低糖質食と高糖質食の食後の血糖値の変化
食後血糖上昇は、インスリンの分泌が悪い、もしくはインスリンの効きが悪い糖尿病患者にとって重大な問題です。
小麦粉や白米、砂糖などの精製された糖質を摂取することによる急激な糖質吸収はそういう人たちの血糖値をものすごい高さまで一気に押し上げます、そして、インスリンがないので長く低下しません。
高血糖状態が続くことで、血管がぼろぼろになり、致死的な糖尿病合併症も進行していきます。
では、一般人ではどうなのか?
一般人ではインスリンが正常に分泌されるので、食後高血糖は存在しないかのように言われますが、精製さたれ糖質をたくさん食べた直後に、本当に血糖値の上昇はないのでしょうか?
ここに面白いグラフがあります。
このグラフは、同一人物で、二つの異なる食事をした後の食後血糖変化を追跡したものです。
以前の記事でも紹介した「The Food Revolution - AHS 2011」からの引用で、これは講演をされているスウェーデン人医師のAndreas Eenfeldtさんの食後血糖変化です。
モスグリーンのライン、食後に血糖値がほとんど変化しなかった食事がこちらの画像です。
大きなステーキに、バターたっぷりのソース、付け合せに少量の野菜です。
日本でも1970年代にはレストランでステーキを食べると必ず載っていたのがバターソースでしたよね、エスカルゴバターってやつ、こんなにたくさんではありませんが。
極めて高カロリーで高脂肪のバターソースこてこてのこの特大ステーキを食べても、血糖値の変動は全くと言っていいほどありません。
ステーキ肉にかぶりついても、血糖値変動には何の影響も与えないのです。
一方で、血糖値が激しく上昇して低下している赤いラインを生み出したのがこちらの食事。
ツナサンドイッチ、りんご、ヨーグルトにチョコレートバーです。
上のステーキディナーに比べればぐ~~~っと低カロリーですが、はるかに高糖質ですね。
カロリーに関係なく、糖質摂取量が血糖に影響を及ぼすということを如実に表しています。
確かに、インスリン開発以前の糖尿病食では禁忌の食べ物のオンパレードです。
これはどういう食事かと言えば、2010年の世界糖尿病学会のランチメニューとして提供された「肥満予防食」だそうです。
カロリー制限だけを考えて栄養素がなんであるのかをまったく無視した低カロリーランチメニュー。
そんなものが2010年の世界肥満学会で提供されたのを見て、思わず画像を撮ったそうです。
この世界肥満学会で提供されたランチメニューをいただくと、食後1時間の血糖値が180付近まで跳ね上がります。
IDFの基準では、食後いかなる時点での血糖値も160を超えるべきではないとされていますので、それを完全に逸脱した食事内容です。
さらに、跳ね上がった血糖値が急下降しているのは急速に大量に分泌されたインスリンの効果ですが、それは効きすぎて、一時期、ベースラインの血糖値よりもはるかに低いレベルにまで落ち込んでいます。
糖質たっぷりのご飯、たとえばうどんとか約ごはんのセットなんかをランチでいただくと、その後、午後3時過ぎぐらいにものすごく眠くてだるくて生あくびが出たりしませんか?
