山川式食事療法 これもまたマイルドな糖質制限食なのです。
先日から書いている影浦式食事療法ですが、食品成分表に従って計算してみるとどうやら現代の日本糖尿病学会が否定する「厳しい糖質制限食」の範疇にほぼ入ることがわかりました。
そのほかにはどのような食事療法が東大内科の先生たちによってかつて提唱されたかと見てみるに、やはり精神科医師Aさんから提供された文献で「山川式食事療法」というものがあったのでご紹介いたします(山川式食事療法 斉藤達雄 Diabetes Journal Vol.2 No.3 1974)。
まず、その食事療法の内容を具体的に紹介しましょう。
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山川教授提唱の糖尿病食事療法の原則は次の如くである。以下は,ほぼ山川先生の述べられたものを,そのまま転載させていただいたようなものである(当時の食餌を食事などと改めた)。
1.軽症と重症とを問わず,治療の初めから表1の如き標準食事を与える。体重によって多少の差をつけてもよいが一律にこの量でも大体十分である。
含水炭素は主として米飯として用いる。およそ3食2椀に相当する。蛋白は魚肉,獣肉,鶏卵その他植物性蛋自である。脂肪はこの少量では大体食品中に自然に存在する量に近い。しかし日本人の普通食事としては,脂肪を特に加えぬだけで,格別制限という感はない。
この標準食事をやって,週日,十数日,尿糖を測定する。糖は当然著明に出る。血糖は研究の目的には別だが,治療の目的には必要でない.
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山川式食事療法では表1に示したように、炊き上がりのご飯300~350gの糖質を与えています。
含まれる糖質量は111g~130gですから、これもマイルドな糖質制限となります(山田悟先生の提案される糖質制限量の上限付近ですね)。
だとしても、これだけの糖質を尿糖が出ているような糖尿病患者さんに摂取させると危険な感じがするのですが、以下のごとく説明されています。
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2.上述の如くこの標準食事は通例患者の忍容力をはるかに越えている。したがって血糖も高く尿糖も多量に出るが差支えないから黙殺してそのまま継続する。かくの如くして週日,旬日の間,毎日の尿糖を測定するときは,大体2型に別れる.
第1型,すなわち日をおって尿糖量が減じてくるものと,第2型,すなわちほとんど増減なく一定なるものとである.しかし旧来信ぜられたように,忍容力を越えた故に漸次糖尿が増悪するような例は通例認められない.
***
う~ん、なんか違うような気がするんですが・・・。
ここで山川式の総摂取カロリーを計算してみましょう。
ご飯から摂取できるカロリーは504kcal~588kcalです。
タンパク質や脂質摂取が記載通りだとすればタンパク質系のおかずで320kcal~400kcal、脂質系のおかずで270kcal~360kcalということになります。
総摂取カロリーは1094kcal~1348kcalということで、かなり厳しい範疇のカロリー制限ということになります。
つまり、山川式食事療法における「標準食」というのは「厳しいカロリー制限、かつ、マイルドな糖質制限食」ということがわかります。
なるほど、それなら悪い食事ではないかもしれませんね。
こういう食事がどのような効果を生み出すのかについてこの文献でもやはりグラフを用いて記してあります。
症例1(模式的)
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3.第1型は(図1)含炭豊富,脂肪制限の標準食によって,忍容力が向上し,新陳代謝位相が改善せられたもので,患者従前の食事が不節制に多量であったか,または蛋白,脂肪の厳重食であったものが,この食事によっていわゆる治療食事の効を奏することになったものである.
