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痩せる薬効が特許切れの抗アレルギー薬(アンレキサノクス)から発見されたとな?


面白いタイトルのニュースがあったのでちょっと調べてみました。

アンレキサノクスという口内炎の薬で肥満治療ができるかも?という話のようです。

しかも、特許切れになっている昔から使われている薬にそのような効果があるという話。

私、個人的にはとても好きな話です。



口内炎の薬に痩身効果? ネズミで確認、年内にも治験へ

CNN.co.jp 2月11日(月)12時40分配信

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130211-35028071-cnn-int

(CNN) 口内炎の治療に使われる薬をネズミに投与したところ、肥満ネズミが痩せる効果が確認されたとして、米ミシガン大学の研究チームは10日、医学誌ネイチャーメディシンに研究結果を発表した。ネズミたちは食べる量を減らしたり運動量を増やしたりしなくても体重が減ったという。

研究チームは年内に臨床試験に踏み切る方針で、人間にも効果が表れる可能性は高いと期待を示している。

実験では、脂肪分の高い餌を与えて肥満状態にしたネズミに対し、口内炎の治療薬として米国で15年以上前から市販されているアンレキサノクスを投与した。

その結果、ネズミたちは高カロリーの餌を食べ続けているにもかかわらず体重が減り、アンレキサノクスの投与をやめると再び元の体重に戻った。

研究チームは複数の医薬品について調べた結果、代謝をコントロールする遺伝子に対してアンレキサノクスが作用することを発見。ネズミに投与すると、食欲を抑えることなく代謝を上げる効果があることが分かったとしている。

ルイジアナ大学で肥満などについて研究しているジョージ・ブレイ医師は、肥満を抑制するための新薬の開発につながる可能性があると期待を示す。

ブレイ氏は、性機能改善薬「バイアグラ」の開発史と似ていると指摘。ブレイ氏によれば、バイアグラは当初、胸の痛みを治療するために研究・開発が進められていたが、後に偶然、性機能を改善する効果が発見されたという。

臨床試験の結果、もし人間にも痩身効果があることが確認された場合でも、例えば心臓などほかの部分に思わぬ副作用が出る可能性もあることから、安全性の検証が不可欠となる。

また、アンレキサノクスを使い続けない限り体重が元に戻ってしまう可能性が高いことを懸念する声もある。



さて、この薬、実は日本では既に25年も前から使用されています(武田薬品 ソルファ)。

(特許が切れているので安価であり、かつ安全性も問題ない薬である、ということは日本の市場が証明してしまっているのですね。)

ただし、日本においてはアレルギー性鼻炎やぜんそくなどの疾患の症状を和らげる薬としての用途に限られており、肥満のことは誰も気がついていません。

また、アンレキサノクスは、病院での処方(医師の処方箋)が必要な薬です。

添付文書は以下で見ることができます。

ソルファ(アンレキサノクス)の添付文書


添付文書をちょっと見てみましょう。

【 効能・効果 】
?気管支喘息  
?アレルギー性鼻炎

【 用法・用量 】
◇ 気管支喘息の場合
通常 、 成人には症状に応じて1回 アンレキサノクスとして
25~ 50㎎を1日3回 、朝、 夕及び就寝前に経口投与する 。
◇ アレルギー性鼻炎の場合
通常 、 成人には症状に応じて1回 アンレキサノクスとして
25~ 50㎎を1日3回 、朝、 昼及び夕に経口投与する 。


2. 副作用
承認時までの調査では 1,122例中 118例( 10.5% )に 、 市販後の
使用成績調 査( 再審査終了時点 )で は 6,401例中 168例( 2.6% )
に臨床検査値の異常を含む副作用が認められている 。

以下の副作用は上記の調査あるいは自発報告等で認められた
ものである 。

0.1~ 5%未満 0.1%未満
1)過敏症 注 ) 発疹、 掻痒 呼吸困難
2)消化器 悪心、嘔吐、食欲不振、胃部不快感、胃痛、腹痛、下痢、胃もたれ
3)肝臓 AST( GOT)、ALT( GPT)の 上昇 黄疸 、 AL-P、 LDH、γ- GTPの上昇
4)精神神経系 頭痛 、 眠気 、 振戦 めまい 、 しびれ感
5)腎臓 BUNの上昇 、 尿蛋白の増加 、 頻尿
6)血液 好酸球増多
7)その他 動悸、 ほてり、全身倦怠感 、 浮腫

注) このような場合には投与を中止すること 。



さてさて、添付文書を見ると副作用として、薬物アレルギー反応(1)が最初に挙げられるのは当然として、その次が面白いですね。

2)消化器 悪心、嘔吐、食欲不振、胃部不快感、胃痛、腹痛、下痢、胃もたれ

非常に面白い。

マウスの実験では代謝をあげるからエネルギー消費が増えて肥満解消に効果があるとしていますが、現実にはこちらの効果が大きかったりしたら笑えますね。

胃もたれや食欲不振で痩せる薬かも(笑)。←単なる推測です。

まあ、やせることができるならどちらでもいいからこの薬売ってちょうだいと思う人も多いかもしれないけれども。



日本において、アンレキサノクスは、免疫抑制剤のステロイドなどの効果・効能とは関係なく、喘息を根本的に治療する薬ではない、補助的に効果がある薬であるとされています。

