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健康体重なんてどうでもいいから美容体重をキープしたい場合


美容体重と健康体重について、前の記事で書きました。

長く糖質制限を続けていると再び太り始める人が少なからずいらっしゃるという事実に合わせてです。
http://xn--oqqx32i2ck.com/review/cat9/post_254.html

それは人類が生き延びるために数十万年かけて獲得してきたサバイバル能力が働き始めたからである。

と説明しました。


人類は何度も飢餓を乗り越えてきました。

それを乗り切るためには少しでもたくさんの皮下脂肪を蓄えておくことが重要です。

いざという時の飢餓に対処するために必要な体脂肪を蓄えておき、体の要求する体重まで体脂肪を貯蓄しようとするのは生き延びるための本能なのです。


このため、どんな食生活であれ、安定して食べ続けることができればその中から少しずつ少しずつ、体脂肪を蓄えることができるようになります。

爪に火をともして貯金するように、わずかな糖質でも、それを効率よく体脂肪に変えることができるようになってしまいます。

だからダイエットに成功して、その食生活を続けているにもかかわらず再び体重が増え始めて小太りになったとしても、健康の上では問題はない場合が多いのです。


「それでは納得できません!自分が理想とする体重までともかく痩せたい、理想とする体型になりたいのです!」

そういう人がどうすればいいのかの解説がここからです。




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<糖質制限+カロリー制限で浅田真央さんみたいになれる?>

「健康は最低限キープできて、自分の理想とする体重まで痩せたい。」

とはいえ、

「糖質摂取にはいまさら戻りたくない、緩めの糖質制限は続ける。」


そういう方々がしばしばたどる道は

食事(基本は糖質制限食)を摂取する量を、目標とする体重が維持できるまで減らす、つまり糖質制限にカロリー制限も組みあわせる。

というものです。


これ、やってもいいのか?

目標とする体重が、あなたの健康を維持できる体重であればそれは個人の趣味なので取り組むことをやめろとは言いません。

でも、往々にして目標とする体重がその人の骨格に比して低すぎたりなりがちです。

必要な栄養素である脂肪摂取を極端に減らす人が多いのが特に危険です。


あなたが頭で考えている理想の体重と、あなたの骨格が備えている理想の体重は異なります。

アメリカで言えば、バービー人形みたいなスタイルが女の子の理想になることが問題だといって、健康に配慮してバービー人形をもっとリアル体型にしろ、なんて批判が出て、話題になりましたよね。


日本人のあなたに伝えるたとえを考えたのですが・・・

伊藤みどりさんと浅田真央さんの体型に互換性はないですよね?

どちらもフィギュアのトップアスリートですが、骨格が違うのだから、当然、体型は違いますよね。


個人の筋肉の太さは骨の形、特に表面積によって左右されます。

遺伝、および成長期の生活が骨の太さや表面積に大きな影響を与えるので、一人一人の体や手足につく筋肉量やそのつき方は異なるのが当たり前です。

つまり、BMIは22が理想だといっているのはあくまでも平均値であり、骨格に応じて20がベストの人もいれば、24がベストの人もいるのです。


個人の体型はそれぞれの骨格によって決まるのであり、入れ換えることはできません。

自分の骨格に合わない、数字合わせだけの厳しいカロリー制限はお勧めできません。

あなた自身の骨格にあったベスト体重を目指すべきです。


だとしても、それでもなお、もっとやせたい場合はどうするのか?



<緩めの糖質制限で体重が増えて来た時の二つの対処法>

そういう方々へのお勧めは二つあります。

一つ目は、(A)徹底的な糖質制限へのシフトです。

二つ目は、(B)ファスティング(断食)です。


まず、(A)の徹底的な糖質制限へのシフトから説明します。



<糖質はラッキー食材だから大事にされる>

あなたは現在、どのような糖質制限をしていますか?

以下の三つのどれかでしょうか?


