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猫の皿 糖質制限版



<さて、枕だよ。>

最近は活字離れ、本離れが激しいって言いますけど、ほんとみたいですね。

つい10年ばかり前に、新しい古本屋のスタイルだって一世を風靡したブックオフね、「本を売るならブックオフ~♪」ってあれですけど、赤字で困ってるって言うじゃないですか。

なんでも、本を買いに来る人も売りに来る人もめっきり少なくなっちまったらしいです。

本屋業界も困ったもんですよね。


そうなると、せどりをやってる人たちも仕入れ先が減って苦しくなるのかな?

いや、せどりってのはね、ブックオフみたいな何でも同じ値段で売ってる古本屋とかで、掘り出しもんを見つけて転売する商売のことです。

Amazonですごい値段で中古本に値段ついているのも、ブックオフで仕入れたお宝本だったりするんですね。


こういう商売って骨董品業界には、実は昔っからあるんです。

今と違ってブックオフとかAmazonとかはないから、地方に仕入れに行ってお宝を見つけては、価値の分かってない持ち主を言葉巧みにだまくらかして、安く買いたたいて、江戸の収集家に法外な値段で売りつけるって商売です。

旗氏(はたし)っていいましてね、ほんとに、あこぎな連中だったらしいですよ。

そんな旗氏が川越あたりまででかけて、買い付けに行ったときの話なんですけどね。





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「あ~、つかれちまったなあ、今回はろくなもんがねえや。
わざわざ川越くんだりまで来たっていうのによ。」

旗氏の作兵衛、川越の農家で、実は中国の価値物の壺が水入れに使われているという話を聴きつけてやってきたのですが、すでにほかの旗氏に買いたたかれておりました。

「さ、この坂道を下ればようやく船着き場、川越も終わりだな、ちょっと休憩するか~、お、あつらえ向きのところに茶屋があらあ、商売上手な野郎だね、まったく。」

茶屋の暖簾をくぐって声をかけ、作兵衛は表の椅子に腰をかけます。

団子 素焼き.jpg


「おう、おやじ~、団子をおくれ、二本でいいや、うまいところを持ってきてくんな。」

「へいへい、うまいところもなにもうちの団子はどれも同じ味で、どうぞ味わってください。」

「お、早いねえ、どれどれいただこう。
く~っ!山道を歩いてきたら糖質がなおさらうまいねえ!」

名物の峠団子なるものを食べていた作兵衛、ふっと足元に目をやりますってえと、ずいぶん年を取った猫が歩いております。

「あれれ、ここらへんの猫かい、ずいぶん年取ってるけど、その割には、きびきび動くねえ。
元気な年寄り猫か、江戸の下町の年寄り猫でこんな毛艶のいい奴はいねえや、へへ、いいもん食わしてもらってんだろ。
あ、こらよってくんな。
おでこをこすりつけんじゃねえ、毛がつくだろ毛が。
しっしっ。」

そう言って追っ払った猫の歩く先を見ると、茶屋のおやじさんが出てきました、器に何やら餌を入れてやってきます。

「あれ?おやじ、この茶屋の飼いネコかい?」

「いえ、うちの猫ではないんですが、最近ふらっとやってきましてね、あんまりよれよれでかわいそうだったんで、餌をやったら 居ついちまったんでさあ。」

しまネコ 寝顔 長毛種.jpg


「け、物好きだね、こんな年寄りの猫に餌なんかやって。
それにしても、年寄りの割に毛艶がよくて元気そうじゃねえか、この猫。
米でも食わしてやってんのかい?」

「へへ、ご冗談を旦那。
米はあっしら人間の食べもんでさあ。
猫は本来肉食だといいます、近くの川で捕まえた小鮒や、山で取れた鳥の足の肉なんぞを軽くあぶって食わしてやってます。
そしたらこうやって元気になるんですよ。
猫に米食わしちゃだめですよ、旦那。」