この種の病型はPorges und Adlersbergの原理を支持すると同時に, Brentanoの原理にも適合する。すなわち治療の初期にあたって忍容力を超越し,含炭の収支差陽性の範囲内において,多量の含炭を与えることによって,忍容力の向上を得たからである。
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山川式食事療法として「糖質をしっかり食べさせただけで尿糖が減り、病態が改善した」とするものです。
山川式食事療法を始める前の患者さんは「厳重食」という名の糖質制限食を食べていた、そこに「山川式食事療法」を施すと、最初に尿糖がドバっと出てくる、でも、山川式を続けると尿糖の量は次第に下がってくる。
だから、「糖質制限食(厳重食)をしている患者の糖質代謝能力は低い」のだけれども、「毎日、コンスタントに糖質負荷をかけることで、糖代謝能が改善してくる」というふうに考えています。
ですが、実際はこの「山川式食事療法」が厳しいカロリー制限であり、糖質負荷量も一日あたり111g~130gというマイルドな糖質制限の量であることは上に書いたとおりです。
おそらく、「厳しいカロリー制限が奏功する患者さん」はこれで治るように見えるのですね。
かなり厳しいカロリー制限とマイルドな糖質制限の継続が良い結果を生み出したのに、それを「糖代謝能が改善した」と、勘違いしてしまっているということになるのだと思われます。
実際、この文献の執筆者である斉藤先生は後半で以下のように書かれています。
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因みに,先生はこの食事療法を,含炭豊富・脂肪制限食という名のもとに提唱されたが,その内容は,決して含水炭素を過剰に与えるという意味ではなく,その当時の厳重食事に比して,十分な量の合水炭素を与えるのであるという意味で,この名前をつけられたものであることはもちろんである。
***
マイルドな糖質制限であることを山川先生自身、認めていらっしゃるわけです。
現代の「糖質摂取信望者」の皆さんに元の文献を是非よく読んでいただきたいものですね、特に「糖質で70%のカロリー取らなきゃダメだ」と考えられているような方々、インスリン発見後の1930年代にそんな治療が施されていたわけではないことをご確認ください。
さて、症例報告(模式的)に戻りましょう。
次は、症例2です。
***
4.第2型は(図2)標準食事によって,代謝位相の改善が認められず,少なくも10日前後の観察の間に,尿糖量の減少をきたさないものである.通例やや重症で,過血糖も尿糖も,高い種類である。
この病型にはインシュリン治療を行なう。すなわちインシェリンの適量を食前30分頃に分三して注射する.もし朝食後の糖排出が大であれば,ちょうど分三でなく朝食に偏してもよい。尿糖少量なときはlgに対し大体インシュリン1単位の割合であるが,尿糖極めて多量なときは,諸家のすでに経験せる如く,インシェリンの効果顕著でいわゆるインシェリンの当量(1単位のインシュリンが抑制しうる尿糖のg量)が大である故に,100g以上の糖排出あるときは,通常60単位を以って治療を開始する_初日から無糖にならなくとも,これを連用すれば通例数日後に無糖に近くなる。
すなわち,かくの如くインシュリンを連用して標準食事を継続する間に,新陳代謝位相は漸次改善せられて,そのためにインシュリン量を漸次減少しても,無糖状態に変わりはないものであるが,その際尿糖が減ずる割合には,インシュリンの減量が比例せぬことがある。
***
このことはつまり、糖質負荷(実際はマイルドな糖質制限+厳しいカロリー制限)をかけても尿糖排出が減らない、つまり「糖代謝能」が改善しない患者さんがいることをお認めなわけです。
そしてそういう患者さんに何をしたかといえば、影浦式と同じですね。
糖質摂取食(実はマイルドな糖質制限と厳しいカロリー制限)で糖尿病が改善すると言っておきながら、それがうまくいかない場合にはインスリンをとっとと使っているわけです。
患者さんのためにはそれで正解です。
インスリンの初期導入療法です、これによって膵臓のβ細胞が十分に休養を取れるので、インスリン分泌能が改善します。
厳しいカロリー制限とマイルドな糖質制限も奏功して、おそらく内臓脂肪も減っていますのでインスリン抵抗性も低下していますから、漸減的にインスリン投与量を減らして、離脱しても尿糖の排出は減っているわけです。
決して「糖質負荷が糖質代謝能を改善せしめた」わけではないと考えられます。
