べ物がない状況が長く続いたときには、厳しい糖質制限者だった人が受ける健康被害は高糖質摂取者に比べて大きなものになるかもしれません。
そう思うのであれば、ある程度の糖質摂取をしながら運動でなんとかする生活を続けられるのも一つの考え方でしょう。
もちろん、糖質制限者向けの非常食を蓄えておくという考え方もあります、私はそちらを選択します。
「それだと出張先で災害に見合われた時には対応できないではないか。」
と考えるのであれば、もちろん、糖質摂取して運動してください。
それぞれの好きにすればいいんです。←やっぱり結論はここ
Yujinさん
Yujinさんは独自の視点・こだわりをお持ちだと考えますし、それから離れるつもりはないと思います。
しかし、ここでの回答はもう控えさせていただきますね。
私自身がブログ記事を書く時間と元気がなくなります。
Yujinさんのようなこだわりはお持ちでない方から見たら不毛のやり取りですし。。
自分でお考えになって、自分で結論(推論)を書いてみて、ご自分のブログで世に問われてはいかがでしょうか?
これにて終了させていただきます、時間は有限ですから。
先生、
ネットであふれているいろんな情報を正しく理解したいと思い、質問させていただきました。
ただあまりにも先生の時間を使わせてしまっていたので、もうここで質問するのはやめようと思っていました。
ありがとうございました。これからも頑張ってください。
Yujinさん
>先生、 ネットであふれているいろんな情報を正しく理解したいと思い、質問させていただきました。
・・・私のブログの記事とコメントのやり取りを全部読んで、それらを統合して吟味して考察していただければわかる質問が多かったと思います。(たとえここでとり上げていない論文に関する情報であったとしても)
がんばってください。
頸動脈エコーを4年間、毎年の人間ドックで実施している、もさ@北の住人です。
カルピンチョ先生、ご無沙汰してます。n=1ですが、Max-imtと脂質代謝系血液検査データを合わせて時系列表にしてみました。
2014年度の人間ドック直後に所謂スーパー糖質制限を開始、2015年度から頸動脈を超音波検査で定点観測開始(勿論自費笑)。
年度/Maximt/Tc/HDLc/LDLc/TG
2012/計測無/ 196/ 49/112/192
2013/計測無/ 175/ 53/ 99/103
2014/計測無/ 168/ 77/ 83/ 71
2015/1.1/ 168/ 73/ 88/ 59
2016/1.1/ 182/ 74/ 95/ 78
2017/1.1/ 175/ 72/ 88/ 73
2018/1.1/ 183/ 87/ 87/ 80
観測開始後4年間、頸動脈Max-imtは1.1ミリで不変、プラーク+判定、石灰化-判定も変化無しです。肝機能や糖代謝系の数字も1年で判定医が驚愕するほどピカピカになりましたが、不死身になったわけではないと思います笑。BMIは20から21をうろうろ、こちらも不変です。
アラカンにして生涯最高の体調を実感できてるのが何より嬉しいです。(別件ですが、アルコールに弱くなる病?は進行中です)
>もささん
ご無沙汰しています。
貴重なデータの公開ありがとうございます。
糖質制限によりHDL/LDLバランスはみごとに改善、TGも下がり続けているものの、糖質無制限だったころの動脈硬化はそう簡単には良くならないということですね。
基本的には高血糖(に続くインスリンシグナル)は腎臓や網膜などの末梢血管の硬化や血管新生を進め、大血管の硬化を進めるのは脂質高値と炎症であると考えられます。
糖質制限によって網膜症や腎症は改善するものの、大血管の硬化はそう簡単には元に戻らないということなのでしょうね。
私も気を付けます、100㎏近い体重だった時代の遺産は大血管に残っていますからね。