「ほえ~、いい身分のお猫様だねえ。
江戸の猫は人間の食べ残しに味噌汁ぶっかけたもん食べてて、それでもぜいたくだって言うのに。」

「だんな、だめですって、そんなもん食べさせたらこんな年寄り猫はあっという間に体壊しちまいますよ。
猫は肉と魚以外は食べさせちゃいけませんって。
ほんとは人間もその方がいいんですがね。
そしたら団子屋なんかやってられませ・・・おっと、失礼、聞かなかったことに。」

「ふ~ん、それで毛艶もいいし、元気なんだな。
おお、小鮒がたくさん入った器だな、へへ、薄汚いけどちゃんと陶器の茶碗じゃねえか、木の茶碗じゃねえんだね・・・・・・・え?ええ?」

「だんな、どうかしましたか?」

「いや、ど、どうもしねえよ、気にすんな。」

「はは、そんなに一生懸命猫を見て、旦那、さっきは嫌がってたけど実は猫が好きなんですねえ。」

作兵衛、不意に黙り込んで、食い入るように猫を、いや、ネコの茶碗を見つめだしました。

(お、おい、まじか?いや、間違いかもしれねえ、いくらなんでも。
でも、あれ、こ、これはどうみても。
これ、初代柿右衛門の器じゃねえのか?)

あこぎな商売ですが目利きの腕は確かな旗氏の作兵衛、ネコの器がとんでもない価値ものではないかと見つめます。

そうしてるうちに、ぽりぽり、ぺろぺろ。

小鮒がいい塩梅に盛りつけられた器の中に顔を突っ込んでた猫が満足げに顔を上げると、エサが喰い尽くされたその中から出てきたのは鮮やかな赤色の絵です。

Sakaida_Kakiemon_I_from_national_language_handbook_in_1929.jpg


(ま、ま、ままm、まちがいねえ、これは初代柿右衛門の器じゃねえか、江戸にもってって金持ちに売りさばきゃあ、三百両は下らねえぞ!)

(そんな器を猫のエサ入れにしてしまうこのおやじは大金持ちなのか?)

茶屋のおやじの顔を作兵衛が見るってえと、おやじさん、人の良さそうな顔をしてにこにこしながらこっちを見ています。

「お、おやじ、こ、ここ、この猫の、ねこ・・・」

器が柿右衛門だと言おうとして、作兵衛、思いとどまります。

(いくらなんでも、こんだけの価値の茶碗、価値がわかるもんなら猫の器になんかするわけがねえ、つまりこのおやじは器の価値を知らねえんだ。)

(ということは、チャンスじゃねえか、ここで安く買いたたいて、というか、待てよ、茶碗を買うんじゃ無くて、ネコを買うってことにして安く買いたたいて、それに器をつけさせればいいじゃねえか!)

そう思いこんだ作兵衛、さっきまで触ろうともしていなかった猫を猫なで声で呼び寄せ始めます。

「ねこや、猫ネコ、こっちにおいで~。」

っていうと作兵衛、きょとんとしてる猫を抱き上げて膝に乗せちまった。

猫の方も、もともと人懐っこい猫だったみたいで、抱き上げられたらご機嫌で、ぐるぐるごろごろいいながら膝の上で丸まっちまった。

「おや、だんな、そんなに猫がお好きだったんですか?」

膝で丸まった猫をなでながら、作兵衛、ここが旗氏の腕の見せ所と、一商売打ち始めました。

「かわいいなあ、ぶち、ぶちやあ。」

「だんな、目はお見えですか、この猫はしまネコなんですけどね。」

しまネコ 子供 おひるね.jpg


「あ、す、すまねえ、うっ・・・。」

「だ、だんな、どうなさったんで!りっぱなだんなさんがそんな急に涙を見せるなんて!」

「いや、じつはなおやじ、うちにも猫がいたんだが、去年死んじまってなあ。そのなまえがぶちなんだ。」

「ああ、そうなんですか、それはかわいそうなことで。」

「うちのかみさんが可愛がってたんだけど、かみさんが糖尿病で調子悪くてよ、目は良く見えねえ、足は痺れる、尿もドバドバ出てたかと思うと最近は出が悪くて、寝たきりなんだ。」