・・・というふうに、私は完全に時代の違う人間として、背景知識の量も異なりますし、山川先生たちを直接存じ上げる機会もないので色眼鏡なしに見ることができます(糖質制限を推奨するものとしての色眼鏡があるであろうことは否定しませんが)。
ですが、白い巨塔の中で「徒弟制度」に従って医療に携わっていると、先輩の、ましてや教授クラスの人たちのおっしゃることは金科玉条です。
***
ふりかえってみると,あの時代に,このような糖尿病食事に着眼された先生のご誓眼にいまさらの如く驚きを覚えるとともに,これこそ臨床家の究めうる最高の香りの高いご業績であろうと,深い感銘を覚えるものである
***
山川先生を師と仰ぐ斉藤先生としては、尊敬するがゆえに、先達の業績を最後まで冷静には評価できなかったのでしょうね。
先達を尊敬し、その業績を褒めるのは良いことですが、「科学」としてきちんと評価する目は失わないでいたいものです、これは私ももちろん同じことで、私自身のこの考えにしても正しいかどうか、時間をおいてもう一度評価するべきだと思います。
科学的な論評もお待ちしています。
糖質制限ダイエット ブログランキングへ
それにしても、影浦先生にしても山川先生にしても、マイルドな糖質制限とカロリー制限では効果が見られない重症糖尿病患者に対しては、速やかにインスリン治療を開始するあたりがさすがです。
もちろん、経口血糖降下剤が豊富な現代と異なり、この時代にはインスリンしか治療薬がなかったということもあります。
ですが、スーパー糖質制限をしないで糖尿病を治そうとするのであれば非常に適切な治療方法だと思われますし、患者さんのためにいろいろ考えて診療・研究を進めていたのだということはよくわかります。。
彼らの考察と実際の診療結果を元に、我々は「インスリン初期治療後に糖質制限に持ち込む」という治療方法をとることもできているわけです、先達の努力と工夫、そしてそれを記録してくださっていることに感謝いたします。
昔の文献を読むのも骨が折れますが、いろんな見解を書いてくださり、読むのも楽しみです
こういった文献にもtryしてみてください
http://kindai.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1075031/1
臨牀医学講座第39輯,金原商店 1936
坂口康蔵
精神科医師Aさん
ありがとうございます、影浦先生の恩師の坂口先生ですよね。
1936年の講演内容で、話し言葉なのでわkりやすいです。
すぐに読めました。
この方、坂口先生の説明されている食事療法は思いっきり糖質制限食ですね。
糖質制限食が基本である。
そうでないのなら、糖質を食べるのならとっととインスリンを使うことを考えろと。
極めて明快、正しいことをおっしゃっておられるわけですね。
それがどうして、糖質をがっちり食べさせて経口血糖降下剤で血糖値を下げ、それで制御しきれなくなったら(つまり糖尿病が十分に悪化したら)インスリンを使うという、現代医療に変化してしまったのでしょうか??
残念ながら、それで利益を得る人のための変化としか思えませんねえ。
ちなみに、坂口先生の「マイルドな糖質制限+インスリン」の話は1型糖尿病(島性糖尿病)に対しての話であり、後半でお話の2型糖尿病(島外性糖尿病)に対する考え方と治療は、科学的に変でしたね、後ろまできちんと読んでから返信コメントすればよかったです。(^_^;)
精神科医Aさんとカルピンチョ先生のコメント読んで不思議です。
1920年代(影浦医師)でも1936年(坂口医師)でも、『糖質制限』で大丈夫と言っているのに、
いろんな反対派は「最近流行りの『糖質制限』はダメ!」と言う。
ちっとも最近じゃないじゃないですか!
ナオさん
そうそう、ちっとも最近じゃないんですよ。
最初に糖質制限の有用性が論文として報告されたのは19世紀の話なのです。
ただいまその記事も準備中です。
それにしても、変な話ですよねほんとうに。
私の記事を読んで一般の人がどう考えるか、建設的な議論のきっかけになってくれればいいなと思います。
すみませんが一部訂正です。
一型糖尿病に対して糖質制限をする(マイルドな)、ダメならインスリンでコントロールするべきであるとする坂口先生の話を読んでふむふむと思いましたが、2型糖尿病を「無害性糖尿病」とするあたり、後半の話は科学的に変でございました(笑)。
横から失礼します。
軽度のⅡ型糖尿人の元理系のしんといいます。
40代半ば男性です。スパー糖質制限で一年半ぐらいです。、10キロ以上痩せましたが、カルピンチョ先生のブログ記事どおり20~30パーセントのリバウンド中です。
経口の血糖降下剤を使う必要がいろいろな経済的事情により生じたからでしょうか?