それは過剰に分泌されたインスリンにより、このような低血糖状態になっていることが一因であると思われます。
このグラフの底に落ちた部分、そこがまさしく午後3時から4時ぐらいの低血糖状態なのですね。
このしんどさ、午後3時のおやつにスイーツを食べると解消されるのは皆さんご存知の通りです。
(砂糖でもっかい血糖値が上がるだけの話ですけどね。)
もちろん、スイーツを食べて補正しなくても、正常な人では、やがてはインスリンに拮抗するグルカゴンなども分泌されて、ベースラインまで上がっていきます。
(そのまま下がり続けると危険ですからね。)
でも、激しく上がったり下がりすぎたりで、この間、あなたの血管内皮細胞や脳細胞は激しい血糖値の乱高下にさらされるわけですね。
高糖質の食事というのはこのように我々の身体に激しい負荷を与える食事であることを忘れてはなりません。
低カロリーにしたところで糖質をたくさん食べてしまえば身体にとって大変危険だことだということ、「世界肥満学会」のランチ担当者が反面教師として教えてくれたわけですね~よかったですね~(笑)。
・・・こんな食事を推奨しているのが世界肥満学会であり、日本糖尿病学会なわけです。
糖尿病の、あるいは境界値の糖尿病予備軍のみなさん、メタボで高血圧や肝機能異常を指摘されている皆さん。
自分の身体は自分で守ることが大事ですよ。
自分のあたまで考えて、納得のいく食事をして、後悔しない人生を送ってください。
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スポンサードリンク 2012年8月25日 01:43 スポンサードリンク
はじめまして。団塊の世代のmojoと申します。
実は7月に肝臓の感染症で緊急入院し、死にかけました。何とか生還したら重度の糖尿病と診断されました。そのままインスリン投与が始まりました。
そこで気になったのが病院の食事です。血糖値が高いのに更に上げるような「一般食」が出され、飯も180gでした。恐らく糖質60%ということなのでしょう。
さらに驚いたのは点滴が始まったら血糖値が400近くまで跳ね上がったことです。それでも食事は変わらず「完食しなさい」というものでした。
点滴は感染症治療に不可欠だとしても、食事内容が全く変わらないのに驚きました。感染症がひどくなったのは糖尿病のせいだと言いながら、食事は変えないんです。それで薬剤やインスリン依存の糖尿病治療に疑問を持ちました。「何で血糖値を下げるのに一旦上げてしまうのか?」と。
そこでネットで調べて糖質制限食に行き着きました。現在は本を取り寄せたりネットで勉強しています。
江部先生は「とにかく試してみなさい」と仰ってますので、1日血糖検査をしながらトライしようと思っています。勿論その前に色々調べてからですが。
私の住んでいるところは医療過疎で最寄の病院には週一日しか糖尿病の先生が来ません。その他の日は何かあっても相談できないんです。
そんな訳で手探りですが、少しずつ試そうと思っています。これからも参考にさせて頂きますので、よろしくお願い致します。
mojoさん
はじめまして。
感染症からの生還、おめでとうございます。
そして、血糖値を跳ね上げる点滴に一般食を強制してのインスリンでの治療の矛盾、気づかれておめでとうございます。
ほんとに、なぜ少なからぬ数の糖尿病専門医は自分たちがやってる医療が「マッチ+ポンプ」であることを指摘されてもかたくなに「これでいいのだ~♪、これで、いいのだ~♪ ぼんぼん♪(以下自粛)」と未だに胸を張れるのか、不思議な限りです。
ただ、もしも現在インスリン投与中、あるいはほかの血糖降下剤(特にSU剤)内服中であれば、糖質制限実践にはものすごく慎重に取り組んでください、書いてらっしゃるようにこまめに血糖チェックして気を付けてください。
「糖質制限+血糖降下薬物治療」は、火をつけてない家に消防車で放水することになり、家が壊れる可能性がありますので
繰り返しになりますが、血糖をチェックしながら慎重にお願いします。
薬物フリーで糖質制限されているのであれば問題ないですけれども。
すみません。昨日の書き込みの血糖値は夕食前30分の空腹時血糖値です。290~388が5日間続きましたが、糖尿病の専門家が来るまで放置されました。朝食および昼食前空腹時は250前後でした。来た後はインスリンが2単位追加されました。
素人考えですが、疑問を感じました。炎症があることと点滴のためだと説明されましたが、このような高い血糖値を5日間放置してもいいのでしょうか?
