赤い鳥が赤いのは赤い実を食べたからか?
赤い鳥小鳥 ♪
なぜなぜ赤い ♪
赤い実を食べた ♪
こんな歌詞の童謡があります。
これは北原白秋が、雑誌「赤い鳥」の童謡部門を担当していた時に最初に書いた童謡の歌詞だそうです。
すごく印象的な歌です
そして子供の知能というか、可愛らしい想像力を描いたものですよね。
白いカーネーションを赤いインクを薄めた水に差すと、水を吸い上げてピンクになる。
これは小学校の理科の実験でやりました。
植物の場合、維管束が吸い上げた水の色がそのまま広がり、色素の弱い白い花びらでは透けて見えます。
でも、赤い実の色素が、赤い小鳥の羽の色になるなんてことはあり得ないと、大人は思いますよね。
赤い色素はそれを作る遺伝子の力、あるいは構造色として見える立体的な形が反映されたものであり、赤い実の色素の色ではない。
だから、子供らしい発想だなと、大人は笑ってしまうという歌詞。
ほほえましくて、童謡としては大好きです。
無知だけど無垢なんだよな。
さて・・・
「現代人に2型糖尿病などの生活習慣病が増え続けているのは食事が西洋化したのが問題です。
脂っこいものやコレステロールの多い食品ばかり食べるから肥満や動脈硬化につながるのです。
伝統的な和食に戻って脂肪やコレステロール摂取を減らしましょう。」
生活習慣病の食事指導をされる内科の先生や栄養士の先生の口から出てくるこの理論。
赤い鳥小鳥の歌によく似た理屈に聞こえませんか。
メタボなおっさん ♪
なぜなぜメタボ ♪
脂肪ばっかり食べた ♪
そんな歌に聞こえますね。
「動脈硬化が起こるのは血管に脂肪がへばりつくから。
腹が出るのは西洋型の脂っこい食事をするから。
だから、脂肪摂取量を減らしてその分は炭水化物でカロリーを摂取しなさい。
糖質なら効率の良いエネルギーだし、血管にへばりついたりしないし。」
そんな風に思ってらっしゃるですね。。。
頭が不自由でいらっしゃる。
これ、間違いだと、糖質制限している人は知っていますよね。
脂肪を食べたから腹が出るのではありません。
糖質を食べるから腹が出るのです。
(もちろん、どちらも食べ過ぎはダメです。さらに、糖質を50%も食べたところにさらに脂肪を食べると快調に腹が出るのも否定しません。)
我々の身体の中のコレステロール値などの脂肪の量をコントロールしているのは食事は20%で、残りの80%は我々の体内で合成した脂肪であること。
そして、その体内で合成する脂肪のもっともよい原料は糖質であること。
糖質制限している人なら素人でも知っています。
医療関係者なのにそんなことを知らない、子供のような知識と発想力の童謡。
だんじて、ほほえましい無垢ではありませんよ。
もっとよく勉強していただきたいと思います。
と、ここまで書いたところで自爆つっこみを一つ。
フラミンゴの羽の色が鮮やかなピンクになるのは、その生息地の池の藍藻の持つ色素のせいだそうです。
動物園などで綺麗な羽の色を保つためには、そういう色素を混ぜたエサを食べさせる必要があるとのことで。。。
フラミンゴ
体色は淡いピンク色から鮮やかに紅色をしている。フラミンゴが紅色なのは、餌であるエビやカニを食べているからと言う説もあるが、藍藻類の色素、β-カロテンやカンタキサンチンによるものである。孵化した直後の体色は白く、これらを含むプランクトンや藻類(スピルリナ)を摂取することで体色が紅色になる。色素を摂取しない状態が続くと徐々に体色が色褪せ、最終的には白色に戻る。動物園で飼育する場合、飼料に色素を添加する事で羽色を維持している。Wikipediaより
まさに赤い鳥が赤い餌を食べたから赤いというやつですね(^^;)。
ただし、彼らにカロテン色素を提供している藍藻類は緑色です(blue-green)、赤い実ではありません(←しつこい)。
Flamingos filter-feed on brine shrimp and blue-green algae. The pink or reddish color of flamingos comes from carotenoids in their diet of animal and plant plankton. These carotenoids are broken down into pigments by liver enzymes. The source of this varies by species, and affects the saturation of color. Flamingos whose sole diet is blue-green algae are darker in color compared to those who get it second hand (e.g. from animals that have digested blue-green algae). http://en.wikipedia.org/wiki/Flamingo
http://www.pbs.org/wnet/nature/firebird/html/facts.html
脱線ついでのことを書くと、フラミンゴこそが「不死鳥伝説」のもとになった鳥であるという話も上の画像のあるのと同じページに見つけました。
The flamingo, living on hot volcanic lakes, recalls the ancient Phoenix myth. Found in many cultures, this story describes an immortal bird who was consumed by flames, then rose from the ashes. The word "flamingo" is also associated with fire: it derives from "flamenco," from Spanish through Latin, a word that has its root in "flaming." But where do flamingoes come by the blazing color for which they are named?