また、インスリンも昔は人インスリンをバイオテクノロジーで製造できなくて、動物由来だったそうですね。
今のインスリンはいろいろなものが開発され使い勝手が格段に良くなったそうですね。
ここら辺の過渡期に、いろいろな利権が生まれ、さらに糖質制限で血糖コントロールをする医師の臨床技術(難しい技術だと思います)が失われたのではないのでしょうか。
しかし、当時の医師は科学的な基礎情報が少ない中で、臨床により、糖質制限にたどり着き実践されていたことには敬服いたします。
いまの理療現場もそうなると良いのにと切に思います。
しんさん
コメントありがとうございます。
やはりリバウンドされましたか、でもリバウンドといってもそれまでの体重に比べれば以前、大幅に下がったままですからね、体調が良くて頭もよく回転するのであれば、体重には固執しなくていいと私もそう思ってお気楽に継続しています。
おっしゃるように昔はインスリン製剤は高価なものでしたから、誰でもばん馬鹿使える薬でもなかったでしょう。医療費抑制の意味でも安価な経口血糖降下剤の果たした経済的意義はあったと思います。
しかし、患者さんのQOLを考えても、医療費削減を考えても、食事療法だけで糖尿病の進行を止めることの方が有効だと思われます。(もちろん、食生活は個人の選択ですから、わしは米と砂糖がないと生きていけんのじゃ!と言う人は今の日本糖尿病学会の治療を受けていただけばいいんですけど(^。^)。)
糖質制限がもっと認められるようになることを期待して、ブログ活動頑張ります。
昔の先生たちに負けないように、本質を見ることを忘れないようにしたいです。
ご返答ありがとうございます。
今日の記事も大変興味深く読みました。
良い結果を得られたマイルドな糖質制限と早期インスリン導入と離脱も、もととなる基礎理論が間違っていたのでうまく根づかなかったのでしょうか。
長期の合併症云々を考えないのであれば、インスリンで高血糖を抑えるだけのほうが簡単ですし、入院治療期間も短くなりますね。医師の能力にも左右されにくいですね。
やはり時代背景というものがあるのだなあと勉強になります。
当時は社会保障制度も今よりも整備されていなかったでしょうから経済的にも入院治療は難しかったのかもしれませんし、入院治療を急性の病気以外で受ける発想は患者側にもなかったようにも考えられます。
やはりそのはざまで経口血糖降下剤は普及したのだなあと感じます。
また平均余命が今ほど長くなければ経口血糖降下剤の長期の安全性や効果はそれほど評価を下す必要がなかったのかとも思います。インスリンに関してもそうだったでしょう。
しかし今は当時と違い寿命も長いです。生化学的な基礎もわかってきました。臨床から糖質制限の結果も出てきてます。
また、カルピンチョ先生が書かれる予定の記事の糖質制限ができない条件や体質もある程度分かってきているようです。
さまざま難しい世の中になってきていますが、臨床の現場からも糖質制限の押し上げがあることを期待しています。
私も知り合いには糖質制限を勧めるのですが、先生も書かれているように、理系の方以外には説明がとても難しいです。薬で血糖を下げているのでそれでよいとか言われてしまします。やはり医師の助言、治療でないと信じてもらう事はなかなか難しいです。
私自身は、元主治医に「食後高血糖は気にしなくて良い」と言われました。また、栄養士にタンパク質の多い食品の魚を一単位ほど多く摂取した(その分炭水化物を減らした)ことを注意され、元主治医にそのことに弊害はあるのだろうかと聞いたところ、考え込まれ「ない」と言われたました。
糖尿病で血糖値が高いことがいろいろな合併症を起こすという認識でしたし、血糖のコントロールができなくなっている病気なはずなのに、食後に限って高血糖を気にしなくてよい道理はないです。高糖質カロリー制限の食事療法で体調も悪化しましたし、言われること治療が明らかにおかしいと解りました。
自分で調べ始め糖質制限に行き当たりました。
自分が懐疑的で理系な人間でよかったと思います。
リバウンドやはりしました。
でも体調はそう変わらないし、BMIも24付近ですのでそれほど気にはしていません。