mojoさん
放置すべき血糖値ではないと思います。
かつて、術後の管理でも200までは許容範囲にしていました。
低血糖を恐れるあまりです。
現在ではもっと下げるようにという考え方になっているようですが、ICUの先生たちの間でそれが話題になったのでさえ7~8年前ぐらいからです。
残念ながら、さらにそれがすべての医療機関に伝わっているわけではないと思います。
mojoさんのかかられた病院は血糖管理に自信がない(命にかかわるような低血糖だけは避けたい)先生方だったのかもしれませんね。
周術期の血糖管理
http://www.nms.ac.jp/hokuane/protocol_4.html
たがしゅう先生のブログにも考察がありましたので読んでみられるといいかと思います。
点滴と糖質制限
http://tagashuu.blog.fc2.com/blog-entry-65.html
術後の血糖管理をきちんとやることは患者さんの体にとってはよいことです、ただし、持続観察機器がたくさんない医療施設の場合には医師や看護師が張り付いて1時間おきにチェックし、それによりインスリン調節するなどの指示を出すことにならざるを得ず、マンパワー的に厳しいこともありますね。
(私が研修医の時には糖尿病の人の術後は泊まり込んで1時間おきに血糖チェックするということをやらされていました。200までは経過観察、2回連続して200を超えたら内科の指示に従って計算してインスリンを追加しろという上司からの指示だったと思います。翌日も通常勤務ですから、糖尿病の方の手術が続くとかなり大変でした。)
mojoさんの場合、昔の基準から考えても下げるべきだったとは思います。
ただ、それまですでに糖尿病で高血糖状態が続いていた方が急性肝炎になったのだと考えると、その状況でどのぐらいのインスリンをどういうタイミングで投与すればいいかについては試行錯誤で行くしかなくて、専門家が来るまで手を出さないようにしようと消極的になったのもまあ、わからないではないですね。
歯切れ悪くてすみません。
今日、地域医療で信頼している内科の先生に糖質制限食について聞いたら、この理論はアメリカで5月に発表されたデータで完全に否定されましたと言われました。
その内容は糖質制限をして野放図に資質を摂り続けた人の脳卒中による死亡率が高くなったと云うものでした。
しかし、これは糖質制限と直接因果関係のある話ではありませんよね?どのような割合で脂質をとり続けたらら、とか、糖質をどの程度制限したらそのような結果になるのか?何も仰いませんでした。
医学って科学じゃないんでしょうか?何か必要条件も十分条件も分かっていないのかと勘ぐってしまいます。
ご意見をお聞かせ下さい。ちなみにこの先生はとても信頼のできる方です。
mojoさん
意見も何も、文献名も何もわからない話には答えようがないです。
参考までに以下の事実があります。
ついこの前、2013年10月9日
食事療法に対するアメリカ糖尿病学会の公式声明が5年ぶりに発表されています。
Statement Notes: When It Comes to Nutrition, There is No “One Size Fits All”
http://www.diabetes.org/for-media/2013/american-diabetes-association-releases-nutritional-guidelines.html
糖尿病ネットワークさんで掲載されているので日本語の要約を読んでみてください。
http://www.dm-net.co.jp/calendar/2013/020901.php
ADAが新しい食事ガイドラインを発表 食事療法の個別化を提唱
2013年10月18日
米国糖尿病学会(ADA)は、新しい「食事療法に関する声明」を発表した。「糖尿病患者の食事スタイルは多様であり、ひとつだけのやり方が正しい食事療法とはいえない。医師や管理栄養士が、個々の患者の生活スタイルに合わせて指導を行うべきだ」と強調している。
すべてにフィットするものはない
個々の患者に合わせた食事指導を奨励
ADAが今回発表した「Nutrition Therapy Recommendations」は、10月9日付けで医学誌「Diabetes Care」に掲載された。前回(2008年)から5年を経た改定で、最新の科学的なエビデンスにもとづき策定されている。
今回の改定で強調されているのは、「個人の好み、文化背景、生活習慣、治療目標など、糖尿病患者の背景はさまざまなので、個々の患者に合わせて食事指導を行うべき」とし、「すべてにフィットするもの(One Size Fits All)はない」とした点だ。「食事療法は糖尿病治療の基本であり、すべての患者が行うべき。患者自身が積極的に自己管理や教育に関わり、食生活の見直しを含む治療プランに医療者と共同で取り組むことが重要」と強調している。