ロイコトリエンからのシグナルを抑えるからだ、と。


でも、ひょっとしたら違う作用機序でアレルギー性疾患を抑えていたのかもしれませんね。

痩せる効果が「アレルギー性鼻炎」や「ぜんそく」の症状を和らげているのかもしれないなと。

糖質制限するなどして肥満が解消すると多くのアレルギー疾患の症状が軽減することはよく知られていますからね。


なんだか、色々と考えさせられます。

メトホルミンのように、昔から使われている薬で新しい効果・効能が発見される薬はこれからも見つかってくるでしょう。

新薬の開発には安全性の確保の意味から作用機序がわかっていることが厳しく要求されますが、既に使用されている薬の見過ごされていた効果・効能に注目して新しい薬として適応を広げる、このことがもっと追求されてもいいのでしょうね。


その観点からすると、副作用としてリストアップされる症状の中に、新しい薬としてのヒントがたくさんあるのかもしれません。

(たとえば睡眠導入剤のドリウェルは第一世代の抗ヒスタミン剤であり、その副作用として中枢神経系に発現するヒスタミン受容体ブロックによる眠気誘発を新しい薬効として申請して市場に出た薬です。)


既存の薬の副作用の中にある、食欲不振などを手がかりに効能を再考することは、やせ薬開発の方法として有力候補かもですね。

たとえば、糖質制限に類似した薬(αグルコシダーゼ阻害剤)も、ひょっとしたら、糖質制限の効果として認められている効果・効能を新しい使用法として申請できるのかもしれません。


痩せる薬としてはもちろんのこと

睡眠時無呼吸症候群を改善する薬

逆流性食道炎の症状を和らげる薬

皮膚炎やアレルギーの症状を和らげる薬

肝機能を改善する薬

発毛を促進する薬

などなど、糖質制限で指摘されている効果・効能を歌う薬として再考することができるのかもしれません。


そして「逆もまた真なり」、であるものもなかにはあるかもしれない。

上にあげたような、糖質制限で認められる効果を効能としてもつ薬は、ひょっとしたら糖尿病の薬としても効果的なのかもしれない。

そうです、このアンレキサノクスなど、単なるやせ薬であるだけではなくて、糖尿病の治療薬としての可能性を秘めている薬であるとも考えられるのです。



この研究に関わったミシガン大学の広報ページはこちらです。

アンレキサノクスの効果を肥満マウスで見る.png

Old drug may point the way to new treatments for diabetes and obesity

アンレキサノクスが効いて肥満から回復したマウスの画像も載っています。



ミシガン大学は様々な疾患の患者さんのゲノムや血清をストックしていて、疾患治療を考えた大規模臨床スクリーニングを推し進めている大学です。

日本は全く太刀打ちできない物量であり、今回の研究結果は、それらのマテリアルをも用いて今後進められていくことでしょう。


日本は、そういう「物量に頼った」研究はできないのですから、考えましょう。

考えて、緻密に考えて、すでに存在するものの中から新しい宝石を拾い出す。


そのときに「糖質を制限したら体に良くないに決まっている」と決め付けるような頭ではなかなか新しいものに気がつかないと思います。

先入観をとっぱらって関連性を追いかけることで、さまざまな可能性を見つけることができると思うのです。

その意味では、自分で考えて糖質制限ライフを進めている我々は、すでに自由な発想でいろんなことを発見する能力をすでに身につけていると思うのですね。

医療とかに限らず、それぞれの分野で、新たな発見と開発を進めていく能力が高いと思うのです。

新たなアンレキサノクスを発見すること、世の中の役に立てること、ついでにそのお礼として豊かになること。


我々ならできます。




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2013年2月11日 20:48

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コメント(21)

なんか、具合が悪くて痩せたようにしかみえませんよね^^

ならタバコはww

私はアレルギーバリバリで喘息でやばいときが
2回ほどあった過去を持ってます^^

抗アレルギー剤て気休めか眠いかいずれしかない
気がしてなりません < 極論

特にアトピーになんて・・全く効きません
皮膚科はちゃんとコントロールして投薬しているの
ですかねーーー・・・
# セレスタミンのゾロ飲んでます。

しかもマウスだしーーー
マウスには劇薬説をあげておきましょうw

あーようは、ステロド以外の飲む薬は効いた事がないと
皮膚科の医師によく本当に抗ヒスタミン剤で効果あるの?
と聞いています^^

また、回答がはっきりしないんだ^^
これだから皮膚科は信用が受けにくいw

糖質制限後(私のはエセですがw)もアトピーにかんしては
あまり大きな変化ないです。

残念ですが、まー他にちゃんと原因があるのでしょう

片仮名の方のナオです(笑)。
ロイコトリエンは炎症エイコサノイドですよね。

肥満の脂肪細胞は炎症を起こしていると、以前N○Kでお医者さまが研究を披露してました。
肥満を解消するのではなく、脂肪細胞の炎症を是正するために痩せていくのでは……?