これ以上増量するようなら、カロリー制限も少しはしなくてはと考えます。
もしくは少し筋トレしようかなあと。
しんさん
丁寧で示唆に富むコメントありがとうございます。
そうなんですよね、治療の現場において患者さんから来る要望は理論を無視したものであり、まずは実践しやすいことです(かける努力とお金の両方です)。
それを満たさない食事指導は実践してもらえませんので、いくら理論的に正しくても意味がなくなります。
その意味で、次の記事に書いているのですが、1963年に食品交換表が制定されて、その中で糖尿病患者の標準色の糖質摂取量が55%と定められたのは、医学的にというよりは社会的、経済的要因に重きを置いてのことだったのではないかと考えます。
現在の問題はそれがいつの間にか独り歩きして「食品交換表こそ絶対崇拝対象」のように変貌したところにあるのでしょうね。
理論的に考えれば最も注目すべきは糖質摂取量であり、その次にカロリー制限が来るべきなのに、第一に考えるべきものを無視して二番目に絶対的な拠り所を置いているのが今の糖尿病学会の推薦する食事療法です。
白い巨塔の徒弟制度は今も脈々と受け継がれているということですね。
体重に関しては、BMI24だったら問題ないんじゃにでしょうか、私自身もBMI25近辺で停滞していますが、中学高校と柔道をやっていたこともあってか、手足の筋肉量はかなりありますので(バイクに乗っていた頃にはブーツ買うのに困りました)、自分はこれでいいと思っています。
ただ、満腹になるまで食べるのは避けるようにするべきかなということを考えています、それについてはバーンシュタイン博士の本に書いてあることについて記事として触れる予定です。
ご返答ありがとうございます。
食品交換表ができた当時はタンパク質や脂質も血糖値を上げると考えられていたようなので(あってますかねえ)、カロリー制限に重きを置かれていても仕方ない側面があるとは思います。
歴史を紐解くのは面白いですね。
基本的な食事に、付加食を加えるなんていうやり方もあったのですね。
これが普及すれば良かったのになあと思います。
とてもフレキシブルでよいなあと感じます。
必須の栄養は摂って、そこに好きなものを食べたす、総合のカロリー制限はする。
またこれが普及すれば、どういった栄養バランスが糖尿病の治療に良いか結果が出ますね。
それに糖質制限をするからといって事実上の診療拒否を受けずに済むのにと。
私は元主治医に糖質制限をする限り何の保証もできないといわれましたから。
それまでは元主治医に今までの患者の中で一番勉強をしているといわれていましたが。
中途半端に知識があったので、訴訟リスクでも警戒されたのかもしれません。
日本には本当の意味での自己責任の概念が一般化されていません。
医師はとてもリスクの高い職業になるのでしょうね。
アメリカの糖尿病学会では選択肢の一つであるというような話もしました。西洋人と東洋人では体質が違う例えばインスリンの分泌能力は西洋人は高い、ともいわれました。
私はインスリン分泌能が低い日本人にこそ糖質制限が向いているといいましたが。
徒弟制度には徒弟制度の良いところはあります。
技術の伝承には良い仕組みかもしれません。
あるお偉いさんの医師は、今の医療制度は医師の能力にかかわらず同じ治療効果が出るようにできている、と賜っておられました。
もしかしたら医師の世界では技術の伝承は軽視されているのでしょうか?
安易に薬に頼らぬ、血糖コントロールという意味で、先生が紹介されていた方法が伝承されれば良かったのにと思います。
今の糖尿病治療は悪平等ですから。
その結果糖尿病患者はとても不利益を受けます。
どんなに糖質制限をして合併症を封じ込めても、保険にすら入れません。よって住宅ローンもとても難しいです。
今の現状では私が保険の規約を作ったとしても、糖尿病患者は加入不可にする事でしょう。
すいません少しネガティブな事を書きすぎました。
ご容赦ください。
先生のいわれるようにBMI24なので、それほど気にしません。
満腹は良くないのですか。私はついつい満腹するまで食べます。
記事を期待しています。
ありがとうございます。
しんさん