「ありゃあ~、合併症のオンパレードですな、糖尿病の最終形ですな。」

「そうなんだ、おやじ。っておめええらく糖尿病にくわしいじゃねえか?」

「いえね、ネコも糖尿病で悪くなるってのを知りまして、食餌療法はどうすればいいかを調べたことがありますもんで。」

「なんだなんだ、ネコの糖尿病があるのかい。」

「ええ、そうです、ひょっとしてだんなのとこのぶちという猫も糖尿病だったんじゃないですか?」

(お、かかってきたぞ、うちは猫なんか飼ってないけど、そういうことにしちまおう。)
「そうなんだおやじ、うちのぶちも、目は良く見えねえ、足は痺れる、おしっこもでなくなって死んじまった。」

「ああ~そうでしたか、奥さんが可愛がってたとしたら、同じもんを食べさせてたんですね、人間でも白米の食べ過ぎで糖尿病や脚気になるんだから、ネコにそんなもん食べさせたら死んじゃいますねえ。かわいそうに。」

「え、そうなの?糖尿病は白米の食べすぎがいけねえのかい?栄養つけなきゃって毎日白米ばっかり食べさせてるけど、実はそれってかみさんの病気にも悪いのかい?」

作兵衛のかみさんが糖尿病で具合が悪いってところはほんとうだったみたいで、作兵衛、びっくりしました。

白米 女性.jpg


「そうなんですよ、ネコも人間も糖質を食べすぎると血糖が下げられなくなって糖尿病になるんです。食べるのやめたら治りますよ。」

「そうなんだ、これはいいこと聞いた!さっそく江戸まで急いで帰って・・・ととと、いけねえいけねえ、本業忘れてどうするんだ俺。」

「本業?何かこれからお仕事なさるんで?」

(あ、やべえ、目的が茶碗だってばれちまわあ)
「いやなにね、本業じゃなくて、ほんとうに言いたかったことって意味で本当の勤行、ほんぎょうなんでさ。おやじ、いや、ご主人、お願いがある。」

「へ、へえ、いったいどうなさったんで。」

「この猫、譲っちゃくれまいか?」

「へ?またごじょうだんを、こんな野良上がりのおいぼれ猫をくれだなんて、ごじょうだんいっちゃいけません、だんな。」

「いや、実はな、この猫を膝に抱いたときにわかったんだ、この猫はぶちにそっくりだって。」

「旦那、この子はしまネコですってば。」

「いや、ちげーんだ、抱き具合とよ、膝に載せた感じがもう、ぶちそっくりで、いっぺんで思いだしちまった。」

「はあ、さようですか。」

「そしてぶちのことが大好きだったうちの女房は目が悪い。」

「は、ははあ、ひょっとして。」

「そうなんだ、寝ている女房のところにこの猫を連れていって抱かせてやれば、ああ、ぶち、お帰り~!って、大喜びして、少しでも元気になってくれるんじゃないかとね。」

「なるほど~、そういうおはなしですか。」

「そうなんだ、ゆずってくれるかい?」

「お断りします。」

「 えええ!な、なんでだよう、うちのかみさんの話もしたし、ネコが似ていることも話ししたじゃねえか、事情もわかってくれたといったのに。」

しまネコ なでなで.jpg


「だんなさん、この猫は迷い猫ですがね、れっきとしたうちのネコです、具合が悪かったのを治してやるうちに猫の方もすっかり情を示してくれて、毎朝、私の寝床のある部屋の外で、にゃお~にゃお~と、鳴いて起こしてくれる。
餌をねだってのことだろうけど、かわいいもんです、そんななついた猫を、差し上げられません。
幸い、この山には野良ネコがほかにもいっぱいいますんで、そちらをとっつかまえて連れて帰っておくんなさい。」

「いや、ご主人、どの猫でもいいっていうんじゃねえんだ、この猫だよ、この子じゃなきゃいけねえ、亡くなったぶちにそっくりなのはこの子だ、抱いて分かったんだ、ぜひ、是非に譲ってほしい。」