「糖尿病患者の食事スタイルには、さまざまな食事スタイルがあり、健康にあらわれる効果も多様であることが示されています。“このやり方が正しい”と限定するための科学的な根拠は不足しています。そのため、最新の糖尿病の食事療法ガイドイランでは、1種類の食事スタイルのみを推奨してはいません」と、ミネアポリス心臓研究財団のジャッキー バウチャー氏は話す。
食事療法の目的は、血糖値や、コレステロール値などの脂質異常、血圧値を改善することが目的で、そのための方法は個々の患者によって適正化される必要があるという。
地中海式ダイエットや、菜食主義ダイエット、低糖質ダイエット、低脂質ダイエットなど、さまざまな食事法があるが、重要なことは、患者の食習慣や嗜好などの生活スタイルに適合していて、食事療法を続けられることだという。「行いやすい食事療法を選択して、それをより健康的に変えていく方法が実際的だといえます」と、バウチャー氏は言う。
「糖尿病と診断されたからといって、好きな食品を食べられないわけではないし、慣れ親しんだ食文化を楽しめくなるわけでもありません。望ましいのは、糖尿病患者が医師や登録栄養士(RD)の適切なアドバイスを受けて、個々に適正化された食事療法を行うことです」と、ワシントン大学医療センター糖尿病ケアセンターのアリソン エバート氏は話す。
mojoさん
つまり、アメリカ糖尿病学会は糖質制限を否定したりしていません。
さらに、日本糖尿病学会のように「糖質60%のカロリー制限が絶対正しい!」なんてことを押し付けるようなことはしていません。
大前提が、「適切な栄養摂取比率があるかどうかわからない」というスタンスです。
アメリカ糖尿病学会は糖質制限を否定していません、容認しています。
ありがとうございました。更に糖質制限食の勉強を続けたいと思います。
江部先生の本は何冊か拝読しているのですが、そのどこにも「野放図な脂質の摂取オーケー」とは書かれていませんでした。それと、知り合いの先生が仰って」いた「完全に否定された」というのが気になりました。信頼出来る先生なんですが
mojoさん
その先生が言っていることが、我々「糖質制限肯定派」のいうこととあまりに違うので、いったいどちらが正しいのですかということをお聞きになりたかったのでしょうか?
私もほんの数年前までは「糖質60%摂取のカロリー制限」こそが正しい食事だと信じていましたよ。
医学部でも卒業後もそう教えられてきましたから。
ですが、自分でやってみて劇的に体調が変化したことに驚いて、自分で海外の文献を読み、理屈を判断して納得できたので、糖質制限開始後1年ほどたってこのブログを開始したのです。
自分の身体を通して実験して、自分の頭で考えて、「糖質制限こそ理想の食事スタイルである」、さらに「糖尿病の食事療法に最も適しているのは糖質制限である」との結論に到達しました。
その知り合いの先生が「信頼できる先生」だとして、その方の知識がどのような根拠に裏付けられているのか、わたしにははかり知ることができません。
私は、自信をもって「糖質制限が糖尿病の食事療法としてベストチョイスである」と言い切れます。
実はこの先生の診療所が一番近く、去年亡くなった母親や存命の父親がお世話になっているので、この先生に相談してお世話になろうと思っていたんですが、「糖質制限療法は完全に否定されました」と聞いて諦めました。(不確かですがADAが5月に発表した、と仰っていたような気がしますが、読ませて頂いた限り、そのような記述は全くありませんね)
色々個人的な事情があり糖尿病の悪化を防げなかったので、現在は糖尿病の治療が一番の課題です。隣の県の病院に糖質制限にご理解のある先生がいらっしゃるようなので、近々相談してみようと思っています。
ありがとうございました。
先生はじめまして、トムソーヤと申します。
50代後半の肥満親父が糖尿病と診断され、
頭の固い親に変わって治療法を探しているところです。
先生が
>私は、自信をもって「糖質制限が糖尿病の食事療法としてベストチョイスである」と言い切れます。
と書かれているので、お忙しいところ恐縮ですが、基本的な事をお聞きしたいです。
これなどを読むと、
ttp://www.nutritio.net/kiban2/ronbun/kasaoka02.htm
疫学研究では「脂肪摂取量の高いヒトは空腹時の血中インスリン値が高い」
また、冷静なことを書いておられるような気がするここでも
ttp://d.hatena.ne.jp/doramao/20131007/1381130659
疫学で「飽和脂肪酸の血管イベントへのリスク*2は明らかなのだから」と言っておられます。
注を読むと
「生化学的に考えればインスリン抵抗性のリスクファクターとなるわけで、切実な問題でしょう」とのこと。
疫学の詳しいことはわからないのですが、
そうした研究では、何か見落としがあるのでしょうか?