またコメントありがとうございます。
全部にはすぐにレスできませんが(^_^;)、いろいろどうもです。
それにしても「糖質制限をする限り何の保証もできない」って。
「なんやそれ?(´・ω・`)」としか言えません。
科学においても、それまでのテキストが絶対正しいわけではないことは歴史が何度も見せてくれていることを医者なら十二分に知っているはずですけれども。
糖質制限のことをよく知らない、理解できないのでしょうね。自分でもやってみれば効果がよくわかるのに。
「誰でも同じ医療ができる」
今の医療制度はそういう形になってますね、完全にお役所仕事になっています。
施術して良い医療行為(保険診療)をすべて厚生労働省で管轄して、おまけに現場も知らずに保険点数配分を決めているわけですから。
厚生労働省のお役人が理解できる範疇の医療行為以外は認められない、ということで、国民皆保険制度を取る限り、医者は厚生労働省のお役人の手下でしかありませんし。
糖質制限を認めさせるには、医者よりも永田町と霞ヶ関に働きかける方がいいのかもしれないですね。
ご返答ありがとうございます。
いろいろたくさん書きすぎましたね。すみません。
江部先生のブログに自民党で糖質制限ダイエットが流行っているとの記事がありました。
自民党は政権を奪取しましたので、少しは期待できるのでしょうかね。
林芳正農林水産大臣が一番の成功例だそうですね。
もっとももう既に「大臣がコメを食べないとは何事だ」と関係団体からクレームがついているようですけど。
厚生労働大臣には以前の阿部政権でついているそうで、また再びついていただけないかと思います。
でもきっと製薬会社や関係団体は官僚の方々の天下り先だったりするのでしょうかね。
でも厚生労働大臣だったら「大臣がコメを食べないで糖尿病予防をするとは何事だ」とは言われないですよね。きっと。
カルピンチョ先生や江部先生が言われるように、糖質も大事で有用な栄養素です。精製されたものを大量に頻回摂取すると弊害が出るだけですよね。
また私や多くの糖尿人のように体質的に糖質の代謝が弱いと、糖尿病を患うのですよね。
どんな物事にも正負の側面があります。
それの両方を認識したうえで、功罪を考えて、物事を選択しなければいけにということですね。
なかなかそういった議論が発展しにくいですね。
原発問題なんかでも、以前は絶対安全と絶対危険という議論になっていました。
糖質に関しては米に関しては、世の中には絶対必要なものである、だけど少なくとも、糖尿人、糖尿病患者にとっては危険でできるだけ避けたほうが良いものです。
治療食として医学的にも世間一般的にも行政としても、糖質制限食を認めてほしいと切に願います。
そうすると先生が言われるように多くの患者が救われますし、不必要なお金も医療行政に費やされなくなります。
そうなのですか、医師は行政の下っ端という側面があるのですか。
そのなかで糖質制限を保険診療の中で取り入れてくださっている医師達がおられることを感謝します。
自由でフレキシブル、そして自己責任で、糖質制限による血糖コントロールが誰でも保険医療で受けられることを望みます。
ありがとうございます。
> 「誰でも同じ医療ができる」
> 今の医療制度はそういう形になってますね、完全にお役所仕事になっています。
これ、良い方向ならいんですけどねー
「誰でも同じ医療ができる」て範囲のやつて
対外、むしろやらないほうがいいじゃない?
てレベルの多くないですかね?
※ 消毒してみたりw
しんさん
コメントありがとうございます。
林芳正さんの糖質制限ダイエットに関しては昨年、7月初めに記事にさせていただきました。
http://xn--oqqx32i2ck.com/review/cat9/post_74.html
現在とは別人のような太りっぷりです。
勝手に画像を引いてきて、怒られそうです(^_^;)。
ですが、この二つの画像を見たら
「農林水産大臣がコメを食べないで糖尿病予防をするとは何事か」
と、文句を言う人たちもちょっとは考え直すんじゃないでしょうか。
もしも林大臣が米を食べて再び前のような体格になり、
糖尿病になったら、その人たちはどう思われるのでしょうね?