「そういわれましてもね~、ネコとはいえ、家族同然、そういう連れ合いを、失礼ですが旦那、どこのどういうお方かわからない方にお譲りするわけにはいきません。
それに先ほどもおっしゃってたでしょう、猫には人間の残飯くわせときゃいいって。
そんな猫の飼い方をする方にこの子はお譲りできません。
ちゃんとこの子に肉か魚を食わせてくれる甲斐性のある方じゃなくっちゃ。」

「お、おお、それはな、ご主人に言われるまで猫が糖質食っちゃいけないって知らなかったからなんだ。
それに人間だってそうなんだろ、糖尿病の患者に糖質食わせちゃいけないんだろ。」

「はい、それは間違いないことで、2型糖尿病の患者さんなら糖質制限すれば簡単に血糖値は改善します。」

「そう分かったのはさっきご主人に教えてもらったからだ、そうわかったのなら責任もって、うちの女房にも、この猫にも肉と魚を食べさせて、糖質なんか食わせないぜ。」

「旦那、意気込みはわかりましたが、お江戸で糖質制限するのには金がかかりますぜ、大丈夫ですか?」

「まかせろ、それが証拠にな、見ろ、ここに二両ある、これでこの猫をもらい受けようじゃねえか!」
(二両で譲ってもらって、ネコが慣れてるからってあの茶碗をついでにもらって江戸で売りさばきゃあ、おつりがくるどころの話じゃないからな、へへへ。)

「え!えええ~!二両ですか!こんな年寄り猫に二両!どんだけ金持ちなんだ!なるほど、だんなは糖質制限する生活には困らなそうだね。」

「わかったかい!そしたら二両で譲ってくんな、このネコ。そしてこの猫が向こうのくらしにすぐなじむようにだな、」

「お断りします。」

「え?いま、なんつった?」

「この猫をお譲りすることはできません、二両でも、うちの家族です。」

「えええ~!そんな、そんなに大事にしてる猫だったのかい!(こいつ、足元見て吹っかけてきやがったな!ちくしょう、負けてられるか!)
すまなかったな、そんなに大事な猫をこんなはした金で譲ってくれというのは申し訳なかった。
でも、こちらも病気のかみさんを元気にしてやりてえんだ。
あんたから聞いた糖質制限の話も、帰ったらすぐにかみさんにやってみるし、このネコにも白いご飯にかつお節かけたネコマンマなんざあ、食わせねえよ。」

「糖質制限なさるんですかい?このネコにも肉か魚を与えていただけるんで?」

「おおよ、まかせとけ、男に二言はねえ!」

猫 メタボ.jpg


「そうですか、糖質制限をしてくださるのは嬉しいです、メタボネコなんか見たかねえや。みんなが健康で医者知らずで過ごしてくれたら医療費もかからないってもんで。・・・でもなあ、二両かあ。(ちら)」

「わかった、わかったよ!懐にあと一両、三両あらあ、これでゆずってくれないか。お願いだ、この子を大事にするよ。」

「・・・そうですか、仕方ありませんね。この子をお譲りします。」

「おお!わかってくれたかい!ありがてえ、かみさんが大喜びだぜ!(しめしめ、そしたらあの茶碗もいただくぜ。)それでご主人、このネコなんだがね、川越から江戸の下町に連れていったら水が変わっちまって慣れねえだろ。」

「へい、あっしもそれが心配で。」

「良かったらこのネコが使い慣れている茶碗も持っていかせてくれないか、その薄ぎたねえ茶碗でいいからよ。」

「はい、わかりました、それではこのネコが普段使っているもう一つの木の茶碗がきれいに洗って置いてありますんで、それをお付けします。」

「え!いや、そういう木の茶碗じゃ無くてだな、その、今このネコがべろべろなめた陶器の茶碗、そっちをおくれ、ネコのにおいがついてるからそっちでいいや。」

「これは、ダメです。木の茶碗をお持ちください。」

「え!な、なんでだい?茶碗なんてどっちでも同じだろう?」

「いいえ、これは三両ぽっちでお譲りするようなもんではございません。」

「えええ!?そんな、ネコのエサの皿にしてる茶碗だぜ。」

「旦那さん、旦那さんはおわかりにならないかもしれませんが、これは初代柿右衛門の作でしてな、江戸に行けば三百両では売れようという価値ものです。」

「えええ!(げげげ、こ、こいつ知ってたのか)」

「私もこうみえて、昔商売をやって景気がよかったことがありましてね、左前になって財産売り飛ばして、今は茶屋のおやじをしていますが、景気がよかったころに買った道具の中で、これだけは気にいって手放せなかったんでございます。」