いつも勉強させていただいています。
ありがとうございます。

物量ではかなわない、そうですね。
アメリカの経済規模の3分の1から2分の1程度になった現在でも研究の物量ではかなわないのですね。
私が地方の国立の理系学生だった頃、実験用のビーカーを買う予算もなく、ポカリスエットのガラス瓶で実験をしていたことを思い出しました。

戦後すぐのころは当然基礎研究では欧米に後れを取っていたのでそれの応用でずっと最近まで日本は加工貿易で生きてきたのですよね。トランジスタだってアメリカの特許だったですよね。

 よく思い出していきましょう。

アメリカの総合大学(ユニバーシティ)は本当に大きいですからね。十万人入るスタジアムとかビジネスジェット機を持ってたり。ただ規模の大きさだけでなく内部での激烈な競争があってさらにライバル校(ミシガン大ならミシガン州立大)の存在があるのが強みですね。物量じゃなくてそういうところを見習うべきでしょう。
太る(痩せる)仕組みには糖質制限以前から常々疑問を持ってました。自転車に乗っていたんですが、途中のコンビニで菓子パンやおにぎりを食べても痩せるんですね。二時間走っても消費カロリーはその半分ぐらい、いわゆるLSDで心拍数を130程度にコントロールしてますから全然たいした運動量じゃないんですがね。カロリー理論というのはどうもうそ臭いというのはけっこう自転車乗りの共通認識だと思います。三十分以上運動すると脂肪が燃えて痩せるというのは経験論で別に根拠はないんですがだいたい正しいんですよね。

私の同僚諸氏も四十近くなると太ってきて、セキやクシャミ、鼻水に悩まされる傾向にありますね。なんらかの共通因子が体内にある、第一容疑者は糖質および付随する血糖値の乱高下でしょうか。

なるほど、「臨床研究材料」の量ですか。

日本だとやりにくいのですか。
やはり自己責任の社会的概念が違うのでしょうね。
法的にも規制等が強いのでしょうか?
もし教えていただければ幸いです。

地方大学はいずこも同じなのですね。
とにかくお金がなかったみたいです。
日本は、世界で売りになるものが少ないので、技術で生きていくしかないというのが、戦後からの方針でしたね。
それが今は忘れられているような気がします。
戦略が必要ですね、世の中の仕組みも。

糖質制限の効果を立証するためだったら、私は臨床研究材料になりたいですね。


カルピンチョ先生~!

肥満細胞ではなくて、脂肪細胞が大量に増えた状態のスライドを表示していたと記憶しています(笑)。

その大量の脂肪細胞に新しい血管が作られ、絡まった画像がすごく恐ろしかったので忘れないでいたのです。

細胞ってたくさん種類があるんですねぇ。

生体の仕組みは複雑で難しいですね。

面白い記事がありました。
http://robust-health.jp/article/preventive01/000107.php?page=1
低脂肪食で基礎代謝量が-205、総消費が-423
低炭水化物食で基礎代謝が-133、総消費が-97

基礎代謝量が増える(この場合はアメリカ人の標準的な食事でしょうから減ってますね・・・)というのは糖質制限経験者、周知の事実でしょうが総消費カロリーでここまで差が出るかねと。またこの調査をふまえると時々目にする糖質制限で活力が出ない、頭が働かないというのはウソだなと。

一方で尿中コルチゾール、CRPの高さですが、そりゃ総消費カロリーでこんだけ差が出れば当然という理解でいいんですかね?というかむしろ体内の炎症に対する治癒に対しての指標と捉えるべき?

最近クリント・イーストウッドの映画を見ましたが相変わらずかっこよかった、台詞回しも完璧で、割れたビール瓶を喉元に突きつけるシーンなんかまさにダーティ・ハリーのイメージそのままでした。

カルピンチョ先生。

お騒がせしてすいませんでした〜。
与太話でしたね。
でも『なるほど!』と感心仕切りでした。
丁寧で解りやすい説明いつもありがとうございます。
インターロイキンと腫瘍壊死因子は肥満関係を調べてると必ず出てきますよね。

あっちこっち、いろんな生化学的ものを漁って読んでいると、部分でしか理解できてないので、色々な勘違いを起こしてしまいます…。
カルピンチョ先生のおかげで、すじ道が明確化されるのがたまらなく楽しいです。

カルピンチョ先生〜!!

すみません、ありがとうございます!
これからも勘違い多目の与太話(笑)書き込ませていただきま〜す!

>>メトホルミンのように、昔から使われている薬で新しい効果・効能が発見される薬はこれからも見つかってくるでしょう。


『「寿命120歳」不老薬に現実味 実は安価な糖尿病薬 米で臨床試験許可』
『アンチエイジング(老化防止)薬として臨床試験が行われるのは、1940年代から世界で広く使われている2型糖尿病の治療薬「メトホルミン」』http://www.sankeibiz.jp/express/news/151202/exh1512020000001-n1.htm

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