1)スーパー糖質制限

提唱者の江部先生が有名なこともあり、スーパー糖質制限をしている人が多いと思います。

これは、数値的なことで言えば、一食当たりの糖質摂取量を20g以下にするものです。

一日当たりの糖質摂取量は60g以下ということになりますが、実際には朝はクリームコーヒーだけ、みたいな食事になる人も多いので40g程度でしょうか。


2)釜池式・荒木式の徹底的な糖質制限

釜池先生も10年以上前から糖質制限を実践し、提唱してこられた先生です。

こちらの特徴は、徹底的に糖質摂取を回避することにあります。

一日の許容量が5g以下(一食当たり5g以下、とも言われますが、一日ほぼ一食だったりもします。)です。


3)ゆるい糖質制限・ロカボ

ロカボという言葉を提唱される山田先生に代表されるゆるい糖質制限。

こちらは一食当たりの糖質摂取量を20~40gに制限するものです。

一日当たりの糖質摂取量は60~120gというこになりますね。



糖質制限生活をすると、ふだんはケトン体をエネルギーとして利用するようになり、糖質をエネルギーとして使う効率は落ちます。

そうすると、摂取した糖質をエネルギーとして利用するのではなく、積極的に貯蔵するようになります(摂りすぎたら持て余して食後高血糖になりがちですが)。

緩めの糖質制限で摂取する毎食当たり40g程度の糖質、これが消費されずに貯蓄にまわされちゃうわけです。


何度も書きますが、これも人類のデフォルトであると考えます。

狩猟採集生活をしていた頃の人類は、糖質を手に入れる機会には恵まれていませんでした。

果実や根菜類を手に入れることができるのは一年の中でほんの限られた時期でしかありません。

そうしてラッキーで手に入れた糖質、ケトンエンジンで回っていた石器時代の人類の体は喜んで糖質を体脂肪に変換していたのです。


そう、再び太り始めた人は、自分の理想とする体型を維持するという観点からすると、糖質のとりすぎであるかもしれないのです。

であるのなら、体脂肪として貯蔵しやすい糖質、それの摂取を徹底的に減らすことで、体脂肪は貯まりにくくなります。

ゆるい糖質制限してたらまた太ってきたという人は、厳しい糖質制限にシフトしてみることお勧めします。


糖質制限をしていて、長期にわたって続けていたら太ってきたという人は、釜池式のの徹底的な糖質制限(断糖食)へとシフトしてみてください。

再び痩せることができる可能性が高いです。



<糖質をためこまない体にしてしまえばよいわけで>


次に二番目のファスティング(断食)について説明します。

これは徹底的な糖質制限ではなくて、果物や野菜から多少の糖質は摂取することも許容します。


しかし食べる間隔に工夫があります。

「食事(基本は糖質制限食)を摂取する量と時間を変化させることで体が体脂肪をためこみにくくする」

ということが目的の対処法です。


具体的には、ときどき断食(ファスティング)を行うというものです。

これにより、体が「低糖質食を定期的に食べるという条件に慣れる」のをブロックします。

ときどき食べ方をリセットすることで、体脂肪をためる条件を体に学ばせない、という方法ですね。


ファスティングでそれができる理由はインスリン抵抗性を・・・長いので理屈は後で。

実践から話を進めます。

具体的には、24時間から36時間以上のファスティングを週に1回程度、日常的に行うのです。

24時間というのは、一日一食、晩ごはんしか食べないということで達成可能です。

36時間というのは、晩ごはんの後、翌々日の朝ごはんまで絶食するものです。



現代の日本人の日常生活に照らし合わせて一般的に考えれば、断食なんて、健康に良く無いような気がします。

体が食事に慣れないという効果を狙ったとしても、絶食によって体が非常時モードに入り、代謝が落ちるのではないか、その方が問題にならないか?

そう考えますよね。

でも、理論的にファスティングを行うことができれば、そうはならないのです。



・・・で、やっぱり長くなってきたので、ファスティング(断食)に関しての説明は、次の記事で書きます。




まだ引っぱるかい! (; ・`д・´)

2017年3月10日 06:48

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コメント(12)

大変参考になりました。

実は、山田先生型の糖質制限成功後、少しリバウンドしていて、なんでだろ? とずっと疑問に思っていたところでした。

まさか、糖質が消化できていない可能性なんて考えもしませんでしたよ。

(多分糖質は1日に100グラム以下でしょうか。主食は食べないけどジャガイモ以外の根菜は食べるという感じでやっています)

これ以上のカロリー制限やファスティングはつらいなあ。

絶対にリバウンドしないと決めて、スーツや服を買い直したので、戻ると困ってしまう。。。

先日の私のコメントに関連した新しいスレッドが!大変ありがたく拝読しました。

私の場合スーパー糖質制限とまではいかなかったのですが、それに近い1日60グラム位の制限で1年かけて20キロの減量に成功しました。
その間に山田先生のロカボ制限のお考えに接し、維持ならばこれでいいのではないかと思い切り替えたのですが(それでも山田先生の1食40グラムは抵抗があったため、主食や糖質が高い食品以外の、野菜ならごぼうやたまねぎ人参など糖質が高めといわれているものに制限をしない、調味料の高糖質みりん等も神経質に気にしない、なぜなら問題になるほどそれらを日常的に大量に摂取することはないから)ここ2ヶ月ほどでじわじわと体重が増えてきています。

糖質制限では、標準体重に達したらそれ以上は減らないと江部先生のブログでも、山田先生の著書でも書かれていますので、私の理想体重は骨格に合っておらず標準体重にもどりつつあるのかもしれません。また、一生続けていく食生活に厳しかったり現実的ではない制限をかけていくことには、個人的には反対なのです。飲んで食べることが好きなので。
また、基礎代謝から計算した1日あたりの糖質の消費は150グラム位までは許されるはずなのですが、それ以下しか摂取していないのにどうして増えるんだろうと思っていたのですが、この度の

