強靭な肉体と運動能力のマーサイ族の糖質摂取率は?
人間がレッド・ミートをたくさん食べ続ける危険性について触れた前の記事。
その記事内容を書くためにWikipediaでマサイ族について読んでみたのですが、彼らの伝統的な生活とその主食に関する記述を読んでみると、ものすごく考えさせられます。
以下はWikipediaからマーサイ族の伝統的なライフスタイルに関する記載の抜粋です。
牛はマーサイ族にとって最も重要な動物であり、貨幣の代わりでもある。賠償・結納・相続なども牛の受け渡しによって行われる。男性において牛を持たないということは、それだけで恋愛対象にならないというほど、牛は重視される。
伝統的な主食は牛乳と牛の生血。近年ではウガリ・チャパティ・米飯などの炭水化物も日常食となっている。牛乳をギブユという瓢箪に入れて作った原始的なヨーグルトや、牛の血を抜いてそれを牛乳と混ぜ合わせた飲み物もある。また牛の血そのものも飲用する。客人が来たときのお祝い事などでは動物を殺して肉食をすることもあるが、家畜を潰してしまうことになるためごくまれである。牛肉は非常に固いものをよく噛んで食べ、日本人や西洋人のように熟成させた柔らかい肉は好まない。このほか後述とも関連するが、魚食は全くせず、野菜を食べることもごく少ない。
正装したマーサイの戦士たち。1906-1918年. 同じくWikipediaより
オリンピックの陸上競技にマーサイ族の人たちが参加するようになり、アフリカの他の民族の選手たちの中には、走る前から白旗を上げるような人たちもいると言います。
「マーサイ族に勝てるとは思えない、彼らがもっと出てきたら陸上トラックは彼らのものだよ。」
それほどに運動能力が高いことで知られるマーサイ族。
その彼らの主食、もう一回見てみてください、牛の乳と血です。
草もほとんど食べませんし、欧米人がやってきて小麦食を押し付けるまではでんぷんを食べることはありませんでした。
それでも素晴らしい運動能力と持久力を持っていたのです。
もちろん、牛乳には乳糖がカロリー比で10%近く含まれていますし、ヨーグルトにも5%程度の乳糖は残ります、血液にも血糖がちょびっと含まれてます。
ということは、どう多めに見積もっても、カロリー比で10%以下の糖質しか摂取してないですよね、マーサイ族の人たちの食事。
農耕民族が食べているような糖質比率60%かそれ以上の食事とは全く異なる糖質比率です。
極北のエスキモーの人達と全く異なる常夏の場所に住むマーサイ族の人たち、そのどちらもが糖質をごくわずかしか摂取していない。
人間が糖質を、少なくとも穀物由来のでんぷんを主食として食べなくても何の問題もないこと、運動能力にも全く問題ないことを如実に表しています。
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何度も書いていますが、私は穀物そのものの生産と消費を批判するつもりは全くありません。
肉体ができあがっていく成長期に食べるのは問題ないですし、重労働や激しいスポーツをしている人たちにとっても重要な食べ物です。
米や小麦は現代文明を築いた礎となる素晴らしい食べ物であると思っていますし、これからも生産は続けるべきです。
でも、糖質というのは、最低でもカロリー比で40%以上食べないと命に危険が及ぶ常時大量摂取が必須の食品ではないことが言いたいだけです。
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先日youtubeで
BS世界のドキュメンタリー<2011年フランス製作>
http://v.youku.com/v_show/id_XNDA3MTU0OTY0.html
<ロシア、ドイツ、アメリカの絶食療法への取り組み>
というのを見つけて以来、興味深く何度も観ていて、先生にお伺いしたいと思っていたことがあるので、ここで質問させていただきます。
フランス国立科学センター、 ル マオ教授が研究した結果、よく研究されている40日間絶食可能の皇帝ペンギンと同じくネズミでも40日間可能だったことから人間でも同じと推測できる。(ソ連の精神病院の絶食療法でも平均25日から40日の絶食期間だった)
その間使われるエネルギーは糖質ゼロ、96%が脂質、体の組織から取られる蛋白質は僅か4%、脂質が80%使い切られた所が絶食の限界と説明しています。
ではその割合でエネルギー補給すれば、生存はもっともっと維持されるのでしょうね。最低限度エネルギーの4%の蛋白質でどこまで生存できると推測されますか。
匿名さん
NHKのサイトを見てきましたが、書いていらっしゃるように、絶食している人は自分の身体の中に蓄えてある体脂肪とタンパク質(おそらく筋肉)を消費して生存するというわけですね。
ですから、理論上は「96%の脂肪+4%のタンパク質」の食事を、その人が蓄えていた脂肪の重さの2%になるように毎日食べればずっと生きていけるということになります。