「お、おやじ、そんな価値ものだと知っていながらどうして猫の茶碗に、柿右衛門をこんな猫の皿になんかしてるんだい!?」

「へい、実はこの柿右衛門、猫の皿にしておりますとね、糖質制限についてお伝えできます上に、


 ・・・ときどき、猫が三両で売れます。」





おあとがよろしいようで。

2017年5月27日 21:03

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コメント(18)

くすっ(゚∀゚)

とんちがきいてますねw

うちでは犬を飼っていますが、少しでも糖質制限風になるようにドッグフードに卵混ぜたりシーチキンやサバ缶まぜたりして、できるだけ糖質の比率が下がるように気を付けています。
効果としては大したことないかもしれませんが、少しでも糖質制限に近づけられればと思ってますw

カルピンチョ先生、

“猫”というタイトルに飛びついてしまいました!

うちの猫が一昨日の診察でちょっとホッチャリ気味で(それがまた可愛いんですけど♡)、ペットに糖質制限ってどうなんだろう? 完全栄養食と言われるカリカリって、実際どうなんだろう?と考えていたところだったんです。

フードの“成分”に“たんぱく質28.5%以上、脂質8.5%以上”とはありますが、炭水化物量は書いてないです。でも“原材料名”の筆頭は“トウモロコシ、コーングルテン”で、うーん・・・?? それに続いて“ミートミール、動物性油脂、セルロース、全卵粉末、フィッシュエキス、フィッシュミール、チキンミール、フラクトオリゴ糖、チキンレバーパウダー”、そしてここの下位へ来てようやく“小麦粉”、あとはビール酵母、ビタミン類、ミネラル類、アミノ酸類、酸化防止剤(まあ、仕方ないか)・・・なので大丈夫かな。 
ストルバイトケアの療養食なので、ヘンに自作するよりは安心ですかね。

肝心のお話については・・・オチは大いに笑えましたけど、作兵衛さん、猫を連れ帰りはしませんよねぇ? ちょっと心配。

先生も、猫がお好きなんですか?

猫にかまけて、大事な論点を見落してたりしてませんかしら。
物事の価値が分かる見識ある人は糖質制限をちゃんと知っている、とか??

3年前に旅立った我が家の愛猫は推定10歳のときに糖尿病になり、朝晩インスリンを打っていました。糖尿になってから7年間も生きてくれたので、血糖コントロールはうまくいっていた方だと思います。しかも血糖測定器を使わずに尿糖試験紙だけでコントロールできていました。うちの猫は缶詰をメインに食べていました。ドライフードは固めるためにけっこうたくさんの糖質が入っています。一方の缶詰は固める必要がないので、たんぱく質&脂質がたっぷりです(ツナ缶みたいなものですね)。食事量も決めていたので、今思い返すと、自然にカーボカウントをしていたのだと思います。
(最近は低糖質のドライフードもありますが、お値段もそれなりにするようです。缶詰もドライに比べたらコスパが悪いので、保険の効かない動物の治療費と相まって、なかなか大変でした。やはり糖質のメリットは安価なところなんですよね…)。

そんなコントロールの良かった猫も、たまに予測不能の低血糖で倒れることがありました。そのたびにニンゲンは夜中に飛び起きて、倒れてけいれんしている猫の口の中にどろどろの砂糖水を必死で押し込んでいました。

猫が亡くなる数年前、私自身が2型糖尿病だとわかったとき、どうしてもインスリン治療を避けたくて必死で情報を集め、糖質制限にたどり着きました。もちろん、糖質制限だけで血糖管理はバッチリです。これも愛猫のおかげです。彼はインスリン投与のリスクを、身をもって私に教えてくれました。