>このため、どんな食生活であれ、安定して食べ続けることができればその中から少しずつ少しずつ、体脂肪を蓄えることができるようになります。

というご説明に、生物のすごさを悲しみと共に理解致しましたTT

一方今の状況がリバウンドで、このままずるずる増え続けて気がついたら10キロ戻していたということにもなりかねず、そこが恐怖でもあります。

せっかく減らした体重、体も軽く悪くしていた関節も負担が軽減し、増やしたくはありません。
いかに今の体格を維持していくか、悩ましいですね。毎日体重をチェックすることは続けますが…

今のところ身長を基準にしたBMIぐらいしか指標がないので、私は、22が標準だと言われてもその体重だと腹が出過ぎてTシャツも着られなくなります。身長以外の骨格などの体型を基準にした指標が欲しいと常々思っております。

農耕民族としてのDNAが深く刻まれている日本人は狩猟民族としての歴史が長い欧米人に比較して摂取した糖質を体脂肪として取り込む能力が低い、という話を聞いたことがあります。そうすると糖質制限を長く続けていることで、逆に狩猟民族体質に近づき、糖質が敏感に体重を増加させるようになるということかもしれませんね。皮下脂肪はエネルギー源として重要なのでそれは本来、よい傾向なのかもしれません。
最近、私は、糖質(≒グルコース)は、直接のエネルギー源ではなく、体脂肪を蓄える手段として考えるようになってきました。
なので、低糖質の食生活を通じて血糖値をあげることなく、常に体脂肪を維持できるというのは健康的なのではないかと。

記事を読ませていただき、そんなことを思いました。

コメントありがとうございました。

>・・・これは間違いです。
> 日本人を含むモンゴロイドがコーカソイド(ヨーロッパ系)から離れてシベリアや東南アジアに展開したのは2万5千年から1万5千年程度後のことです。

そうですか。その話を聞いた時には、日本では考えられないぐらいに太ったアメリカ人がいる理由は、糖質を取り込む能力(インスリン分泌量大)が、遺伝子的に違うということで納得感があったのですが、結局は、後天的な生活習慣の違いかもしれませんね。

>体脂肪率が5%とか7%とかを誇る人やそれに憧れる人が多いですけど、飢餓が訪れたら真っ先に動けなくなり、サルコペニア一直線の体つきなんだけどなあと思います。

そういう意味では、BMI22やそれ以上の人の寿命が、未満の人のそれに比べて長いという統計結果は、実は、健康を害した後に生存し続ける期間が長い、ということではないかと思ったりもします。
BMI別の「健康寿命」の統計があればいいのですが。

先生>
最近のコメント欄経歴では17日に大量のコメントが更新されていたようで、こちらのコメントを見落としていました(^^;)

>身長の二乗を指標にするBMIには限界があり(中略)基準値というのに囚われるのはやめておいた方がよいと思います
>基礎代謝の計算というのも身長や性別や年齢などを基にしたものですよね?それはあくまでも指標の一部分です

仰るとおりですね。身長、体重、せいぜい年齢から割り出した数字はあくまでも基準値。それなのに健康診断では胴囲が太いからメタボとかBMIが大きいから~と言われ、指導を受けましょうというお便りが何度も来て鬱陶しい(減量してからは無くなってほっとしています)
そのような過去もあって絶対リバウンドしたくないという気持ちが募ってしまっているようです。

私は父の家系の遺伝があるようで骨太らしいです。足の関節の健康と今の良好な体調を保てるような健康体重が何キロくらいなのか、今後の経過も注意しながら糖質制限を続けていきます。数ヵ月後にどのような変化があるか、また報告させていただきます。(今のところはジワ増がまだ止まっていません。増加に転じて2ヶ月で、おおよそ2キロ増です)

>そろそろ上昇のカーブがゆるくなってきたのではないですか?

その通りです!4月に入ってからジワ増は止まり、その後1キロほど落ちたので、現在一番体重が減った時の数字(朝1番で51キロ台、夜寝る前で52キロ台前半)プラス1キロという状態になりました。
食事は基本スーパー糖質制限の一番ゆるいの(1日50~60グラム)で、週末は家族と一緒にランチをするときにはそばやパスタを解禁するという感じで続けていて、これがストレス無く続けていける限界です。

今後暑くなるにつれてまたどうなるか、引き続き観察を続けます。
他のスレッドで肉を食べると翌日体重が減るということが書かれていましたが、私も昼に肉をがっつり食べ、その直後から30分ほどウォーキングをすると大抵翌日減っています。これが昼に糖質ゼロ麺とか豆腐とかで済ませると、逆に増えることも…謎です。

ところで、ファスティングの記事も気長にお待ちしています(^^;)

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