ジョスリン糖尿病学では40%以下の糖質摂取を推奨しています。
糖質60%が標準食であるとする日本の栄養学の根拠について考察した前の記事に対して精神科医師Aさんからコメントいただきました。
そして、ジョスリン糖尿病学に記載されている「2型糖尿病患者、もしくは耐糖能異常やリスクの高い肥満者に勧めるべき栄養指導」について読ませていただきました。
ジョスリン糖尿病学 第2版
この世界で最も権威のある糖尿病学の教科書の2005年に発行された改訂版、その記載内容について転載させていただきます。
「Joslin糖尿病センターは最近太りすぎや肥満合併2型糖尿病患者の食事療法勧告を改定した。
血糖コントロールと減量を達成するための食事療法を定めるためにさらに研究が求められるが、われわれは、負のカロリーバランスとする食事計画を個々の患者ごとに決定する際には以下の勧告を使用している。」
「炭水化物 総カロリーの40%以下とし、野菜、果物あ、そのまま砕いた穀物のような低グリセミックインデックス食を主な摂取カロリーとするべきである。
細かく砕いた穀物、パスタ、パン、シリアル、いもといったでんぷん質の食品はできるだけ避けるべきである。」
「タンパク質 筋肉とエネルギー消費をまかなうために、総摂取カロリーの30%はタンパク質とすべきである。望ましいタンパク源は、赤みやひき肉より、魚類、特に冷水魚で、鮭、マグロ、イワシ、そのほか、鶏肉、七面鳥、他の食用鳥類、大豆である。
さらに、タンパク質は満腹感を増し、低たんぱく食は食欲を増してしまうというデータがある。
たんぱく食は患者が望ましい低カロリー食を達成し維持するのを助ける。」
「脂質 脂質は毎日の総カロリーのうち30%とし、主に一価と多価不飽和脂肪酸(たとえば、木の実、オリーブオイル、キャノーラ油)と魚類から摂取すべきである。
ωー3脂肪酸を多く含有していればもっと良い。
牛肉、豚肉、羊肉のような飽和脂肪を多く含む肉、高脂質の製品は少量にすべきである。
同様に、トランス脂肪酸を多く含む食品は避けるべきである。」
ちなみに、この本の英語版が出たのが2005年のこと、その日本語翻訳版が出たのが2007年のこと、そして、その監訳者に名を連ねているのが誰あろう東大病院長で日本糖尿病学会理事長の門脇孝先生です。
その門脇孝先生の言葉によると、
「炭水化物を総摂取カロリーの40%未満に抑える極端な糖質制限は、脂質やたんぱく質の過剰摂取につながることが多い。短期的にはケトン血症や脱水、長期的には腎症、心筋梗塞や脳卒中、発がんなどの危険性を高める恐れがある」
「現在一部で広まっている糖質制限は、糖尿病や合併症の重症度によっては生命の危険さえあり、勧められない」
ということで、ご自身が監訳した世界的に有名な糖尿病学の教科書の内容を真っ向から否定なさっています。
「40%以上の糖質を維持しなければならない」というのは、きっとご自分の根拠があっての主張であると思われますから、今後、その根拠をきちんと示してくださることを期待します。
私はJoslinの糖尿病学の推奨に従って、40%以下の糖質制限をこれからも進めていきますし、私の周囲の方々にはその有効性と根拠について説明し続けていこうと思います。
私が理論的に納得できるのは糖質制限の方でしかありませんから。
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スポンサードリンク 2012年8月17日 22:05 スポンサードリンク
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