余談ですが、冒頭で申しましたとおり、うちの猫は尿糖試験紙のみで血糖値をチェックしており、私自身も測定器は使っていませんでした。最後は腎不全を併発して自宅輸液が必要になった猫の治療費が嵩み、自分のために測定器を買う経済的余裕がなかったのです…。でもあるときから愛猫の血糖値にかなりの乱高下が見られ、尿糖試験紙でのチェックが当てにならなくなり、ついに測定器を買うことにしました。

……でも、間に合いませんでした。測定器が自宅に到着したのは、愛猫の葬儀の翌日でした。届いたばかりの箱を抱きしめた瞬間、大粒の涙がこぼれました。

愛猫の置き土産になった測定器は私が使っています。しっかり測って長生きしてねと、天国から励ましてくれているような気がしてなりません。おかげで何をどれだけ食べれば血糖値が上がるかわかるようになり、食事の幅が広がりました。

記事とあまり関係ない話を長々と失礼しました。カルピンチョ先生、不適切だったら非公開にしていただいてかまいません。

最後に。猫と暮らしている皆さん、猫の食事は缶詰か、あるいはドライフードにしても低糖質のものを選んであげてくださいね~。

再び失礼します。またまた記事のテーマとは直接関係ないのですが、血糖測定器について思い出したことがあります。

前のコメントで自分のために測定器を用意しなかったと書きました。経済的事情もありましたが、血液検査の結果が毎度良好だったので、自分には必要ないと思っていたのも理由です。さらに、自分の指に自分で針を刺すのが嫌だったというのもあります。

でも愛猫が身を削って残してくれた測定器を無駄にするわけにはいかず、勇気を出して使い始めたのですが、使って良かったとしみじみです。

食事の幅が広がっただけでなく、空腹時でも興奮しているときは血糖値がけっこう上がることがわかり(私の場合は通常90台の数値が130になっていたことがありました)、ストレスマネジメントも必要だなあとか、騒音性難聴の治療でステロイドを服用していたときは(ステロイドは血糖値を上げるので)、測定することで、どれだけ食事の糖質量を抑えればいいかが容易にわかりました。

針を刺すのもすぐ慣れました。私は仕事で指先をよく使うので、手のひらで測っています。手のひらだとほとんど痛みはありません。

というわけで、あくまでも私の経験からですが、2型糖尿病の方は医師の指示がなくても測定ができるようにしておくと、何かと便利だなあと思います。

測定器やチップがもっと安く手軽に求められるといいのですが…

こんにちは。
「猫の皿」は大好きで数限りなく聞きました。
そして糖質制限をこの噺に持ち込むとは素晴らしいです!

オチもいいし
「こんな年寄り猫に二両!どんだけ金持ちなんだ!なるほど、だんなは糖質制限する生活には困らなそうだね。」
と言うところも大笑いし、血糖値が10mg/dlほど下がりました(?)

次作にも期待します。

よねさんへ
グレインフリー、通販などで検索すれば穀物不使用ほぼ肉類だけど素材としたペットフードが買えますよ(高いですが)
欧米ではかなり前からペットフードは穀物不使用が流行で、いろいろなメーカーから販売されています

カルピンチョ先生へ
自分は猫の治療食で生肉から手作りする食事療法やグレインフリーフードなどをかなり前から知っていましたが、頭が固くそれを人間に当て嵌める発想が全くなく猫には肉食をさせて自分は糖質をたっぷり取っていました。
先生はすぐに動物にも糖質制限と考えられて凄いですね。

カルピンチョ先生

猫のことについてまでご返信いただき、本当にありがとうございます。
というのも、それを機にうちの猫のストルバイト尿結晶について調べたからです。
どうして今までちゃんと調べなかったのかと、自分を殴りたくなります。
動物病院で「ストルバイトがあるので、専用のフードを」とサンプルを渡され、何の疑問も持たずにそれを食べさせ続けていました。
思えば、フードメーカーが売り込みのために提供していたサンプルなんでしょうね。