(やってみてくれたら痛烈な批判になると思いますが^^;)
どんなことにも複数の意見があって、でも、真実を見極めたいし、健康を第一に優先したい。
経済的豊かさと引き換えに生活習慣病になるのは貧しい生き方だと思います。
日本人はもっと豊かに生きられるはずです。
そうですね。無駄なもの、多いです。
無駄なものといえばあれもそうですね。
風邪予防にうがい。
「効果はほとんどありません。」と、私はよく言うのですが、
呪文のように皆さんおっしゃいますよね。
「手洗いだけでいいんです。」
と言っても、多くの公的な立場の人が必ず、
「手洗い、うがい」と言い直されます。
見事に国民のすみずみまで洗脳されてますよね。
ゲーベンクリームは普通の人は知りませんがww
本当ですね。豊かに生きたいです。
私はもうすでに糖尿人です。カルピンチョ先生が言われるように昔の伝統的日本人の生活ができないのなら糖質制限するしか幸せになる方法はありません。
それに、私自身は糖質制限をしてみて気がつきましたが糖質に対する欲求は比較的強くありませんでした。それよりも肉魚チーズ卵のようなたんぱく質脂質に対する欲求のほうが強く、今の食事に以前より幸せを感じています。今まではそれらのものをカロリーが高いからと抑制していましたから。
林大臣の件失礼しました。記事にされていたのですね。
ぜひ医療費抑制のためにも糖質制限を糖尿病の治療のためだけでもよいので認めていただきたいです。
そうですね。ほかの分野のことには詳しくありませんが、今の糖尿病治療はレベルの低い治療者、患者に合わせた悪平等ですね。すべからく悪化して薬漬け合併症になる治療が基準ですからね。
残念なことです。
自分の頭で考えて、調べて、行動する、もちろんその責任は自分でとる。
それができてこそ、大人ですよね。
そうですね。
不自由な保険医療の中で、異端視される糖質制限治療を指導される医師達を尊敬します。
大人の輪に加われた気分です。
しんさん
医療関係者の反応は見事に二つに分かれますね。
やらないで頭ごなしに批判する人と、やってみて賛同する人です。
もうひとつのパターンは、私の変貌や血液検査の数値の変化を見て「へえ~!」という人かな。
そうですか。
私は元主治医には、糖質制限を始めて二週間ぐらいでそのことを告げました。
効果が出る前でタイミングが悪かったかもしれません。
しかし、今日の記事、当時は大変なことになっていたんですね。
あれもこれも食べるなとは。しかし、生理学的事実が解っていなかったので、致し方ない側面もあるのかもしえませんね。
恐ろしいことですが。
私の元主治医は糖質だけが血糖値を上げることは知っていました。
しかし、ケトアシドーシスの事を心配するばかりで、「責任は持てない」となったようです。
効果が出てから告げればよかったです。
「何でも言ってください、こんなことを言ったら叱られると思うようなことでも言ってくださいね」と言われていたので、真に受けました。
しんさん
その主治医の先生の「なんでも言ってください。」には最初から守備範囲が決まっていたのですね。
子供の頃の親との会話を思い出しました。
本屋さんに連れて行かれて
「なんでも好きな本を持ってきなさい、買ってあげるから。」
喜んで「巨人の星」のコミックスを持っていったら
「漫画は本ではありません、漫画以外にしなさい。」
・・・(;_;)。
意図せずして「本音は隠したまま建前で耳障りのいいことを言う」、大人の悲しさですね。
悪気はなかったと思いますが、自分の想定する「なんでも」の範囲が実は狭いことに本人が気づいてない。
もちろんみんなそうですよね(^_^;)。
そうですね。
守備範囲を超えているとは思いますね。
結構若い先生で、理性的でやさしそうで柔軟なような気がしていました。
が、そうでもなかったみたいです。
大人の知恵が足らなかったですね。
うちの奥さんは、医師にどう言えばいいだろうかとと心配し、糖質制限のことは隠したほうが良いとの考えでした。
私はよりよい治療を受けるためにはきっちり食事内容は伝えたほうが良いという考えでしたが。ストレートすぎたようです。
想定範囲から出たところで本当の治療に対する話し合いが始まると思ったのですが。
私は糖質制限を続けるといい、彼は私のために出来る事はあるのだろうかといいました。
血液検査等だけして経過観察して欲しいと喉元まで出掛かりましたが、それは失礼なことであろうと思いとどまりました。
紹介状だけ書いてくださいとだけ伝え書いていただきました。
しんさん
それは血液検査だけで経過観察してくれと、そう頼まれた方が良かったと思います。
全然悪いことないですよ、医師なら「糖質制限の経過と結果」を実は知りたいと思います。
自分に責任の及ばない範囲で患者さんが自己責任で食事療法をしているのを観察できるのは、医師の経験としてはまたとないチャンスだと思いますから。
それでしんさんが失敗すればそれ見たことかと説得にかかってくるでしょう。
でも、しんさんの刻々と改善する変化を観察できれば、その先生の考えを変えるチャンスでもあります。
もしもそちらの医療機関が便利な場所にあって、しんさんがかまわないのなら、お願いされてみたらどうでしょうか?