体のなかを見ている化学?でも
飽和脂肪酸がインスリン抵抗性云々とあり、
肥満親父なのでインスリン抵抗性もあるのかと思われ、
そういう時には、糖質制限をするにあたっても
飽和脂肪酸を避ける必要があるということでしょうか?
宜しくお願い致します。
トムソーヤさん
初めまして。
これらのデータや論拠ですが、「糖質を従来通りに摂取しながら脂質摂取量をあげていった場合の研究結果」を基に論じられているものがほとんどであるということ、まずそれを考えなくてはなりません。
糖質制限した状態での脂肪酸摂取量の比較ではないのです。
糖質は速やかに吸収され、これが食後高血糖を促し(糖尿病患者か健常人かで数値はもちろん違います。)、インスリンが分泌されます。
これはブドウ糖を吸収するだけでなく、肝臓での「ブドウ糖を脂肪に変える」という反応につながります。
(実際、血中コレステロールの80%は肝臓で生成されており、食事内容から反映されるのはわずかに20%です。)
糖質を50%も60%も摂取しているときに脂肪も同時に摂取すればどうなるでしょうか?
糖質から作られた内因性の脂肪は体内にあふれかえります。
そこに食事から入ってくる脂肪はもうひと押し、脂肪の量を増やすでしょう。
そのときに食事からくる外因性の脂肪の行き場はありません。
内因性の脂肪(肝臓で糖質から作られる脂肪)だけでもうんざりするほどあるのに、そこにさらに加わった食事由来の脂肪は肝臓や脂肪細胞に空きが出るまでさまよい続けるか、不定沈着(フォアグラ、動脈硬化や霜降り肉の完成です)に至ります。
糖質をたくさん食べている人(普通の日本人の食事)で比較すれば、脂肪を大目に摂取している人の方が心血管系のイベントが増えるのはそういう理由です。
これが、「食の欧米化が日本人にメタボや糖尿病を招いているのだ!」と主張される先生方の根拠になってしまっていると思われます。
ところが、糖質を制限すれば、糖質は脂肪に変換されません。
内因性の脂肪は必要最小限しか作られなくなります。
また、アミノ酸から糖新生を行う際のエネルギーとして脂肪は必要ですから、食事から摂取した脂肪はどんどんエネルギーとして消費されます。
飽和脂肪酸を避けるべきかどうか悩んでる人のほとんどは「糖質を50%も60%も摂取しながらその時の脂肪の効果を考えている」人たちです。
糖質制限している立場から見ると、乗ってる土俵がまったく違うのでばかばかしい議論してるなあと思うだけです。
ただし、糖質制限した場合にも、脂肪の質が心血管系のイベントの起きやすさと関連する、という話があります。
これはしかし、糖質を30%~40%摂取している人での話です。
糖質を30%~40%摂取している人が植物性脂肪を摂取した場合と動物性脂肪を摂取した場合では、植物性脂肪中心に摂取した人では良い結果が出るけれども、動物性脂肪を摂取した場合は心血管系イベントが起こりやすいというものです。
これも能登先生あたりが「糖質制限はだから危険なんだ」と叫ぶ根拠なわけです。
ですが、糖質を30%~40%摂取している人の体内では糖質はやはり余るので、脂肪にどんどん変換されます。
やはり内因性脂肪がたっぷり作られている状態です。
そこに外因性の脂肪で質の悪いものが入ってくれば、それが不定沈着することによる血管障害は起こりえます。
ということで結論を申し上げまあす。
糖質摂取量を全カロリーの10~15%程度に抑えていれば脂肪の質なんかどうでもいいです。
糖質摂取量が30%を超えるあたりからは脂肪の質に注意することが大事になります。
そういうことです。
お父上が「本当に糖質制限(できるかぎり20%以下)できる」のであれば肉でも大豆でも好きなもの食べてよいです。
お父上が「ちょっとだけ糖質制限しよう(30~40%)」というのであれば、脂肪酸の質には注意した方がよいでしょう。