http://www.pbs.org/wnet/nature/firebird/html/facts.html
また、一部の花の色素は卵の黄身の色に影響を与えることはわかっています。
卵黄の色の濃さはそうやってえさに混ぜる色素で操作されています。
ケーキに使う鶏卵は色が薄い方がスポンジの白が映えるので、黄身の色が極力薄い卵も生産されていると言います。
実験して公開されているホームページがありました。
卵やプリンを販売されているお店の方が行われた実験のようです。
卵黄の着色実験
http://kakeien.com/jikken.htm
色素を鶏に食べさせて卵の色を観察してみたところ、脂溶性の色素だと色が付きやすいようですね。
ズダンブラックかあ。。。
と、いうことで、「赤い鳥小鳥」の童謡を引用して、メタボな人に脂肪を食べさせないようにする栄養指導はおかしい、という話に展開してみたのは、科学的に失敗でした。
それでずっと以前に没にした記事ネタでしたが。
いろいろ雑学的に埋もれさせておくのは悔しいからアップしちゃいました(笑)。
たとえ話は難しいですね(^^;)。
すぐに、サケの色が、食べた甲殻類やプランクトンの色素から出来ているという話を思い出しました。サケは本当は白身魚なんだとか。フラミンゴも同じなんですね。
話が脱線しちゃいました。
はじめましてカルピンチョ先生。
HPの内容いつも大変参考にしております。
自分は高血圧改善のため3食断糖を実施してましたが1か月で甲状腺機能低下症のような思考力低下と動悸症状がでてきました。
とりあえず血圧と体重は下がったのですが、毎日の仕事がきついので一度中止しようと思うようになりました。
思えば、子供のころは毎月のように風邪をひいており糖新生能力もそれほど高くないのかもしれません。
また、数年前から低体温と肌の乾燥はあったのでrT3比率が高かったのかもしれません。
糖質制限の理論は素晴らしいのでもっと甲状腺機能低下やコルチゾールによるT4→T3制御などの副作用的な情報も知りたいです。
これからも楽しみに読んでいきますのでがんばって下さい。
原作小説の邦題「アンドロイドは電気羊の夢をみるか?」でしたか、懐かしいですね。
あのレプリカントなら生活習慣病を正確に再現して
メタボロイドになれそうですねw
これ以前から思っていました。
コレステロール食べたらそのまま血液に入るのかよ!
ってね^^
糖質系はほぼそのまま入るのが大きな問題と思ってます。
脂肪等はいろいろしないと利用できませんからね。
カルビンチョ先生、こんにちは!
魚類の中でもマス類は、色素を取り込む、酵素を、持っているそうで、パプリカやトウガラシなどを餌にして、マスを養殖して食べさせてくれ所があるそうです。サーモンみたいで美味しいらしいです。
それと、フォアグラは、大量のトウモロコシと、コメのミルク(液ス)等を食べさせて、作るそうです。
なので、メタボな、おっさんは炭水化物(糖質)で、できる、ですね(笑)。失礼しました・・・
にこさん
ああ、それ読んだことありました、何かで。
きれいさっぱり忘れていて思い出せませんでしたあ。(^^;)
ありがとうございます。
お寿司食べてないなあ、長らく。
84さん
>3食断糖を実施してましたが1か月で甲状腺機能低下症のような思考力低下と動悸症状がでてきました。
・・・あれれ、そうなんですか。
晩御飯だけの糖質制限でも十分な効果がありますから、無理しないようにやってみてください。
http://xn--oqqx32i2ck.com/review/cat18/post_179.html
上記の記事を読んでいただいた上でコメントくださっているのだとは思いますが、その記事に書いてあるように、体調が戻るところまで戻してみてくださいね、そこから無理しないように徐々に始めてみてください。
甲状腺機能低下の理論、副作用的な情報については文献からの考察はできますが、具体的な数値などに関して言えば、結局はやっぱり、個人差ですからね。
自分で試行錯誤、というのが理想だと思います。
カイゴロンさん
そうそう、あの映画、大好きなんです、映画館では見てなくて(上映されてたのも知りませんでした)、あとからVHSテープで見たら衝撃的で、いったい何度見たことか。
レプリカントって言葉もなんとも切ない響きで、ショーン・ヤングの綺麗でうつろな表情がしばらく脳裏から消えませんでした。
原作は映画の前に、高校生の時に読んでましたが、重苦しいイメージが強くてあまり楽しくなかったので、映画を見た時には、違う話に仕立て上げられていてびっくりしました。
原題が「Do androids dream of electric sheep?」で、学校で習ったdream a dreamではなくてただ単にdreamになっていて、なんでだ?と、高校の教師に質問したら、dream a dreamの方だけ覚えておけ、受験にはそれだけでいいと言われたのが残念でした。
http://en.wikipedia.org/wiki/Do_Androids_Dream_of_Electric_Sheep%3F
自動詞と他動詞の違いだって知ったのは医者になってから(笑)。
naoさん
そうそう、きっとこういう先生方はGABAが豊富な胚芽などを食べたらそのまま脳に届くと思い込んでたりするんですよね。
だから玄米が一番いいと叫んでたりする。
BBB(血液脳関門)のこともご存じないわけで(笑)。
キャッツさん
メタボなおっさん ♪
なぜなぜメタボ ♪
糖質ばっかり食べた ♪
ということでございますねえ。(*´ω`*)