全然失礼なことではありませんよ。(と、私は思いますが)
そうですか。
失礼には当たりませんか。
そういう方法もあったかもしれませんね。
しかしもう一年以上前の事ですし。
少し遠方の医師ですが江部先生のブログに載っている医師に経過観察を半年ほどしてもらい、数値は正常範囲内になりました。
近隣の他の医師にまた血液検査と経過観察を頼みたいとは考えているのですが、そういう頼み方で大丈夫でしょうか?
近隣の医師に血液検査だけをお願いするのは全然問題ありませんよ。
むしろ歓迎されるんじゃないでしょうか?
みんなそれぞれに大変な患者さんは抱えているので、理解力の高い患者さんが割り切った要望をしてくることに対しては何の負担も感じないはずです。
距離を置いたまま、血液検査だけしてもらう。よくあります。
典型的なのは大学病院などで癌などの大きな手術を受けた患者さんのフォローアップですね、一般的な血液検査、尿検査と腫瘍マーカーの検査だけを開業医で請け負うというのはよくあることです。
検査結果を見て、多少のサジェスチョンはしますが、患者さんの知識と意識が高ければ、その開業医からあれこれ言うことはないはずですし、別にプライドに障るようなことでもないと思います。
ありがとうございます。
機会を見ておねがいをしようと思います。
やはり、近隣にホームドクター的な医療機関がないとちょっとした病気や予防接種などのとき困りますので。
いちいち血糖値が高めなことや糖質制限の説明をしなくてはいけませんので。
近隣の耳鼻咽喉科で糖質制限の話をしたら、食事制限で血糖コントロールできるならとても良いことだといわれました。
ただここの医院はめちゃくちゃはやっており待ち時間がとても長いのでお願いするには至りませんでした。
歯科医では糖尿病の事と糖質制限で血糖コントロールしていることを告げると、それが歯槽膿漏等の回復に良い影響が出ていると歓迎されました。実際歯はボロボロぐらぐらだったのがしっかりしてものがきちんとかめるようになりました。
経過観察をしてくださる医師を近隣で探します。
ありがとうございます。
しんさん
歯槽膿漏も糖質制限で改善したんですね。
それだけいい結果を得て、健康になったことも確信しておられるのですから、自信を持って受診相談に臨まれたらいいと思います。
万が一、糖質制限している人の健康診断は受けられない、などという医者がいたら(ありえないと思いますが)、それは保健所や県の医師会に通報してもいいと思いますよ(爆)。
念のためで言えば、日本糖尿病学会とそれほど関連性のない診療科がいいでしょうね、内科以外がいいかもしれませんね。
ありがとうございます。
内科以外ですか。
耳鼻咽喉科と整形外科には一応通院していた医院があります。
両院とも先生はとても親切なのですが。
整形外科の先生はいいよ糖尿病の方も見てあげるよと言ってくださってはいたのですが。
整形の方は完治しましたし。
結構医師の少ない地域に住んでいる事もあって、耳鼻咽喉科や整形外科はものすごく混んでいます。
気軽に専門外の診療だけを頼める雰囲気にないです。
大変な待ち時間で数分も診察時間がないです。
一番すいているのは内科なんですが。(がらがらの医院を幾つか知っています)
融通の利く医院探します。
そうですよねそんな理由では診療拒否できませんよね。
ありがとうございます。
しんさん
あ、それならがらがらの内科に行けばいいと思いますよ。
遠方の病院の先生にご縁があって糖尿病の治療を受けているのだけれども、血液検査だけこちらで見ていただけないでしょうか、ということで頼めばいいと思います。
あるいは現在通われている病院の先生に紹介状を書いていただくのもいいかもしれません。
がらがらの内科なら歓迎してくれると思います(笑)。
ありがとうございます。
一軒は、少しおっかないおじいちゃん先生のやっている医院で、看護婦さんも薬剤師さんも受付もいません。
患者さんはいるんだろうか?というところです。
もう一軒は冬季は子供さんの患者さんがいますがそれ以外は結構すいています。看護婦さんは数人います。
先生は50代ぐらいで、歯は真っ黒でかなり痛んで不健康そうです。
何で流行らないんでしょうかと、地元の人に聞いたら「ちょっと人間的に・・・・・」と言われました。
どっちがいいですかねえ。
いろいろあたってみます。
ありがとうございます。
しんさん
どうせ採血するの看護師さんだし、看護師さんがいる方にしたらいかがでしょ。