先生、明快なご説明ありがとうございます。
時々テレビなどでも糖質制限の効果の報道を見ていました。
オヤジの糖尿病発覚で「これだ!」と思ったものの、
少しネット情報を見てみると、様々なことが言われており、
正直不安も頭をよぎりました。
よくある一過性のダイエット情報ではないかと。
今回、先生に質問し解答を頂き、
これを薦めてみようと思います。
あとは本人が納得し、どこまでやれるかという
大きな問題がありますが。
何しろ頭がカチカチ、
日本人はコメだろう!と
明治時代のような事を言っていますから。
本日はお忙しいところ、本当にありがとうございました。
脂肪とインスリン抵抗性については、厚生労働省の作成した日本人の食事摂取基準(2010)p79-80 をご覧ください
http://www.mhlw.go.jp/shingi/2009/05/dl/s0529-4g.pdf
精神科医師Aさん
ありがとうございます。
・・・膨大ですね。
トムソーヤさん
返信さしあげた内容に関して精神科医師Aさんからコメントやメールをいただいています。
私の回答内容がずれているとのご指摘のようで、文献をいただいているのですが、まだ読めていません。
それらをよく読んでから改めて返信させていただきます。
重ね重ね申し訳ありません。
精神科医師A先生
資料をありがとうございます。
読んでみましたが(?)、高卒のアタマでは歯がたちません(´;ω;`)。
>これらの結果は、飽和脂肪酸の摂取増加により、肥満またはインスリン抵抗性(肥満とは独立して)を生じ、糖尿病の罹患が増加する可能性を示唆している。(81頁)
(飽和)脂肪摂取が、肥満とは独立してインスリン抵抗性を生じる。
そうならば、それがさらにインスリン分泌を要請するので、
脂肪を摂るとインスリンが多く必要になる
糖尿病学会は正しい!?(°д°)
沈没です 。゚(゚´Д`゚)゚。
カルピンチョ先生、
お手数ですが、宜しくお願い致します。
トムソーヤさん
まだ読んでないです(^^;)
今週は公私にわたってなかなかハードです。
今少しお時間を。
私個人の経験から言えば、健康診断の検査数値はもちろんのこと、血管年齢とか肌年齢とか見た目とか、ぐっと若返ってますし、元気ですし。
糖質制限の好影響の前には飽和脂肪酸摂取の影響なんてなんにも感じてないんですけどね。
でも、さらに徹底的に気を使えば30代前半まで若返るんだったら、すげー頑張ります(笑)。
ちょっと前に投稿したmojoです。
今回高雄病院からご紹介頂いた諏訪中央病院の長坂先生を頼り、山梨の病院から中央病院に転院しました。こちらの整形外科の治療で足首からの切断は免れることができそうです。
そして何よりも来週から半分自前の糖質制限食を認めて頂きました。これは病院食から糖質を除外し、足りないタンパク質や脂質は持ち込んだ食料で補うというものです。これを内科の主治医(糖尿病)が認めてくれたのです。これで手術を待ちながら糖質制限ができます。血糖値が下がれば手術後の回復にもいい影響が出ると思います。
また結果をご報告します。
mojoさん
理解のある病院で治療を受けられてよかったですね。
食後高血糖がなくなるだけでもどれほど血管が柔らかくなるかは、糖質制限して血圧が下がる人が多いことからも明らかですしね。
無事に手術が進んでいますことをお祈りします。
新年おめでとうございます。その後のご報告です。
12月2日に手術を受けました。最小限の切除ということで左足つま先が切除されました。すね・ふくらはぎの筋肉と足をつなぐ部分は残して頂いたので問題無く歩けます。傷の付きも良く、明日退院になりました。