そして私なりの結論:
先生のおっしゃるとおり、トウモロコシはよくなさそう。
消化に悪い → 便に水分を摂られる → 尿が減る → 結晶ができやすい・・・
なので他の方のおっしゃっていたグレインフリーのフードで糖質制限して、ストルバイトもよくこそなれ、悪くなることはなさそう。
初めは「病院の勧めるフードじゃなくて本当に大丈夫だろうか…」などと不安が残りましたが、カツオのように“自分の頭で考えて”みることにしました。

うちの猫はちょこちょこ食いなので、ウェットフードは衛生面で躊躇していたのですが、幸いドライフードでグレインフリー、かつ尿pHを中性に整えてくれるものが見つかり、早速アマゾンで注文。
あとは、猫が食べてくれるか、ですが。でも、お肉やお魚の成分いっぱいでおいしいはず?

明日が楽しみ。アマゾン命。カルピンチョ先生に感謝。m(_ _)m

カルピンチョ先生、

新しい猫フードが届きました。

ホールプレイ(丸ごとの獲物)特別比率で配合。
80%――鶏肉、白身魚、全卵など
20%――野菜、果物、ハーブ類
0% ――穀物類不使用

見た目からして、前の白っぽいうす茶色のサラサラの粒に比べて、黒っぽくてオイリー。

そして、<ガッツリ>食べてくれました!

これで家族全員の糖質制限ライフのスタートです!

>スイカさん
遅ればせながら、“グレインフリー”のキーワードをありがとうございました。

スイカさんへ
返信遅くなりすいません。
ドッグフードのアドバイスありがとうございます。

私も以前(2年ほど前)、穀物不使用のドッグフードをネットで購入して飼い犬に与えていたんですが、残念なことにうちの子は口に合わなかったのかあまり食べてくれませんでした(-_-;)高かったのに・・・orz

そんな訳で今は少しでもタンパク質の比率の高いものを購入して混ぜ物をするという苦肉の策です(^^;

猫とライオンは内臓の構造が同じ。多摩動物公園ではライオンの食事は週2回生肉をあげているそうです。
のでライオンが糖尿や虫歯にはなりません。
我が家の猫も生肉と糖質オフのカリカリだけでスリムで元気です。大好物は鳥の生肝と手羽元の骨。

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連絡先はこちら↓
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(全角の@を半角の@に変えてください。)

私のブログをまったく読まずに一方的に質問を投げかけるのはおやめください。 いただく質問の答えは、ブログ内の記事、あるいはコメントでのやり取りに記載されている場合が多いと思います。 量が多くて読むの大変だから、ということであれば、知恵袋などの質問サイトをご利用なさってはいかがでしょうか。 また、コメントへの返信やメールへの返信は「無償の善意の第三者」としてやり取りさせていただいているつもりです。 自分の家臣に問いただす殿様みたいな非常識な投げかけは、ときに無視しますので、あしからずです。 コメントやメールには医学的に間違いないようにお答えしたいと思いますし、急に忙しくなって対応できないこともありますので時間がかかる場合があります、ご了承ください。


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糖質制限がうまくいかない人は明らかに一定数存在しますし、その方々の存在を否定するつもりなど毛頭ありません。
人はそれぞれ遺伝子が違い、環境が違い、そのアプローチに挑むときの年齢や健康状態も違うのですから、同じことをしても同じ反応が出ないのは当然のことだと思います。 私も、そのことについては頻繁に言及しています。

しかし一方で、記事一つ一つは、異なる人へ向けての異なるメッセージです。
すなわち、個別記事というものは、どういう人々に何を伝えるか、ターゲットを明快にして書くものだと私は考えています。
そういうところでいちいち、しかし、例外はあります、とか言って全ての人に配慮した注釈を付けると、読む側もメッセージがなんなのかわからなくなります。

したがって、読まれた方の立場次第では、その記事では自分の存在を無視されているように感じる、配慮が足りないと感じられる記載内容があり得ます。
その場合、その記事はほかの人に向けられた記事であると、スルーしていただけたらありがたいです。

よろしくお願いします。

ぽっちゃりも糖質も菊芋におまかせ ↑宣伝ヽ(´▽`)/
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