具体的に言えば、絶食前に10kgの体脂肪を持っていた人であれば、毎日およそ200gの脂肪と、8gのタンパク質を摂取すればそれでOK、という計算ですね。
でも、体内にある分と、食べる分では消化吸収のプロセスの分だけ食べる方が効率が悪くなりますので、もう少し食べる必要があるでしょう。20%ほど大目に摂取するとみれば、脂肪240gとタンパク質10gぐらいという感じですかね。
カロリーにして2200kcalほどです、普通の食事のカロリーですね。
96%の脂肪があって初めて成り立つ絶食ですから、4%のタンパク質だけ追加しても、あまり効果はないんじゃないですかね。
マーサイ族で、ふと思い立って靴を検索してみました。
http://jp.mbt.com/Footer/Company/About-Us.aspx
ワラーチという手作りのサンダルもありました。
http://www.greatoutdoors.jp/greatlife/post-2.html
先日NHKで紹介されていた裸足で走ろうという集まり。
http://www.hadashirunning.jp/
人類も動物であり700万年間のほとんどを裸足であるいていたことを考えると糖質制限同様、身体のためにはこういった考え方が重要と思いました。
うっかり名前入れるの忘れていて失礼しました。
いつもご回答ありがとうございます。
この蛋白質4%というのは、(赤血球のための)肝臓の糖新生に必要な分と解釈して良いでしょうか。
インドの霞を食べて生きている言われるヨガの仙人、実はバターと少し牛乳は摂っているとどこかで読んだことがありますが、それは本当のことかもと思えました。まあ、バターを240gも食べているとは思えませんけれど。
とまれ成人であれば、脂質をたっぷり、適当な蛋白質、野菜と正にケトジェニックダイエットでいけるということですね。
強靭な肉体と運動能力のマーサイ族の人たちの写真を見ると
先進国人からは 比較して やせ細っているように見えますよね。
筋肉はしなやかな感じで、多そうじゃありません。
糖新生と、筋肉量の増減の関係はあるのでしょうか?
糖質制限をしている人で 筋トレしていても
プロテインを使う必要はないと
江部先生の本には書いてあります。
糖質制限者も筋肉を増やそうと思えば 筋トレは必要かと思いますが、
糖質制限者では、筋トレをしなければ 筋肉量が落ちていくってことはあるのでしょうか?
筋トレを特にしなくても 維持はしていくということなら安堵するのですが・・・
そのへんを少し危惧しています。
今から、ウォーキングに行ってまいります笑)
かんなさん
足裏マッサージとか足つぼとか言われるけれども、裸足で走り回ればそれで十分、って感じですかねえ。
家の中だけでも靴下やスリッパを避けて極力裸足で生活すると、少なくともバランス感覚はよくなる感じがしますね。
ルバーブさん
ルバーブさんだったんですね、失礼しました。
この4%というのはよくわかりませんが、糖新生に優先的に使われていそうなのは間違いないですね。
絶食療法中の患者さんたちの腸内細菌も気になります。
生命維持にけっこう貢献しているようにも思われ。
インドの聖人、バターと牛乳を食べていたのですか!
それなら納得。
入院させて四週間ぐらいの厳密な観察では何も食べてなかったのに平気だったという話も何かで読んだような気もしますが、バターと牛乳を入院前に補給していたのであれば、それで持ちそうな代謝の方みたいですしね。
ほとんどオオグソクムシだなあ。
toさん
マーサイ族の筋肉は放牧と狩猟採集生活に適したつき方をしているでしょうから、西洋人の理想とするマッチョな筋肉質の身体とは異なるのが当然かなと思います。
マーサイ族が近いのはマラソンランナーなどの持久走の選手じゃないでしょうか?
何を理想とするかなのですが、ボディビルダーとまではいかないまでも、ボクサーや水泳選手のような逆三角形の体型で金の句で引き締まっている体、そしてそれが素早く動ける体であることを目指すのであれば、筋トレと糖質摂取は欠かせないと思います。
マラソンランナーのような体が理想であれば糖質制限してよく歩いていればそれで十分、筋トレは不要だと思います。
でも、マラソンランナーよりは立派な大胸筋が欲しいのであれば、筋トレは必要じゃないでしょうか。さらに、格闘家、プロ野球選手のような最高度の瞬発力も求めるのであれば、食べてすぐにエネルギーとして使える糖質摂取は必須の食べ物なのじゃないかと思ってます。
私は筋トレはまったくしていませんが、腕立て伏せなどをしてみても特に何もストレスを感じないので、それなりに維持できているのだろうなと思います。
先日、人間ドックで運動能力の検査をしましたが、バランス感覚以外はすべて標準以上でした。
運動は通勤で毎日6㎞ほど歩いています。