現在の血糖値は空腹時80~110、食後2時間値で100~140くらいです。1日4回だったインスリンは眠前のトレシーバ7単位だけになりました。今後も少しずつ減らして行きたいと思います。
糖質制限食を始めて2ヶ月近くになりますが体調も良く、ストレスは全くありません。これで退院したら更に食事が楽しみになりそうです。
mojoさん
手術お疲れ様でした。
また、切除部分が少なく済んだということで何よりです。
残った部分を大事にしてしっかりリハビリを進められてください(と、私から言うまでもなくやっておられるのだと思いますが^^)。
糖質制限を始められて、本当に良かったと思います。
それを理解していただける病院での手術も良かったです。
インスリンをこのまま減らしていって、完全にインスリンフリーになれたらベストの結果ですね。
おめでとうございます。
今では1枚目の画像のような料理が記憶にある人は少ないかもしれません。フライパン以外の調理器具がないと火が通らない厚さの肉にバターでモンテしたソース、そして少量の野菜……。
先日、某トラットリアでどうみても医療関係の方々がパスタ→リゾット→パスタ→デザート(チーズは飛ばし)を甘口のスプマンテとオレンジジュースで召し上がっていました。客単価1万ぐらいの店なんですけどね。
自分で言った事をひっくり返すのもアレですが「安くてすぐ口に入れられる物」じゃなくても、糖質になびくもんなんだなぁ人間は。いや、ホント注意しないと。
でも医学系の学会なら予算もあるだろうから業者も、オーダーがあればコール・ミート主体のケータリングを用意できたと思うんです。それをやらなかったのは、学会事務局から何のリクエストも無かったんでしょう。「低カロリーでよろしく」というオーダー以外は。
>おにくやさん
テフロン加工のフライパンが当たり前の世の中になっちゃいましたからねえ。
>先日、某トラットリアでどうみても医療関係の方々がパスタ→リゾット→パスタ→デザート(チーズは飛ばし)を甘口のスプマンテとオレンジジュースで召し上がっていました。
・・・最低ですね(^▽^;)。
>でも医学系の学会なら予算もあるだろうから業者も、オーダーがあればコール・ミート主体のケータリングを用意できたと思うんです。それをやらなかったのは、学会事務局から何のリクエストも無かったんでしょう。「低カロリーでよろしく」というオーダー以外は。
・・・いや、むしろ、パスタ主体でデザートも充実させて、ってオーダーがあったのかもしれないです。
自分でパスタを手打ちするのが週末の楽しみ、そこにおいしい果物とケーキを添えて幸せ、なんて先生もけっこういらっしゃいます。
そういう先生に糖質制限のことを言うと、うれしげに能登先生の研究の話を持ち出してきて「糖質制限は体に悪いんだよ!」と力説されたりします。
そしてご本人はお腹ポッコリですから面白いですよ~。
で、そういうお医者様を当て込んだ深夜営業のトラットリアが都心に開店しておりますというのは公然のヒミツw。
早食いだから回転率もいいのですよ。しかもパスタなんざバイトさんがチルド品をラーメン屋のように鍋にぶち込んでタイマーセットしておしまい。ついでにタルトも冷凍品をオーブンに入れておしまい。
私が密かに「糖質トラットリア」と呼んでいるこのお店、専門誌が取上げるほどの繁盛店ですが、繁盛している理由は主たるお客さんが医療関係者で糖質大好きで早食いだからというのはもちろん公然のヒミツですww1時間居ないで客単価平均8000円というのは凄すぎです。恐るべし医療関係者。
>おにくやさん
>そういうお医者様を当て込んだ深夜営業のトラットリアが都心に開店しておりますというのは公然のヒミツw。
・・・神奈川の田舎者だから知りません。(;^ω^)
キッチンはバイトが賄うファミレス状態ですか。
深夜営業だとそれしかないですよね。